2025年も米国株高は続く!? 12月概況に見る「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信D」の人気の理由
Finasee / 2025年1月21日 6時0分
Finasee(フィナシー)
三菱アセット・ブレインズがまとめた2024年12月の公募ファンドの純資産残高は110兆2770億円で前月比3兆6393億円増加して史上最高を更新した。増加額は前月の4760億円増からは大きく増加した。資産別には「外国株式型」が約62兆2003億円と前月から3兆1439億円増加した。次に残高が大きい「国内株式型」は約12兆1926億円で前月比2555億円の増加、「複合資産型」は約12兆1887億円と前月比2090億円増だった。「外国株式型」の残高増が際立っている。
資金流出入額は約7430億円で前月の約7570億円とほぼ同じ規模だった。資産別にみると流入額の大きな資産クラスは「外国株式型」(約1兆560億円、前月は約7660億円)、「複合資産型」(約370億円、前月は約570億円)だった。この2つの資産クラスは2024年に12カ月連続で資金流入となった。「外国株式型」では「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」に約2005億円(前月は約1683億円)の資金流入があった。資金流出は「国内株式型」(約2020億円)、「その他」(約410億円)などだった。「国内株式型」では「日経225ノーロードオープン」(流出額は375億円)などインデックスファンドが流出上位になっている。
◆資金流入額ランキング・トップ3の変遷「外国株式型」が資金流入で際立った大きさになるのは、資金流入額ランキングで常にトップ3になる「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース(為替ヘッジなし、毎月決算、予想分配金提示型)」の3ファンドが全て「外国株式型」に分類されるファンドであることが大きい。12月はこの3ファンドだけで資金流入額が5064億円となっており「外国株式型」全体の流入額の50%程度を占めている。
この3ファンドは、2024年2月~12月まで連続して資金流入額トップ3に君臨してきた(2023年1月は「米国成長株投信Dコース」が第4位)。10月までは「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」がトップで、11月以降は「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」がトップに立つなど順位の変動はあったが3ファンドが資金流入の中心である事実には変化がなかった。
3ファンドの個々の資金流入額の変化に注目すると、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」は、1月の資金流入額が3439憶円と突出し「新NISAの申し子」のような存在になったが、その勢いは10月までだった。12月の資金流入額は1820億円で1月の約半分の規模になった。それに対し、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は1月のスタートが2090億円で、その後ずっと「オルカン」の後塵を拝してきたが、12月の流入額は2005億円とほぼ1月の水準に戻っている。また、「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信D」は1月に450億円という流入額の水準からスタートして12月は1239億円になった。月間の資金流入額では約2.7倍増と大幅に流入を増やしている。株高によって米国株全体には割高感が指摘される中で、アクティブファンドとして銘柄を選定する能力に対する期待感が資金流入額の増大に表れていると考えられる。
◆パフォーマンス上位には米国テック株ファンド個別ファンドの月間騰落率(ブル・ベア型を除く)では、「国内株式型」の「トヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンド」の16.68%がトップだった。次いで、「外国株式型」の「eMAXIS Neo自動運転」の15.92%、「米国大型テクノロジー株式ファンド」の15.71%、「一歩先いくUSテック・トップ20インデックス」の14.69%、「iFreeNEXT FANG+インデックス」の14.60%など米テクノロジー株ファンドの好成績が目立っている。また、「野村世界業種別投資(世界半導体株投資)」が14.57%、「半導体関連 世界株式戦略ファンド」が11.96%、「ニッセイSOX指数インデックスファンド(米国半導体株)<購入・換金手数料なし>」が10.78%など半導体関連株ファンドも復調した。
その他のカテゴリーでは、「エマージング株式型」は、中国のテクノロジー大手に集中投資する「iFreeNEXT ATMX+」が14.19%でカテゴリーのトップとなり、「アジア半導体関連フォーカスファンド」が10.45%、「東洋・中国A株オープン『創新』」が10.18%で続いた。「複合資産型」では「トヨタグループ・バランスファンド」が9.59%でトップ。また、「エマージング債券型」は「DWS ロシア・ルーブル債券投信(毎月分配型)」が7.57%、「ハイイールド債券型」は「アムンディ・欧州ハイ・イールド債券F(トルコリラ)」が7.39%、「外国債券型」は「東京海上Rogge世界ハイブリッド証券F<メキシコ・ペソ>(毎月分配型)」が6.67%で、それぞれのカテゴリーにおいてトップの成績だった。
◆「AB・米国成長株投信D」は分配金利回りでも上位分配金利回りのトップは前月に続いて「フィデリティ・グロース・オポチュニティ・ファンドD」の36.07%だった。利回りの水準は前月の35.23%からやや上昇した。第2位は「JPMアメリカ成長株ファンド(ヘッジなし、毎月)予想分配金提示型」の33.37%で前月の3位から順位を上げた。前月2位の「GS日本株・プラス(通貨分散コース)」は32.19%で第3位に後退した。続いて「フィデリティ・米国株式ファンド F」の31.50%、「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信 D」の30.41%が続き、この5本が30%超の分配金利回りになっている。「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信 D」が資金流入額で存在感を増しているのは、この分配金利回りの高さも評価されてのことと考えられる。
執筆/ライター・記者 徳永 浩
Finasee編集部
「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。
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