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年次改定で高まった個人消費の持続可能性

Finasee / 2024年12月19日 6時30分

年次改定で高まった個人消費の持続可能性

Finasee(フィナシー)

米国の個人消費はGDPの7割を占める最も重要な項目である。米国経済は2024年7-9月期の実質GDP成長率が前期比年率2.8%(前期:3.0%)と前期から小幅低下も堅調を維持している。これは個人消費が3.5%増(前期:2.8%増)と堅調となっていることが大きい。個人消費は雇用増加や賃金上昇に加え、株高や不動産価格の上昇など良好な家計のバランスシートに支えられている。

米国では11月と12月の2カ月の小売売上高の合計が年間売上高の2割弱を占めており、この時期の消費は年末商戦として個人消費の動向を判断する上で注目されている。全米小売業協会(NRF)は、店舗とオンライン販売を合わせた今年の年末商戦の売上高は9,795億ドル~9,890億ドルとなり、前年比では2.5%~3.5%増と予想している(図表1)。これは前年の同3.9%増から小幅に低下するものの、依然として底堅い伸びである。また、NRFはオンライン販売が2,951億ドル~2,979億ドルと店舗販売額の方が大きいものの、前年比の伸びが8%~9%としており、オンライン販売が売上高を牽引するとしている。

 

一方、年末商戦のうち、とくに11月下旬の感謝祭(今年は11月28日)、翌日のブラックフライデー、土日を挟んだ月曜日のサイバーマンデーの5日間が最も売上高が高くなる期間である。今年の結果については高頻度データを中心に次第に明らかになっている。NRFの調査ではこの5日間に店舗やオンライン販売で買い物をした人数は1億9,700万人と推計されており、昨年の2億40万人を下回ったものの、調査史上2番目に高い水準となったほか、NRFの予想である1億8,340万人を上回った(図表2)。このうち店舗とオンラインの内訳は、店舗が1億2,600万人で昨年の1億2,140万人から増加した一方、オンライン販売は1億2,430万人とこちらは昨年の1億3,420万人から減少する結果となった。

 

また、マスターカードはクレジットカードの利用データを基にブラックフライデーの小売売上高(除く自動車)が前年比3.4%増になったとの調査結果を発表した。このうち、オンライン販売が前年比14.6%増と好調になった一方、店舗販売の伸びは0.7%と低調にとどまったとしている。さらに、アドビ・アナリティックスによれば、5日間のオンライン販売は合計で411億ドル(前年比8.2%増)と史上最高額に達したことが示された。5日間の内訳は感謝祭が61億ドル(前年比8.8%増)、ブラックフライデーが108億ドル(同10.2%増)、土日が合計で109億ドル(同5.8%増)、サイバーマンデーが133億ドル(同7.3%増)と、サイバーマンデーがオンライン販売で最も売上の大きい日となった。このように、現時点で判明している結果は、年末商戦の売上高がおおむねNRF予想に沿った堅調な滑り出しと言えよう。

窪谷 浩/ニッセイ基礎研究所 経済研究部 主任研究員

1991年日本生命保険入社、NLI International Inc.(米)、ニッセイアセットマネジメント(株)、公益財団法人国際金融情報センター等を経て、2014年10月より現職。日本証券アナリスト協会検定会員。

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