大和証券で16カ月連続トップの「インド株」が後退し「米国株」が復調した中で浮上した意外なファンドは?
Finasee / 2025年1月19日 18時0分
Finasee(フィナシー)
大和証券の投信売れ筋ランキングの2024年12月は、前月まで2023年8月以来16カ月連続でトップを維持していた「ダイワ・ダイナミック・インド株ファンド」が第2位に後退。トップに「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Bコース(為替ヘッジなし)」が第2位からランクアップした。また、「netWIN GS テクノロジー株式ファンドBコース(為替ヘッジなし)」「フィデリティ・グロース・オポチュニティ・ファンドDコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」「インベスコ 世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)」「同(年1回決算型)」も順位を上げた。また、「ストック インデックス ファンド225」が前月の第7位から第4位にジャンプアップした。
(出所)公表データに基づき編集部作成
◆売れ筋16カ月トップだったインド株ファンドが後退2023年8月からトップであり続けてきた「ダイワ・ダイナミック・インド株ファンド」がトップから後退したことは、「インド株ファンド」に対する市場の熱が冷めつつあることを象徴している。前月は第5位に入っていた「HSBC インド・インフラ株式オープン」はトップ10からすべり落ちてしまった。インド株に対する期待がはげ落ちていることがわかる。
過去3年間のトータルリターンの比較では、2024年12月末時点で「ダイワ・ダイナミック・インド株ファンド」は84.61%で、「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Bコース(為替ヘッジなし)」の同61.01%を大きく上回っている。過去の成績では負けていないにも関わらず、売れ筋としての人気が衰えたのは、今後の見通しが悪くなったということだろう。
実際に同ファンドの基準価額は、7月に高値をつけて以来、8月の急落を経てもみ合い相場に終始した。10月以降は「アメリカ・ファースト」を掲げるトランプ氏が新大統領として有望という見方が強まり、ドル高が進むとともに米国以外の株式市場に調整圧力が強まった。1月20日には、いよいよトランプ新政権が発足となり、実際に米国大統領として関税政策などにどのような対応をみせるのか、その内容が明らかになるまでは積極的な投資は難しいと考えられる。
ただ、インド経済の見通しについては引き続き良好だ。同ファンドを設定・運用する大和アセットマネジメントは12月25日に「インド株の2024年の振り返りと2025年の見通し~25年の追い風に加え中長期的な高成長期待もあり、投資妙味健在~」という臨時レポートを発行し、「インド国内の高金利環境や、総選挙による投資の一時的な減少などを受け、景気停滞が見られましたが、今後の成長率は+7%台前半に再加速すると期待されます」と2025年を展望。また、インドでは今後、金利の引き下げが本格化していくと考えられていることが株式市場の追い風になると期待している。足元での価格の下落はいたしかたないものの、年7%前後の経済成長が期待できる国は少なく、中長期的な成長期待が持てる国としてインドは常に意識しておきたい国といえるだろう。
◆年末に売れ筋ランクを上げた国内株インデックスファンド「ストック インデックス ファンド225」が前月の第7位から第4位にジャンプアップしたことは、2025年を考えるうえで無視できない変化といえるだろう。残念ながら、同ファンド以外に国内株ファンドは売れ筋トップ10に入っていないため、国内株への期待を感じさせる動きは、それほど大きなうねりにはなっていない。それでも、国内を代表する株価指数である「日経平均株価(日経225)」に連動するインデックスファンドを第4位に押し上げるほどに人気が戻ってきたのは、2025年の活躍期待が国内株にもあるということだろう。
大和証券のチーフテクニカルアナリスト兼シニアストラテジストの木野内栄治氏は、2025年の国内株式市場を展望して「晴れた日に永遠が見える 若返る日本」(同社グループYouTube公式チャンネル)という見方だ。IMF(国際通貨基金)等の試算による購買力平価が1ドル=100円前後に対し、実勢では150円台にあるドル円相場は大幅な円安状態にあり、輸出が一段と伸びることによって貿易収支は赤字から大きな改善が見込まれるという。「貿易で大きな利益を出していた1985年~90年の頃の日本に若返るのではないか」と見立てている。特に、トランプ政権による関税引き上げなどの議論が出てきている状況を踏まえれば、関税が引き上げられる前に駆け込み的に米国向けの輸出を実行しようという機運が高まり、今年の前半は米国向けの輸出が拡大すると見通し、日経平均株価は年央(7月頃)に「4万5000円程度」の高値を付けるという見方を示した。
一方、保護貿易的な政策を打ち出すとみられるトランプ新政権のもとで、どのような変化が出てくるかは予測が難しい。ただ、前回のトランプ政権で関税の引き上げなどを打ち出した際に米国の株式市場で「FANG相場」が盛り上がったように、それぞれの国において内需拡大に貢献するような「AIソリューション(AIを用いた課題解決サービス)」を提供する企業群に活躍期待が高まるという見方も紹介していた。
また、大和アセットマネジメントは2025年の国内株式市場の展望として「東証の『資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応』の要請や上場基準の厳格化などから、企業の株主還元積極化の動きが際立っています」とし、国内株式の価値向上に注目。さらに、「新NISAなどによる個人投資家資金の流入の継続も期待されます」と国内株式市場の底堅さを見通す。そのうえで、防衛関連、人手不足対応(自動運転、AI活用)、暗号資産など幅広い注目産業があるとみている。このような国内株式に強気に強気な見方が、年末の投信売れ筋にも反映されたものと考えられる。
執筆/ライター・記者 徳永 浩
Finasee編集部
「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。
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