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日経平均20%増加の陰で企業の倒産件数は3年連続で大幅増 “リアルな”日本の景気とは

Finasee / 2025年1月27日 12時0分

日経平均20%増加の陰で企業の倒産件数は3年連続で大幅増 “リアルな”日本の景気とは

Finasee(フィナシー)

2024年の倒産件数は1万件近く

まずは2024年の倒産件数がどれくらいだったのかを見てみよう。今回は企業の信用調査などを行う帝国データバンクによる、負債1000万円以上の法的整理による倒産を対象とした調査を参考にする。

調査によれば、2024年の倒産件数は9901件、倒産による負債総額は2兆2197億円だった。倒産件数の推移を見ると、年間件数で過去最大を記録したのは1980年代前半で、2万件を超えた年もあった。

その後バブル景気もあって5000件程度に減少。しかしバブル崩壊後、倒産件数は再び増加し、1990年代後半には2万件近くになった。その後はリーマンショックで一時的に1万件を超えることがあったが、おおむね1万件未満で推移している。

また倒産による負債総額は2000年に過去最高の21兆8390億円を記録。当時は生命保険会社や小売業の大型倒産が相次いだ。こちらも2013年以降は2兆円前後で落ち着いている。

過去の景気後退期や金融危機の時期に比べると2024年の倒産件数や負債総額は決して高い水準ではない。しかし2021年以降、倒産件数は3年連続で前年を上回っているのも事実だ。

出所:帝国データバンク 「全国企業倒産集計2024年報」サービス業、小売業を抑えて倒産件数の増加率が最高だった業種は?

業種によって景気動向も違うだろうが、倒産件数でも何か傾向は見られるのだろうか。調査によると、調査対象となった7業種※のうち不動産業を除く6業種で倒産件数が前年を上回った。

特に前年からの増加率が高かったのは、製造業(26.1%増)、サービス業(21.3%増)、小売業(17.0%増)だ。製造業は原材料価格、小売業は仕入価格の高騰に対して、消費低迷や競争激化などから十分に価格転嫁できていないことが背景にあるのかもしれない。

※建設業、製造業、卸売業、サービス業、小売業、運輸・通信業、不動産業、その他

出所:帝国データバンク 「全国企業倒産集計2024年報」「後継者難」による倒産は2000年以降で最多

倒産と一口に言っても原因はさまざま。調査によれば、倒産の主因で最も多いのは「販売不振」で、8067件と全体の81.5%を占めている。前年からの増加率も2年連続で20%を超え、11年ぶりに8000件の大台に乗った。不況型の倒産主因では、他にも「売掛金回収難」や「不良債権の累積」などが増加率で20%を超えている。

不況とは別の主因では、「経営者の病気、死亡」が316件と、2000年以降で最多。中小零細企業の後継者問題が深刻化しているが、調査もそれを裏付ける結果になった。

出所:帝国データバンク 「全国企業倒産集計2024年報」中小零細企業の倒産が目立つ

2024年は前年と比べて倒産件数こそ増えたが、負債総額は逆に減っている。この要因は何なのだろうか。調査では、負債額の規模別でも倒産件数を集計しているが、前年からの増加率が全体を上回ったのは、負債額で「5億円以上10億円未満」(18.5%増)、「5000万円未満」(17.8%増)だった。

一方で「50億円以上」の倒産は逆に前年から減少している。つまり中小零細企業を中心に倒産が増えていることを示唆する結果となった。企業規模によって明暗が分かれているようだ。

出所:帝国データバンク 「全国企業倒産集計2024年報」

●後編:【倒産が多かった地域や業種、理由は? 老舗企業や飲食店の倒産、過去最多のナゼ】では、倒産が多かった地域や業種、倒産の理由などより詳報していく。

Finasee編集部

「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。

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