1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

「難しすぎる…」生前贈与の仕組み、税制改正のポイントを解説

Finasee / 2024年12月5日 12時0分

「難しすぎる…」生前贈与の仕組み、税制改正のポイントを解説

Finasee(フィナシー)

生前贈与は、相続税対策の一つとして取り上げられることも多い。それはなぜか、そもそも相続税には3000万円に加え被相続人1人当たり600万円の基礎控除枠がある。

ほかにも場合によって、諸控除があるが、原則はこの基礎控除枠内であれば、相続税はかからない。この非課税枠を超えた法定相続財産に対して10%から最大で55%の相続税が掛けられる。つまり、生前に何らかの形で相続財産を減らすことが、相続税対策にもつながるのである。

生前贈与は読んで字のごとく、生きている間に財産を誰かに贈与することを指す。贈与した分、相続財産が減らせるので、相続税軽減につながる可能性があるというわけだ。

もちろん、ただ贈与しただけでは贈与の相手となる受贈者に贈与税が課せられてしまう恐れがある。相続税対策として活用するには、何点か注意が必要だ。

まず、生前贈与は大きく二つに分けられる。一つは暦年贈与、もう一つが相続時精算課税制度だ。

暦年贈与から見ていこう。そもそも贈与には毎年(1月1日~12月31日まで)110万円の非課税枠が設けられている。この枠内で毎年贈与することで少しずつ相続財産を減らす。これが暦年贈与だ。

ただし、2024年1月の税制改正により相続前に行われた贈与については7年前にさかのぼり相続財産に組み入れて相続税の計算が行われるように変更された点には注意してほしい。

次に相続時精算課税制度である。60歳以上の父母。祖父母が18歳以上の子や孫に贈与する際に使える制度で、最大2500万円まで贈与ができる。

2500万円を超えた分に関しては一律で20%の贈与税が課せられるものの、2500万円以下であれば、贈与時には税が課せられないというメリットがある。

ただし、制度を活用した財産は、贈与した人が亡くなり、相続が発生すると相続財産に組み入れられ、相続税の計算が行われる点には留意が必要だ(すでに支払った贈与税分は相続税からは控除される)。

なお、もともと暦年贈与と相続時精算課税制度は、どちらか一方しか利用できなかった。しかし、2024年1月の税制改正により変化した。相続時精算課税制度を選択していても、110万円の基礎控除枠も活用できるようになったのである。つまり、より相続時精算課税制度の利便性が向上した形だ。

また、制度をうまく活用すれば単に相続財産を減らすだけでなく、子や孫に資産を譲っておき、早くから資産運用などに活用してもらうことも可能だ。時間を味方につけることで、将来の資産形成を助けるというメリットも期待できるだろう。

制度を知り、賢く活用することで、「思った以上に相続財産がかかってしまった」といった後悔なく、財産を引き継げるようにしてほしい。

Finasee編集部

「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください