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半導体やAIを超えるかも!? 「宇宙関連株式ファンド」が「売れてる」理由とは?

Finasee / 2025年1月17日 6時0分

半導体やAIを超えるかも!? 「宇宙関連株式ファンド」が「売れてる」理由とは?

Finasee(フィナシー)

野村證券の投信売れ筋ランキングの2024年12月は、トップの「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」は変わらなかったものの、前月第2位だった「野村インデックスファンド・日経225(愛称:Funds-i日経225)」は第3位に後退し、前月は第4位だった「eMAXIS 日経225インデックス」も第5位に後退した。代わりに、「eMAXIS S&P500インデックス」が第3位から第2位に、「野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資)」が第5位から第4位に浮上した。ランキング上位では国内株ファンドが順位を落とし、米国株を中心に投資するファンドが順位を上げた。一方、新規のトップ10ファンドとして第9位に「東京海上・宇宙関連株式ファンド(為替ヘッジなし)」が入ったことが注目される。

 ◆米株ファンドの順位が上昇 2025年は日本企業の価値見直しあるか

「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」がトップを維持し、「eMAXIS S&P500インデックス」が第2位、「野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資)」が第4位に浮上する中で、「野村インデックスファンド・日経225(愛称:Funds-i 日経225)」は10月のトップから第3位にまでランクを落とした。「野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資)」は世界の半導体関連株を投資対象としているものの、米国株の投資比率が70%を超えていて米国株がメインの投資対象と言えるファンドだ。売れ筋トップ5のうち、米国株を中心に投資しているファンドの順位が上がって、国内株ファンドがランクを落としている。

割高といわれた米国株が高値を更新し、割安とみられている国内株が高値を更新できない理由は、従来は国内企業の利益率の低さや株主還元姿勢の低さなどがあげられていた。その国内企業への評価の低さを挽回しようと呼びかけたのが2023年3月に発せられた東証による「PBR(株価純資産倍率)1倍割れ」の上場企業に対しての改善策の要請だった。この東証の要請に応えて国内企業の多くは、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた取り組みを強化し、その状況については東証が一覧表にまとめて、進捗状況をモニタリングするようになった。国内株式の企業価値向上に向けた取り組みは進展中だ。国内株式市場の本格的な上昇には、国内企業が株主価値向上に向けた努力が実を結んだことを評価される必要があるだろう。12月は評価を下げた国内株ファンドが2025年に復調するものか注目したい。

◆ジャンプアップした「宇宙関連株ファンド」

前月のトップ10圏外から第9位にランクインした「東京海上・宇宙関連株式ファンド(為替ヘッジなし)」は、「成長が期待される宇宙関連企業の株式等」に投資するファンドだ。同ファンドでは、「ロケット等の輸送機や衛星の製造」「打ち上げサービス」「衛星や地上設備の運営」「衛星データを活用した通信・情報サービス」「関連ソフトウエア」「その他周辺ビジネス等の提供を行う企業」を宇宙関連企業としている。今後、宇宙関連ビジネスがすそ野を広げて成長することを見越して、新規ビジネスも含めて幅広く関連企業の成長を取り込むことを目指している。2024年11月末時点の組み入れ銘柄51社の国別比率は米国が73.5%。実質的な運用は、米カリフォルニア州にあるヴォヤ・インベストメント・マネジメント・カンパニー・エルエルシーが行っている。

同ファンドの過去1年間のトータルリターンは、11月末時点で47.07%と、「S&P500」インデックスファンドの36.65%を上回る成績になっている。同ファンドを設定・運用する東京海上アセットマネジメントは12月に「米大統領選挙以降、上昇幅が加速する宇宙関連株式」と題したレポートを発行し、「トランプ次期政権の宇宙政策によって、宇宙産業は更に勢いを増して成長する可能性が考えられます」と規制緩和による成長期待の拡大を見通した。宇宙関連ビジネスは第1次トランプ政権でも規制緩和による成長加速がみられたが、今回はスペースXのCEOでもあるイーロン・マスク氏が政権と深くかかわっていることから、何らかの政治的なバックアップが期待できるという見立てだ。

そして、1月9日に「『宇宙新時代』~急成長を遂げている宇宙ビジネス~」と題した臨時レポートを発行している。今回のレポートでは、宇宙関連ビジネスの現状と将来展望について様々なデータに基づいて考察している。近年、宇宙ロケットの打ち上げコストが低下してきたことで、様々な利用目的の人工衛星が打ち上げられ、クレジットカード決済などの金融サービス、気象情報サービス、また、全地球測位システム(GPS)を使ったタクシーの配車から自動運転まで様々な用途で衛星の活用が広がり、現在の宇宙関連ビジネスの市場規模は「半導体市場に匹敵し、AI(人工知能)を凌ぐ」と紹介している。自動運転の本格稼働を控えて、衛星利用サービスは今後一段と拡大することは必至といえ、その関連サービスを提供する企業の成長余力も大きいと考えられる。「半導体」や「AI」に続く新たなスター産業として株式市場の人気を確立できるか、今後に注目したい。

執筆/ライター・記者 徳永 浩
 

Finasee編集部

「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。

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