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メガバンクで「ゴールド」のファンドが人気化する理由は? 「S&P500」の上昇は限界なのか?

Finasee / 2024年12月20日 6時0分

メガバンクで「ゴールド」のファンドが人気化する理由は? 「S&P500」の上昇は限界なのか?

Finasee(フィナシー)

みずほ銀行の投信売れ筋ランキングの2024年11月は、トップが8カ月連続で「ピクテ・プレミアム・アセット・アロケーション・ファンド」になった他、第2位に「キャピタル世界株式ファンド」、第3位に「キャピタル・インベストメント・カンパニー・オブ・アメリカ ICA」が入り、上位ファンドに変更はなかった。前月5位(前々月7位)に上がった「グローバル・ハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)(愛称:未来の世界)」がさらにランクアップして第4位になった。一方、前月はトップ10圏外から第9位に上がった「みずほJ-REITファンド」はトップ10圏外に落ち、新たに「ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)」がトップ10圏外から第9位に食い込んだ。

 ◆「欲張らない投資」で年率13.12%のリターン

売れ筋のトップの「ピクテ・プレミアム・アセット・アロケーション・ファンド」は、11月の月次収益はマイナス1.11%と横ばいの推移だった。世界の株式、債券、金をはじめとするさまざまな資産に分散投資し、市場環境に応じて資産配分を機動的に見直す運用を行っているが、11月は新興国株式や先進国ソブリン債、欧州国債への投資がマイナスに寄与した。一方、ロボティクス関連株式を売却、世界株式(ETF)、新興国高配当株式、テーマ戦略株式などの組入比率を引き下げ、金への投資比率も引き下げている。多くの資産に分散投資しているため、11月のように新興国株式が冴えない展開になったとしても米国株式の上昇で補うなど、バランスの取れた運用ができるため、単月ではマイナスだったとしても過去1年間ではプラス13.12%の運用成績を確保している。年率2ケタの成長が期待できるのであれば、「欲張らない運用」に徹する同ファンドの人気は続きそうだ。

また、第2位につけている「キャピタル世界株式ファンド」は11月末時点の過去1年間のトータルリターンが25.7%だ。参考指数としているMSCI  ACワールド・インデックスに連動する「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の29.1%には届いていないものの、安定的に右肩上がりの運用成績を残していることが信頼となっているのだろう。

そして、同じキャピタル・グループが運用する「キャピタル・インベストメント・カンパニー・オブ・アメリカ ICA」は投資対象を米国株式に限定したファンドだ。過去1年間のパフォーマンスは35.9%と、参考指数である「S&P500」の37.0%とほぼ互角の収益率を稼いでいる。今後の第二次トランプ政権の発足を控え、米国の経済政策に不透明感が強まっていることが、運用の専門家が調査の上で投資価値があると判断した銘柄のみに投資するアクティブファンドへの期待感につながっていると考えられる。

◆注目度が一段と高まる「未来の世界」

「グローバル・ハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)(愛称:未来の世界)」が遂に第4位に浮上した。7月、8月にはトップ10圏外になっていたことに比べると、人気の復調ぶりが際立っている。このファンドは、モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメントのボトムアップの調査力を駆使し、外部環境の変化に影響を受けにくく将来にわたって持続的で質の高い成長が期待できる企業を選別し、株価の割安度を重視して少数の銘柄に集中投資を行っている。11月末時点での過去1年間のトータルリターンは39.08%と、「S&P500」を上回るパフォーマンスになった。今後の米国市場、および、トランプ政権の関税政策などによって世界の株式市場が左右される可能性があり、そのような外部環境の変化の影響を受けにくい企業に厳選して投資するという同ファンドのコンセプトは現在の環境では頼りになると感じられるのだろう。

また、第9位に食い込んできた「ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)」は、三井住友銀行でもトップ10に入ってくるなど注目度が高まっている。同ファンドは実質的に金(ゴールド)の現物に投資し、米ドル建ての金価格の値動きに連動する成果をめざす。過去1年間のトータルリターンは31.41%となり、主要な株式ファンドとそん色のないパフォーマンスを出している。基本的に株式とは異なる理由で価格変動する資産として株式投資のリスクヘッジ手段としても活用されているが、近年は値動きの良さを評価して値上がり益を積極的に狙っていくファンドの1つにもなっている。既に割高が指摘される「S&P500」は依然として史上最高値を更新する好調を持続しているが、その高値がいつまで続くのかという懸念も強まっているだけに、そのリスクヘッジ手段としても使われる「ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)」の人気の持続性は気になるところだ。

執筆/ライター・記者 徳永 浩

Finasee編集部

「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。

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