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老後資金がまだ足りない…年金増額を目指し70歳までの厚生年金加入を決めた男性、のちに判明した「思わぬ恩恵」

Finasee / 2024年12月26日 18時0分

老後資金がまだ足りない…年金増額を目指し70歳までの厚生年金加入を決めた男性、のちに判明した「思わぬ恩恵」

Finasee(フィナシー)

年金は自身の加入期間に応じて計算されることになります。受給できる額を増やそうと年金に加入した結果、自身の年金だけでなく、配偶者の年金が増えるケースもあります。

「年金が少ない」と引き続き増やそうとする夫

夫・宏行さん(仮名、以下同)と妻・智子さんはともに65歳、宏行さんが2024年10月に65歳を迎え、1カ月後の11月に智子さんも65歳を迎えました。2人とも65歳からの老齢基礎年金と老齢厚生年金について、特に繰下げ受給もせず、65歳開始で受給することになりました。宏行さんは年間130万円、智子さんは年間80万円の年金です。

宏行さんは自由な働き方が好きなようで、正社員あるいは非正規社員で会社に勤務したり、個人事業主になったり、仕事を転々とした生き方をしてきました。経験した業種や職種も多岐にわたります

しかし、その影響が年金に出るようになり、現在、生活するのに年金だけではまだまだ足りないと思っています。65歳の前月(2024年9月)までで宏行さんの厚生年金に加入した期間は合計219カ月(18年3カ月)でした。「そんなには長く厚生年金に入ってないんだよな、だから学校卒業から定年まで40年くらい勤めていた友人より年金は少ない」と感じています。

65歳になった宏行さんは59歳の頃から勤め始めた会社に今も引き続き勤めています。「自分にしては長く6年勤めてきたけど、今の会社は少なくとも70歳までは雇ってくれるようだ。引き続き働いて70歳になるまで厚生年金を掛ければ、年金が今の130万円より増えるらしいから頑張ってみようかな」と65歳以降も厚生年金に加入することになりました。一方の智子さんは厚生年金に加入したのは若い頃の数年間のみでした。

厚生年金に加入しない妻の年金はもう増えないのか

宏行さんは今の給与の額、払った厚生年金保険料の額からどれくらい年金が増えそうか確認したくなったため、智子さんとともに年金事務所に行きます。

窓口で宏行さんは、65歳から70歳になるまで厚生年金に加入することで増える額を試算してもらうことができ、将来のおおよその金額が把握できるようになりました。「70歳になる頃には今より年間18万円増え、合計148万円なのか、まぁまぁ増えるな」と満足です。

一方、智子さんは「私はそんなに身体も丈夫じゃないし、頑張って外で働けそうにないから厚生年金も掛けられないな」「そうなると今からはもう年金は増えないのよねぇ」とやや諦め気味に言います。

しかし、窓口の職員は「いえ、宏行さんがこのまま頑張って厚生年金に加入を続ければ、智子さんの年金も増えますよ」と言います。「何もしていないのに私の年金も増える、そんなことってあるの?」と不思議に思う智子さん。宏行さんはともかく、なぜ智子さんの年金も増えるのでしょうか。そして、いくら増えるのでしょうか。

●智子さんの年金が増える理由は、後編【まさか妻の年金まで増えるとは…60代夫婦を救った厚生年金加入継続による「想定外のメリット」】で詳説します。

※プライバシー保護のため、内容を一部脚色しています。

五十嵐 義典/ファイナンシャルプランナー

よこはまライフプランニング代表取締役、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®認定者、特定社会保険労務士、日本年金学会会員、服部年金企画講師。専門分野は公的年金で、これまで5500件を超える年金相談業務を経験。また、年金事務担当者・社労士・FP向けの教育研修や、ウェブメディア・専門誌での記事執筆を行い、新聞、雑誌への取材協力も多数ある。横浜市を中心に首都圏で活動中。※2024年7月までは井内義典(いのうち よしのり)名義で活動。

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