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熟年離婚をしても生活は成り立つ? モラハラ夫に意地悪な義母…50代女性が直面した老後への「厳しい道のり」

Finasee / 2025年1月7日 19時0分

熟年離婚をしても生活は成り立つ? モラハラ夫に意地悪な義母…50代女性が直面した老後への「厳しい道のり」

Finasee(フィナシー)

普段から夫婦問題診断士、兼、ファイナンシャルプランナーとして夫婦問題とお金の相談業務を行っている筆者のところには「離婚を考えているけれど、離婚しても生活は成り立つでしょうか」という相談がたくさんきます。そこで、今回は離婚に向けて行動しているのり子さんの事例をもとに離婚しても生活が成り立つ5つのポイントを解説します。離婚に向けて何を準備すれば良いか、離婚しても生活が成り立つか、悩んでいる人は5つのポイントを自分に当てはめて考えてみてください。

結婚当初から抱いていた夫への違和感

のり子さん(仮名・50代)は結婚してからというもの、夫のモラハラに25年間耐えてきました。のり子さんが資格取得の本を読んでいると「そんな資格を取って俺と同じくらい稼げると思っているの?」と言われたり、夫が仕事の話をした時は必ず最後に「『いつもありがとう』を言わない」と怒鳴ったり。

「でも、信用できないと決定的に思ったのは出産時です」と言います。「陣痛が来たことを仕事中の夫に知らせましたが、当日、夫は病院には来なかったんです。次の日、義母と一緒に来ましたが、私は出産を終えたばかりだし、義母もいるし、うれしそうに赤ちゃんを抱っこする夫を見て、来なかった理由を聞く気力もなくて」と話します。

命が誕生するという人生最高に幸せな日であるにもかかわらず、2人でその時間を過ごせなかったことが、ただ、ただ悲しかったとのこと。しかし、子どもへの無関心はその後も続きます。夫は育児参加することはなく、のり子さんはワンオペで子育てをしてきました。子どもが小学生の時に、発達障害の診断を受けたそうですが「まあ、対応は任せるよ」の一言のみで、まるで他人事だったと言います。

姑からの嫌味に加え、夫のモラハラも続く

また、子どもが診断を受けたことによって姑からもいびられました。「あんたの育て方が悪かったんやろ」「昔はそんなん普通やったのに、わざわざ病院行くほどのことでもないのに」と、会うたびに責められ、徐々に姑とは距離を置くようになりました。

子どもに手がかかるため働きたくても働きに行けなかったのですが、子どもが中学生の時にパートで働くようになりました。しかし、家事に手が回らない日が出てくると「その程度の年収で家のことをおろそかにするな」と夫から言われたこともあり「そのくらいから離婚を本気で考えるようになりましたね」と、言います。

現状の収入では1人で生きていけない

その後、のり子さんは子どもが大学に合格したタイミングで筆者のところに相談に来ました。離婚しても生活は成り立つかと相談に来たのり子さんでしたが、仮に財産分与の対象となるマイホームが希望通りの価格で売れ売却益を得られたとしても、今の年収では、老後を迎えるまでに生活破綻してしまうことが分かりました。

離婚後は分与財産の切り崩し生活がすぐに始まり、老後までにすべての財産を使い果たしてしまうのです。生活を成り立たせるためには、分与後の財産を切り崩しながら生活するのではなく自分の稼ぎで生活を成り立たせる必要があります。

老後においても、年金分割をしたとしても厳しいと予想されます。離婚時の年金分割は厚生年金の記録を夫婦で分け合う制度ですが、のり子さんは扶養に入っている期間が長かったため、厚生年金の記録が少なく、分割したとしても厳しい金額になりそうです。それゆえ、財産分与の財産は老後への備えとしてとっておくくらいの稼ぎが必要なのです。

そこで筆者は、老後までは自分の稼ぎで生活ができる年収が必要であること、さらに財産分与とは別に、離婚後、老後までに1000万円程度は貯蓄できる年収がないといけないことをお伝えし、その目安の年収が350万円程度であることもお伝えしました。この金額であれば厚生年金に加入するため年金を増やすことができますし、離婚後の生活において、毎月の手取りから貯蓄するのは難しいとしてもボーナスは貯められると思われます。

●相談から3年後、のり子さんには驚きの変化が表れていました。後編【モラハラ夫との熟年離婚を考え始めた50代女性…老後破綻を防ぐため、最初に取り組んだ“対策”】で詳説します。

※プライバシー保護のため、内容を一部脚色しています。

前田 菜緒/ファイナンシャルプランナー

FP事務所AndAsset代表。ファイナンシャルプランナー(CFP、1級FP技能士)。大手保険代理店に7年間勤務後、独立。子育て世代向けにライフプラン相談、セミナー、執筆などを行っている。子連れでセミナーに行けなかった自身の経験から、子連れOK、子どもが寝てから開催するなど、未就学児ママに配慮した体制で相談やセミナーを実施。経済的理由で進学をあきらめる子をなくしたいとの想いを持ち、活動中。

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