モラハラ夫との熟年離婚を考え始めた50代女性…老後破綻を防ぐため、最初に取り組んだ“対策”
Finasee / 2025年1月7日 19時0分
Finasee(フィナシー)
<前編のあらすじ>
のり子さん(仮名・50代)は結婚後、25年間夫のモラハラに耐えてきました。夫がのり子さんを見下した発言をするのは日常茶飯事で、特に「信用できない」と思ったのは出産時です。
のり子さんは陣痛が来たタイミングで仕事中の夫に連絡をしましたが、当日、なんと夫は病院に来なかったのです。命が誕生する、人生で最高に幸せな日を2人で時間を過ごせなかったことが、ただ悲しかったと話します。
子どもは小学生の時に発達障害の診断を受けますが、夫の無関心はその後も続きました。のり子さんはワンオペで子育てを担い、子どもが中学生になってパートを始めると、離婚を本気で考えるきっかけとなる出来事が起こりました。
●前編:【熟年離婚をしても生活は成り立つ? モラハラ夫に意地悪な義母…50代女性が直面した老後への「厳しい道のり」】
あれから3年、のり子さんは…のり子さんは相談後すぐにパートから正社員に登用されました。幸い正社員になったことで会社の確定拠出年金に加入できました。よく分からないまま投資信託を選んだと言っていましたが、株式型を選択していたため数万円の利益が出ていました。
さらにNISAも銀行から勧められて始めました。3年前と違うところはのり子さんの前向きな姿勢です。3年前は夫の愚痴が多かったのですが、今は未来に向かって自分は何をすべきで、実際何をしているのかという発言が多くなりました。のり子さんは、現在、自分で稼ぎその資金の一部を離婚準備資金として積み立て、また、一部はNISAで運用して将来に向けて積み立てています。
再度、離婚後のシミュレーションをしたところ、問題なく生活できそうなことが分かりました。のり子さんは「安心しました。財産をどう分けるか? という課題は残っていますが、これから働けるだけ働こうと思っているので、どうにか生活ができることが分かり、今まで準備してきたかいがありました」と言っていました。
離婚しても生活は成り立つか? チェックポイント5選のり子さんのライフプランが問題ない結果になったのは、もちろん金銭面で余裕ができたからですが、具体的にどのような点が影響したのか、チェックポイントを5つまとめました。
①経済的自立(自分の稼ぎで生活できる)と元気なうちは何歳でも働きたいと思っている
のり子さん自身、仕事に対して体力的にきついと感じることは多々あるようです。それでも社会とのつながりを持ち続けたい、生活のために長く働きたいと考えているため、収入を確保できる期間が長く取れるようになりました。
②健康に気をつけている
長く働くためには健康であり続ける必要があります。病気になってしまうと収入減少に加え医療費もかさみます。のり子さんは現在、食事とヨガで健康を保っているようですが、健康であることも非常に重要です。
③資産運用している
会社の確定拠出年金、NISAを始めたことも離婚後の生活を改善させるポイントです。資産形成は時間がかかりますから、1日でも早く始めることが大切です。
④離婚後の生活設計を具体的に計算した
1人で生きていくなら、今後どれだけの資産とどれだけの収入が必要か、これを知らずに離婚してしまうと貧困まっしぐらです。離婚後の収支を計算することで生活水準もイメージでき、離婚に備えることができます。離婚後の1人暮らし費用の予想がつかないという人もいますが、現在の支出を洗い出し、毎月の自分自身の支出はいくらかを確認してください。少なくとも自分の稼ぎで生活費をカバーできるかどうかは計算しておきましょう。
⑤過去より未来を見ている
3年前、のり子さんが相談に来た時は、夫の愚痴も多く前向きな言動は多くありませんでした。夫からのモラハラ経験はつらかったと思いますが、これから新しい人生を歩むなら、過去を振り返っても前には進めません。それに、そんな夫を選んだのは自分です。選んだのは自分だから、選ばない人生を切り開くのも自分で行う必要があります。自分で前向きに人生を変えていかなければいけないのです。実は、これが一番難しいポイントと言えるかもしれません。しかし、のり子さんは過去がどうだったかというよりも未来を見据えて、これから生きていこうとする精神的な強さを身につけました。
***離婚を考える人は長年の恨みつらみが募っています。しかし、そこに不満のエネルギーを注ぎ込んでいると、決して前に進むことができません。シワだって増えるでしょう。賢く生きて新しい人生を楽しく歩むにはどうすればいいか、視点を変えて考えてみると、一歩前進できるヒントが必ずあります。
※プライバシー保護のため、内容を一部脚色しています。
前田 菜緒/ファイナンシャルプランナー
FP事務所AndAsset代表。ファイナンシャルプランナー(CFP、1級FP技能士)。大手保険代理店に7年間勤務後、独立。子育て世代向けにライフプラン相談、セミナー、執筆などを行っている。子連れでセミナーに行けなかった自身の経験から、子連れOK、子どもが寝てから開催するなど、未就学児ママに配慮した体制で相談やセミナーを実施。経済的理由で進学をあきらめる子をなくしたいとの想いを持ち、活動中。
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