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【資産運用】インデックスvsアクティブ議論に正解はない! 向き・不向きを考える時に判断軸となるのは…

Finasee / 2025年2月12日 17時0分

【資産運用】インデックスvsアクティブ議論に正解はない! 向き・不向きを考える時に判断軸となるのは…

Finasee(フィナシー)

投資の実感をあまり持ちにくいインデックス運用

投資とウェルビーイングの関係について、前回は「アクティブな投資スタイルとウェルビーイング」を考えてみました。

参考:投資の目的は“お金儲け”だけではない? 投資家になると実感できる、お金が増える以上に幸せなこと

自分が選んで投資をした企業が社会の発展に役立ち、その企業も成長したことが、株価の上昇に寄与し、そしてあなたの資産を大きく増やしてくれるとしたら、これはウェルビーイングが何重にも感じられることになります。

・イノベーションが起き、世の中が良くなる幸せ
・企業の成長に寄与した幸せ
・あなたの資金も大きく増える幸せ

ということで、投資はあなたを経済的に豊かにするだけでなく、幸福をも感じさせるプロセスとなり得ます。

一方で、近年の投資において大きな位置を占めているのがインデックス投資(パッシブ投資)です。

インデックス投資の場合、個別企業を選択したり、銘柄を絞り込むような投資を行いません。

「TOPIXに連動した投資信託であれば、東証に上場している企業はすべて買う」

「S&P500に連動した投資信託であれば、米国の500社すべてに投資する」

「全世界株式に投資をする投資信託であれば、インデックスに採用された全世界の3000社近い企業に投資をする」

というような分散投資が1本の投資信託で可能ですが、企業を選別し個人が思い入れのある企業に手厚く投資をするようなことはありません。

それでは、インデックス運用ではファイナンシャル・ウェルビーイングを感じることができないのでしょうか。

「投資の負担感がないこと」がウェルビーイングという視点もある

インデックス投資はあなたのウェルビーイングに寄与する部分が少ないのでしょうか。必ずしもそうではありません。

むしろインデックス運用にはインデックス運用ならではの「ウェルビーイング」があります。

投資におけるファイナンシャル・ウェルビーイングの主眼は「資産の形成が、経済的な安心、余裕を生み出すこと」でしょう。

一方で、投資を負担なく行うこと、できるだけストレスを感じずに継続することは難しいテーマです。インデックス運用の値動きより、アクティブな投資スタイルの値動きは激しいものとなります。うまくいっている時はいいのですが、インデックスより下回る成績となった場合、投資のストレスは大きくなります。

また、投資判断のために自分の時間を割く必要があります。「いい会社を選ぶ」「購入するタイミングを選ぶ」ために毎日数時間くらい時間をかけることを投資の楽しみと思える人はいいですが、人によっては「そんな面倒なことはしたくない」となるでしょう。

また、買う時だけチェックをすればいいわけではなく「投資をしていた会社が好ましくないので見切りをつける」「今が大幅な値上がりとなっており、いい会社だが売っておく」のようなメンテナンスにも気を配り続ける必要があります。

インデックス投資は市場の平均に対して投資を行い、中長期的な市場全体の経済成長を堅実に(かつ低コストで)獲得する投資手法ですから、こうした日々の負担やストレスは軽減されることになります(もちろん、値動きのリスクがなくなるわけではないことに注意)。

そう考えると、投資の実感や負担を軽減させ、確実に資産形成が進展していくことこそがインデックス投資のファイナンシャル・ウェルビーイングといえます。

車のドライブで例えてみると…

私はこれを車の運転に例えることがあります。マニュアル車を運転し、できるだけカーナビに頼らないことを理想とする人がいます。車のメンテナンスも自分でやるような人です。彼らは「自分が運転の実感を持つことが楽しみ」だといいます。

一方で、ほとんどのドライバーはオートマで運転をしていますし、カーナビも利用します。高級車種では高速道路の運転では半自動運転(ADAS:先進運転支援システム)に対応していれば、軽く手を添えれば目的地までほとんどストレスなく到着できます。もちろん、車のメンテナンスはディーラー任せです。

大多数のドライバーは、「目的地にできるだけラクな形で移動すること」を運転に求めています。メンテナンスも専門家に費用を払って委託しようと考えます。

どちらの運転が正しいかを議論することに意味がないのはおわかりでしょう。それは好みであって、決めつけるものではありません。

投資でいえばアクティブな投資スタイルを選好する人がマニュアル運転タイプ、インデックス投資をベースとする人がオートマ運転タイプといえます。

しばしば、アクティブが勝ちかインデックスが勝ちかという議論が行われますが、大事なのは「自分はどちらの投資スタイルのほうが投資を通じて得られるウェルビーイングが好ましいか」を考えることでしょう。

インデックス運用orアクティブな投資スタイル、判断軸になるのは?

投資とウェルビーイングについて、前回と今回、2回に分けて考えてみました。インデックス運用のスタイルでウェルビーイングを手に入れたいのか、アクティブな投資スタイルでウェルビーイングを手に入れたいのか、これはじっくり考えてみる価値があるテーマだと思います。

ひとつの判断軸は「投資にどれくらいのリソースを振り向けてみるか」でしょう。

毎日数時間、マーケットニュースを読んでいて苦にならない人と、そうでない人はいます(実は私は後者です)。

前者であれば、個別銘柄を探して企業を応援しつつ資産を増やしていく投資スタイルのほうが楽しいでしょう。ファンドマネージャーの考え方、アクティブな投資信託の運用方針に賛同して投資をする、という場合もこちらに該当します。

後者の場合は、投資の負担を極力減らしつつ、平均的なリターンは確実に確保したいという考え方です。投資に負担がかからないことで、日常生活の充実や本業である仕事への集中につながり、全体としての便益は大きいと考えます。

ドライバーの多数派がオートマ運転であるように、投資においてもインデックス運用が多数派になることはおかしい話ではありません。

インデックス投資家は、インデックス運用を通じ、自身の経済的安定が少ない負担で実現することにウェルビーイングを感じてみてはいかがでしょうか。

山崎 俊輔/ファイナンシャルプランナー

1972年生まれ。フィナンシャル・ウィズダム代表。1995年中央大学法学部法律学科卒業後、企業年金研究所、FP総研を経て独立。確定拠出年金を中心とした企業年金制度と投資教育が専門。著書『普通の会社員でもできる 日本版FIRE超入門』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『共働き夫婦 お金の教科書』(プレジデント社)、『ファイナンシャル・ウェルビーイング』(青春出版社)など多数。

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