「テーマ投資はしない」「2025年の運用方針は何も考えていない」投資初心者、では投資上級者はどう考える？

Finasee（フィナシー）

投資中級者で支持が高い投資テーマは「半導体」　投資上級者は？

2024年はどのような投資テーマの人気が高かったのかを見ていこう。今回は資産運用会社であるGlobal X Japanによる投資家331人を対象とした調査を参考にする。

調査結果では、投資上級者で最も回答率が高かったのは「高配当」。昨今はやりのFIRE（経済的自立による早期リタイア）もそうだが、配当金生活を夢見る人は多いのかもしれない。

また投資中級者では「半導体」が最多だった。米国を中心とした株高のけん引役でもある半導体、特にパソコン向けGPUの開発で知られるエヌビディアはその代表だ。今や同社の決算が株式市場全体の方向性を決定づけるほどに、その注目度が高まっているとも言われる。

前編：【波乱相場も“バブル期越え”の終値だった2024年、投資家の動きを振り返る。投資上級者はどう動いた？】

ただAI関連の半導体銘柄とそれ以外で二極化が進んでいるとの指摘もあり、半導体ブームが今後も続くのかは予断を許さない状況だ。

投資初心者では「テーマ投資はしていない」の回答率が最多だった。明確に投資テーマを定めている投資上級者や投資中級者とは異なる結果であり、ステップアップの余地があるのかもしれない。

出所：Global X Japan　「2024年の投資結果の振り返りと2025年の展望に関する調査」好調だった投資商品　投資中級者と投資初心者は「投資信託」　投資上級者は？

人気が高かったテーマに続いて2024年に実際に保有して好調だった投資商品についても見ていきたい。調査によれば、投資上級者で最も回答率が高いのは「日本株式」、投資中級者や投資初心者だと「投資信託」だった。前問では投資上級者は「高配当株」を保有している投資上級者が多かった。この回答から考えると、高配当の個別株を組み合わせて自分好みのポートフォリオをカスタマイズしている投資上級者も少なくないのかもしれない。

それに対し投資中級者や投資初心者は米国株や全世界株の株価指数に連動した投資信託など、あらかじめ分散されている投資商品を購入しているようだ。銘柄選択で失敗するリスクを小さくできるので、これも１つの戦略だろう。

出所：Global X Japan　「2024年の投資結果の振り返りと2025年の展望に関する調査」2025年も「買付」方針の投資家が多い

最後に気になる2025年の運用方針について投資家の意見を聞いてみよう。調査によれば、「買付のみの予定」あるいは「売却よりも買付を多くする予定」と回答した人が「すべて売却予定」あるいは「買付よりも売却を多くする予定」を上回る結果に。

投資対象の持続的な成長に期待を持っている人が決して少なくないようだ。一方で「何も考えていない」の回答率は投資初心者が最多だったことから、次の一手を考えるうえで、経験の差があらわれているのかもしれない。　

出所：Global X Japan　「2024年の投資結果の振り返りと2025年の展望に関する調査」

Finasee編集部

「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40～50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。