3位トヨタ自動車、2位MUFG、1位はあの“情報通信”大手…「個別株取引デビュー銘柄」ランキングの顔ぶれが“納得しかない”理由
Finasee / 2025年2月1日 13時0分
Finasee(フィナシー)
SBI証券や楽天証券が出している「個別株取引デビュー銘柄」データ
これから株式投資デビューをされる方は、恐らく、何を買えば良いのか分からない、というケースが少なくないと思います。そうなると、「自分と同じ境遇にある人たちは、何から投資しているのだろう」という点が気になるのではないでしょうか。
そんな想いを持っている方にとって参考になるランキングがあるのでご紹介しておきましょう。
たとえばSBI証券は、「国内(現物)取引デビュー銘柄ランキング」というデータを出しています。もちろんSBI証券を介して取引された分ということになりますが、参考になるでしょう。また月間ベースのランキングなら、楽天証券も「年代・投資目的別版 日本株デビュー銘柄ランキング」を出しているので、併せて参考にするとよいでしょう。
ちなみに、SBI証券のランキングは、2024年に株式投資デビューした人たちの人気銘柄だけでなく、「国内株式ランキング(売買代金)」や「国内ETF・ETN・REITランキング(売買代金)」、「投資信託(買付金額)ランキング」、「投資信託(積立件数)ランキング」のほか、NISAのつみたて投資枠や成長投資枠を通じてのランキング、外国株式のランキングなど、幅広い切り口でのランキングになっているのが特徴です。
また楽天証券のランキングは、タイトルにもあるように「年代別ランキング」では20代、30代、40代、50代以降でそれぞれに人気のある銘柄、「取引目的別ランキング」では、「将来の資産形成」、「キャピタルゲイン」、「配当金の受取り」、「余裕資金の運用」という4つのカテゴリーに分けて、ランキングが作成されています。
では、昨年1年間で株式投資デビューした人たちは、どのような銘柄に投資したのでしょうか。2024年1月1日~2024年12月13日までの期間で集計された、SBI証券のデータを見てみましょう。
ランキングには、「そうだろうな……」と思える超有名企業が多数ざっと見たところ、「そうだろうな……」と思える企業名が並んでいます。ひとことで申し上げると、多くが超有名企業です。上位3銘柄は1位日本電信電話(NTT)、2位三菱UFJフィナンシャル・グループ、そして3位トヨタ自動車で、いずれも日本を代表する大手企業。日本で普通に生活をしていて、その社名を知らない人は、まずいないでしょう。それ以外の、トップ10に入っている企業も、大半がそうです(4位以下については後ほど紹介します)。
なぜ、知っている企業が上位に来るのかというと、いろいろ理由はあると思いますが、まず株式投資の教科書などに、「株式を買う時は自分がよく知っている、身近な企業の中から選びましょう」と書かれているから、ではないでしょうか。たしかにNTTを知らない人はほとんどいないでしょうし、情報通信系企業ですから、多くの人が日常生活でお世話になっています。極めて身近な企業といっても良いでしょう。
では、NTTを昨年買った人の現状はどうでしょうか。株価の推移を見ると、終値ベースの高値は昨年1月22日につけた191.2円。そして2025年1月30日時点の終値が153.1円なので、株価は約20%のマイナスです。
もちろん、昨年の終値で安値をつけた8月5日の145円で拾っていれば、若干のキャピタルゲインは得られているものの、これだけの大型株ですから、ちょっとやそっとの買いでは、株価が大きく動くことはありません。その代わり安定して推移していますから、配当利回り狙いの資産株といった位置づけで考えるのが良いでしょう。配当利回りは3.4%程度なので、配当をひたすら安定的に受け取っていくのに適した銘柄とは言えます。
一方で、しっかりキャピタルゲインを得られているのが、2位の三菱UFJフィナンシャル・グループです。昨年1月12日の終値が1267.5円。今年1月30日の終値が1964円ですから、約55%の上昇です。純利益は過去最高を更新しているのだから、株価に反映されるのも当然です。理由は、金利上昇によって預貸の金利ざやが拡大し、それが業績を押し上げているからです。
トヨタ自動車の株価は、よく「行って来い」などと言われますが、昨年1月12日の終値が2837円で、同年3月22日の終値は3872円でしたが、そこから下落が続いて、8月5日には瞬間、2183円という安値をつけました。わずか4カ月の期間で、株価は40%超も下落したことになります。これは初めて株式に投資した人からすれば、かなりの恐怖だったのではないでしょうか。なかには持ち続けることが出来ず、売却してしまった人もいると思います。ただ、その後は底値を固める動きになり、株価は大きく戻してはいないものの、1月30日時点で2949円まで回復しています。
4~10位には、配当狙い・株主優待狙い銘柄がずらり…だが、1社だけ異色の存在が以上が、株式投資デビューをした人が投資したトップスリー銘柄ですが、4位以下、10位までも、やはり有名企業が顔を揃えています。
4位の日本たばこ産業は「配当利回り狙い」でしょう。何しろ予想配当利回りは4.8%です。直近、ようやく金利が上昇傾向にあるとはいえ、預貯金でこれだけの利回りを出せるものはありませんし、定期預金の利率が年4.8%に達するのは、まだまだ先のことでしょう。
その他、6位のオリエンタルランドは株主優待狙いでしょうし、7位の上新電機も同じでしょう。ちなみに上新電機の優待利回りは3.05%で、これに配当利回りを合わせた「配当+優待利回り」は、7.23%にも達しています。
こうしたなかでちょっと異色な感じを受けるのが、三菱HCキャピタルです。2021年4月に日立キャピタルと経営統合して、リース業界首位級の企業ですが、この手のリース業界はBtoBビジネスであり、個人向けサービスはほとんど行っていません。これが「異色」と感じた理由で、このランキングの上位にいる企業は、大半が個人向けに財・サービスを提供しているBtoCビジネスです。BtoCビジネスだからこそ、その知名度の高さで、株式投資初心者が選ぶ銘柄ランキングの上位に入れたとも考えられますが、その伝からすると、8位とはいえ、三菱HCキャピタルがトップ10に入ってきたのは、いささか驚きです。
ちなみに上位10社のうち、3社(三菱UFJフィナンシャル・グループ、三菱HCキャピタル、10位の三菱商事)が三菱グループの企業である点において、同グループの強さのようなものを印象付けられたランキングでした。
鈴木 雅光/金融ジャーナリスト
有限会社JOYnt代表。1989年、岡三証券に入社後、公社債新聞社の記者に転じ、投資信託業界を中心に取材。1992年に金融データシステムに入社。投資信託のデータベースを駆使し、マネー雑誌などで執筆活動を展開。2004年に独立。出版プロデュースを中心に、映像コンテンツや音声コンテンツの制作に関わる。
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