とうとう政策金利が0.5%に「金利が上がる前に家を買いたい」と切実に願うマイホーム派の実態
Finasee / 2025年2月4日 11時0分
Finasee(フィナシー)
住宅購入者」vs「購入検討者」 固定金利を選好するのはどちら?
住宅ローンと一口に言っても、期間によって金利が変動するタイプ(変動金利型)、ずっと同じ金利で返済するタイプ(全期間固定金利型)がある。また一定期間だけ金利を固定し、その後はその時点の金利水準で固定金利を続けるか、変動金利に切り替えるかを選択する固定期間選択型という両者の中間のようなタイプも。金利上昇が予想されるなかでは、固定金利型の人気が出そうだが、実際はどうだろうか。
今回は取り上げるのは不動産・住宅サービスなどを手掛ける株式会社LIFULLが実施した調査。10年以内に家を購入して住宅ローンを利用中の25歳~49歳の825人(住宅購入者)と、5年以内に家を購入する予定があり住宅ローンを利用予定の25歳~49歳の825人(購入検討者)が対象だ。
調査によれば、住宅購入者、購入検討者とも最も回答率が高いのは「変動金利」。次いで「固定金利(全期間固定型)だった。ただし変動金利を選んだ割合は住宅購入者のほうが高いのに対し(住宅購入者69.7%、購入検討者57.3%)、固定金利(全期間固定型)を選んだのは逆に購入検討者のほうが高い(住宅購入者22.2%、購入検討者35.1%)。
「変動金利」は政策金利などの変動に応じ、定期的に見直される仕組みだ。日本では長い間低金利が続いてきたため、変動金利も低い水準だった。こうした背景からか、全体的には「変動金利」を選好する人が依然として多いようだ。しかしこれから住宅ローンを組む購入検討者は、将来の金利上昇を不安視して固定金利型を考えている人が比較的多いと考えられる。
出所:株式会社LIFULL 「住宅ローンに関する意識調査」「購入検討者」は住宅ローンの借入を抑制する傾向に?世帯年収の何倍まで住宅ローンを借りるか(住宅ローンの世帯年収倍率)は悩ましい問題。将来が不確実だからといって倍率を大きく下げれば(借りる金額を減らせば)、その分だけ頭金を貯めないといけないため、住宅購入に至るまで長い時間がかかってしまう。一方で住宅ローン金利が将来上昇すれば、返済負担も増えることから、倍率を下げたいと考える人も増えそうだ。
調査によれば、住宅ローンの世帯年収倍率について、住宅購入者で最も多いのは「4倍以上5倍未満」(22.4%)。一方で購入検討者の最多は「3倍以上4倍未満」(25.2%)だった。購入検討者の場合、2024年7月実施の前回調査では「4倍以上5倍未満」が最も多かったことから、金利上昇への不安の高まりを示唆する結果になった。
出所:株式会社LIFULL 「住宅ローンに関する意識調査」住宅購入のタイミングにも金利上昇の影響いつマイホームを購入すべきか。「希望の物件が見つかったとき」「結婚や出産などのライフイベントに合わせて」、などいろいろな意見があるだろう。調査では購入検討者に住宅購入に対する意向を聞いているが、最も回答率が高いのは「住宅ローン金利が上がる前に買いたい」(47.9%)。次いで「住宅ローン控除(減税率)が変わらないうちに買いたい」(33.6%)だった。
一方で「希望に合う物件が出たら買いたい(現状希望に合う物件が出ていない)」は32.1%で3位。「ライフイベント(結婚、出産、子の進学など)に合わせて買いたい」は15.2%で7位にとどまった。
1位については、前回調査時の41.3%に比べて6.6ポイント上昇。住宅ローンの世帯年収倍率と同様、購入検討者が将来の金利上昇を不安視していることがうかがえる結果に。
出所:株式会社LIFULL 「住宅ローンに関する意識調査」「今後1年間で住宅ローン金利は上昇」が購入検討者の7割近くに日銀は政策金利を0.5%に引き上げたが、2025年のうちに0.75%まで利上げすれば、実に30年ぶりの金利水準となる。それだけ未知の領域でもあり、さらなる利上げの判断には困難が伴う。今後1年間の住宅ローン金利を見通すのは容易ではないが、住宅購入者や購入検討者はどう考えているのか。
調査によれば、「上昇」(=「何かをきっかけに大きく上昇する」+「ゆるやかに上昇する」)と考えている人は、住宅購入者で48.1%、購入検討者で68.3%にのぼった。いずれも前回調査に比べて上昇しているが、購入検討者のほうが金利上昇を予想する人が多いなど、温度差がある。
出所:株式会社LIFULL 「住宅ローンに関する意識調査」「繰り上げ返済」より、現金を保有しておきたい?住宅ローン金利が上がれば、金利返済負担が増えるため、ローンを払いきれるか不安が募るかもしれない。住宅購入者や購入予定者は金利上昇に備えてなにか対策を取っているのか。調査によれば、対策として最も回答率が高いのは「新NISAやiDeCo」(35.4%)。次いで「預貯金」(30.5%)。一方で「繰り上げ返済」は15.3%で3位だった。
将来、金利が上がるならば住宅ローンの繰り上げ返済を行って返済負担を小さくするのが合理的だ。しかし、金利上昇やおさまらないインフレなど経済の不透明感が高まっているなかでは、繰り上げ返済よりも、現金を手元に残しておきたいと考える人が多いのかもしれない。一方で「特に対策はしていない」と回答した人が37.8%。将来が読めないだけに、様子見を決め込む人も一定数いるようだ。
出所:株式会社LIFULL 「住宅ローンに関する意識調査」Finasee編集部
「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。
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