数ある低コストインデックスファンドの中で、「楽天・プラス」が存在感を強めるワケは?
Finasee / 2025年1月10日 6時0分
Finasee(フィナシー)
楽天証券の投信売れ筋ランキングの2024年12月のトップ5は前月と同様に「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」、「楽天・プラス・S&P500インデックス・ファンド」、「楽天・高配当株式・米国ファンド(四半期決算型)」、「楽天・全米株式インデックス・ファンド」だった。また、前月第8位だった「iFreeNEXT FANG+インデックス」が第6位に上昇し、トップ10圏外から「楽天・プラス・NASDAQ-100インデックス・ファンド」が第10位に入った。
◆売れ筋トップ10を米国株ファンドが席巻楽天証券の売れ筋ランキングのトップ10は、大半が株式インデックスファンドになった。また、アクティブファンドである「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース」も含めて7銘柄は米国株ファンドになった。米国株式は、代表的なインデックスである「S&P500」が2023年の24.23%高に続いて2024年も23.31%高と2年連続で年間20%超の大幅高になった。
2023年こそ年間上昇率で米国を上回った日本株は、2024年は「日経平均株価」で19.22%高、「TOPIX」は17.69%高と20%の大台越えはかなわず、日米欧・中国という主要な株式市場において米国「1人勝ち」が強く意識される年末だった。12月の売れ筋に米国株インデックスファンドが並んだのは、12月半ばまで高値を更新した米国株価指数の動きにけん引された結果といえる(「NASDAQ総合」の史上最高値は12月16日)。同じ時期に12月12日までドイツ「DAX」も史上最高値を更新していたのだが、この動きを評価する投資家は少なかった。
米国株インデックスファンドの「iFreeNEXT FANG+インデックス」や「楽天・プラス・NASDAQ-100インデックス・ファンド」が順位を上げていることと比べると、全世界株インデックスファンドである「楽天・プラス・オールカントリー株式インデックス・ファンド」は順位を第6位から第7位に落とした。1年間の基準価額の上昇率は「iFreeNEXT FANG+インデックス」の70.75%、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の40.78%に対し、全世界株の「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」は32.48%であり、米国株に対して全世界株のパフォーマンスは見劣りするものだった。このパフォーマンスの差が売れ筋としての人気の違いに表れているのだろう。
◆存在感を高める「楽天・プラス」「楽天・プラス」シリーズが12月の売れ筋ランキングに3本ランクインした。同シリーズは、低コストでシンプルな運用をコンセプトに、楽天証券の取扱いファンドのなかで運用管理費用(信託報酬)が最安、かつ、投信残高ポイントプログラムの対象ファンドになっている。インデックスファンドの差別化のポイントである運用コスト(信託報酬)で最も低いというメリットに加え、ポイントをより多く獲得できるというメリットもある。シリーズは6本で、全世界株の「楽天・プラス・オールカントリー株式インデックス・ファンド」、米国株の「楽天・プラス・S&P500インデックス・ファンド」、先進国株の「楽天・プラス・先進国株式(除く日本)インデックス・ファンド」、日本株の「楽天・プラス・日経225インデックス・ファンド」、ハイテク・ITの「楽天・プラス・NASDAQ-100インデックス・ファンド」、そして、半導体の「楽天・プラス・SOXインデックス・ファンド」だ。うち半数(「米国株」「全世界株」「ハイテク・IT」)が売れ筋トップ10に入ったことになる。
「楽天・プラス」シリーズのポイント還元は、厳密には運用コストの引き下げとは言えない。しかし、インデックスファンドを選ぶ際の大きなポイントである「最安」のコストに加え、ポイントまでプレゼントされるのであるから、楽天証券の利用者にとっては大きなメリットになるだろう。ポイントの進呈率は、残高に対して年0.053%~0.017%だ。絶対的な運用コストが高いファンドほど進呈率も大きくなっている。
「長期の資産形成は低コストの株式インデックスファンドの積立投資で」という考え方は、2024年1月にスタートした新NISAによって国民的なコンセンサスになりつつある。預貯金金利が年率0.1%台という超低金利の環境で生活する日本においては「資産を増やす」手段として成長(値上がり益)や配当が期待される株式への投資は有効な手段となる。その株式への投資を小口で可能にするのが株式ファンドであり、それを低コストで実現したのが株式インデックスファンドだ。「楽天・プラス」シリーズは、株式インデックスファンドを積立投資しての長期の資産形成を始める入り口として、格好のきっかけづくりになるファンド群といえる。
インデックスファンドの積立投資を始めた後には、アクティブファンドの選び方、また、投資対象を分散して資産全体の安定性を高める方法の理解、そして、分配金を活用しながら「資産を残しながら使う」という工夫など、資産形成や資産運用についての知見やノウハウを深める段階に進むこともできる。まずは、スタートすることが重要であり、そのきっかけづくりをする「楽天・プラス」シリーズの意義は大きい。
執筆/ライター・記者 徳永 浩
Finasee編集部
「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。
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