唐突な関税宣言の余波で「相場急落」、早くもトランプディール発動で日本の個人投資家が“資産を守る”ために心がけるべき3つのこと
Finasee / 2025年2月6日 12時0分
Finasee(フィナシー)
米トランプ大統領が「カナダとメキシコからの輸入品に対して25%の追加関税を発動する」と発表したことにより、2月3日の日経平均株価は終値で1000円を超える急落となりました。
サプライズとなったこの発言の背景には、貿易赤字の拡大もさることながら、日本ではあまり実感しにくい、不法移民や合成麻薬「フェンタニル」といった課題があるといわれています。これら米国における社会的課題へのトランプ大統領の取り組みが強い支持を集めるからこそ、「本当にやるのか」と思われていた政策が実行に移される可能性が高まるのです。
米国内移民ワーカーの「不法移民」懸念実際、筆者が最近話を聞いたある米国のサービス業経営者も、スタッフの多くが南米出身の移民で、「採用時にチェックする在留書類の多くは、おそらく偽造だと思う。トランプの移民政策の影響が心配だ」と打ち明けていました。日本にいるとにわかに信じがたい話ですが、不法移民対策の厳格化が米国でいかにリアルに影響を及ぼしうるか、その実情がにじみ出ています。
合成麻薬フェンタニル問題も、関税発動の引き金にさらに近年、米国では合成麻薬フェンタニルの乱用が深刻化し、国境を接するメキシコやカナダがその流入経路になっていると疑われています。フェンタニルはモルヒネの数十倍~100倍もの強力な鎮痛薬で、過剰摂取により命を落とすケースが多発。こうした「オピオイド危機」への強い危機感も、トランプ政権が両国に経済的に高い圧力をかける要因の一つとされています。
日本の個人投資家が心がけるべき3つのポイント1. “突発的な政策発動”に耐えうる資産配分
トランプ大統領の行動は事前の観測を覆(くつがえ)す形での政策実行につながりやすく、今後も市場にさまざまな波乱をもたらすでしょう。今回のような関税政策は、特に輸出関連株に強い影響を与えました。大きな相場急落の波をまともに被らないよう、株式ポートフォリオのセクターや地域を十分に分散しておくことも有効です。
2. 米国内の政治・社会問題への十分なアンテナを日本ではピンとこない課題(不法移民やフェンタニルなど)が、米国では大衆の支持を集めやすく、政策の実行を後押しする要因になる場合があります。日本では実感しづらい米国内の内政ニュースにも目を配り、実際に政策やマーケットへ影響を及ぼす可能性があると考えましょう。
3. 短期的混乱に振り回されない視点を言うまでもなく、専門家にとってもサプライズとなるような政策がトランプ大統領から突然発動され、マーケットが大きく動揺することがあります。そうした局面でも慌てず、長期的な資産形成の方針をしっかり持ち、短期的混乱に振り回されない姿勢が大切です。10年先、20年先を見据えた長期投資家の皆さんであれば、「トランプ政権は最長でもあと4年! 自分の投資のゴールはもっと先にある」と考えるくらいの気構えでもいいのではないでしょうか。
想定外のリスクオフに備えることが重要今回の急落は「まさか本当に関税を発動するのか?」という驚きが引き金でしたが、その背後には日本では想像しづらい不法移民や薬物問題といった米国ならではの社会事情が存在します。こうした要素が思わぬタイミングで政策に反映され、世界の相場をかき乱す可能性は今後も十分に考えられるでしょう。
投資家の皆さんは、日ごろから情報収集を怠(おこた)らず、想定外のリスクオフにも耐えられるような資産配分やマインドセットを心掛けておくことが重要です。
木村 大樹/Keyaki Capital代表取締役CEO
野村證券でオルタナティブ商品の営業に従事した後、ニューヨークで証券化ビジネスに携わり、サブプライム危機に直面しながら問題解決に努める。帰国後はバークレイズ証券を経て、2012年にシティグループ証券の年金ソリューション部長、2015年からはマッコーリー・インベストメント・マネジメント日本代表。2020年に個人に公開されていない世界中のプライベートアセットへの投資機会を、充実感と高揚感に満ちた投資体験として提供するKeyaki Capitalを創業。一橋大学経済学部卒。
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