タワマンでセレブ生活を送る外科医夫人のはずが、一体なぜ…? 姉が驚愕した妹の「思いがけない行動」
Finasee / 2025年1月14日 19時0分
Finasee(フィナシー)
丹羽久美子さん(仮名)は名古屋市の自動車部品会社の経理部に勤務するワーキングマザー。ご主人も同じ会社のエンジニアとして働いています。2年前にひとり娘が大学生になり子育ては一段落したそうですが、今度は岐阜県内の実家でひとり暮らしをしていた母親の認知障害が進み、2024年にはついにグループホームに入居することになりました。
丹羽さんには妹がいて外科医と結婚し都内のタワーマンションに住んでいますが、母親がそういう状態になっても一切合切を丹羽さんに任せっ放し。ところが、母親がグループホームに入居するに当たり、実家の片付けに出向いた丹羽さんが母親のタンス預金を300万円ほど発見した話をすると、丹羽さんに無断で帰郷して実家の家探しをし、母親が使っていたブランドバックやアクセサリーなどを持ち出したのです。
驚いた丹羽さんが妹と連絡を取ろうとしてもなしのつぶて。そこで丹羽さんは妹の自宅を急襲する作戦に出たのですが、その結果、とんでもない事実が発覚します。丹羽さんに驚愕の体験を話してもらいました。
〈丹羽久美子さんプロフィール〉
愛知県在住
47歳
女性
会社員
会社員の夫、大学生の長女と3人暮らし
金融資産1800万円
岐阜の実家では、10年前に父が亡くなった後、母がずっとひとり暮らしをしていました。
2人姉妹の長女の私は、大学も勤務先も名古屋。2歳上の夫とは社内結婚だったので、結婚後もずっと名古屋です。
一方、東京の大学を出て東京で就職した妹は、勤務先の病院で知り合った外科医と結婚し、都内のタワーマンションで暮らしています。
妹は自称セラピストで以前はサロンを構えていたこともありますが、今は特に仕事をしているわけでもなく、ほとんど専業主婦状態のようです。にもかかわらず、口を開けば「やることがたくさんあって忙しい」と言うばかりで、実家には数年に一度顔を見せるくらいです。
高齢の母を放っておくわけにはいかず、私が仕事の合間を縫って隔週で実家に帰り、病院に連れていったり、必要なものを買ってきたりしていました。
認知障害の症状が出て片付けられなくなった母親しかし、母は数年前から認知障害の症状が出るようになり、2024年になるといよいよひとり暮らしは難しくなって、主治医や母の担当のケアマネジャーと相談の上で自宅近くのグループホームへの入居を決めました。
やむなく3日間有給を取って実家に戻り、母がグループホームに持っていく荷物をまとめる作業をしました。
認知症の人はうまく片付けができないという話を聞いたことがありますが、まさに母がそうでした。若い頃はきれい好きで毎日家中に掃除機をかけていたのに、近年は実家に帰ると脱いだ服や食べたお菓子の袋がそのまま放り出してあったりしました。
目に付いたところは片付けるようにしていましたが、棚やタンスの中、ほぼ荷物置き場と化した父の部屋などは極力見ないようにしていました。
今回、片付けと荷造りを始めてびっくりしたのが、あちこちから郵便局の封筒に入ったお金が出てきたことです。恐らく母は引き出してきたお金をしまったつもりで、そのことをすっかり忘れていたのだと思います。
出てきたお金は3日間だけで300万円近くに上りました。
母からは郵便局の通帳や印鑑、キャッシュカードの置き場所を聞いていましたが、これだけあれば当座の費用は賄えるとちょっとほっとしました。
このことは母のグループホームへの入居を報告した時に妹にも伝えました。妹は「うちにそんなにお金があったんだ!」と驚いた様子でした。
しかし、後になって私はこの話を妹に教えたことを悔やむことになります。
妹にタンス預金の話をしなければ…母がグループホームに入居した当初は新しい環境に適応できるか心配で毎週顔を見に行きましたが、時間が取れなかったこともあり、実家には立ち寄りませんでした。
ですからその次に実家を訪れたのはほぼ半月ぶりだったのですが、実家に入った途端、思わず言葉を失いました。棚の戸が大きく開き、タンスの引き出しは引っ張り出され、中に入っていた衣類や書類が畳の上に散乱するなど、泥棒に荒らされた家というのはまさにこんな感じなのだろうなと思えるような惨憺たる状態だったからです。
すぐに妹の仕業だとピンと来ました。
私は家を出る時には必ず施錠することを心掛けていました。私の他に実家の鍵を持っているのは妹しかいません。
電話で話をした時の驚いた声と物欲しげな様子がフラッシュバックしました。
何年も実家に戻らず母の世話を一方的に私に押し付けてきたくせに、お金が見つかったと聞いたらすぐに帰ってきてこの仕打ちとは! 頭にかっと血が上り、思わずスマートフォンを手に取りましたが、ぐっとこらえ、ひとまずは“被害”を確認することにしました。
幸い、通帳や証券類は母がグループホームに入居したタイミングで私が預かって自宅に持ち帰っていました。見つかった300万円も同様です。
母の荷物からは母が若い頃に使っていたブランド品のバッグやゴールドのアクセサリーなどが持ち出されていました。
正確に覚えていたわけではありませんが、記憶にあるものをリスト化した上でその夜、妹に電話をしました。
想定はしていましたが、妹は電話に出ませんでした。メール、LINE、ショートメッセージ、ありとあらゆる連絡手段を使って接触を試みましたがなしのつぶて。これは何かあるなと思いました。
●セレブな暮らしを送っていたはずの妹が驚きの行動を起こした理由は、後編【まるで泥棒が入ったような光景に姉絶句…実家荒らしの犯人である妹が告白した「まさかの現状」と義弟の“裏の顔”】で詳説します。
※個人が特定されないよう事例を一部変更、再構成しています。
森田 聡子/金融ライター/編集者
日経ホーム出版社、日経BP社にて『日経おとなのOFF』編集長、『日経マネー』副編集長、『日経ビジネス』副編集長などを歴任。2019年に独立後は雑誌やウェブサイトなどで、幅広い年代層のマネー初心者に、投資・税金・保険などの話をやさしく、分かりやすく伝えることをモットーに活動している。
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