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尽きない老後の住まいとお金への不安、賃貸派・持ち家派どちらも悩むそのワケとは?

Finasee / 2025年2月7日 12時0分

尽きない老後の住まいとお金への不安、賃貸派・持ち家派どちらも悩むそのワケとは?

Finasee(フィナシー)

「老後に不安を感じる」と答えた人、それぞれ何割? 

持ち家には「家賃を払わずに済む」「資産として残る」というメリットがあるが、住み続けるうちに修繕やリフォームが必要になる場合もある。「費用の工面はできるだろうか」「子どもに負担をかけるのでは……」と気がかりな人もいるだろう。

一方で、賃貸は住み替えがしやすいという利点があるが、毎月の家賃が必要だ。「年金だけで家賃を払えるか不安」「契約更新時に家賃が上がったらどうしよう」と心配する人も多いのではないだろうか。

不動産情報サイト「ハウスドゥドットコム」を運営する株式会社And Doホールディングスが実施した、50歳以上を対象にしたアンケート調査を参考にすると、「持ち家層」と「賃貸層」、老後の不安に関する意識の違いが浮かび上がった。

まずは、老後に不安を感じている割合から見てみよう。どちらの方がより「不安だ」と感じているのだろうか。

出所:株式会社And Doホールディングス「老後の住まいとお金に関する調査」

割合が大きかったのは「賃貸層」で、「85.8%」※と高い数字だった。とはいえ「持ち家層」も「79.2%」が「不安を感じる」(39.8%)「少し不安を感じる」(39.4%)と回答。10人のうち8人が老後に不安を抱えている計算だ。この結果からは、決して「家があれば安心」とは言えない現状が浮かび上がる。

※不安を感じる55.0%、少し不安を感じる30.8%の合計

持ち家の“ある・なし”で異なる不安な理由

次に、不安を抱く理由も見てみよう。興味深いのは「持ち家層」と「賃貸層」で順位が異なる点だ。

出所:株式会社And Doホールディングス「老後の住まいとお金に関する調査」

持ち家層のトップは「自身の健康面」(77.2%)で、「老後の生活資金」(71.4%)が続く。一方、賃貸層では「老後の生活資金」(84.8%)がトップ。次いで「自身の健康面」(75.2%)となった。

この結果から、「持ち家層」は健康への不安が最も大きいのに対し、「賃貸層」はお金に関する不安を強く感じていることが分かる。

持ち家の場合、収入が減ったり介護が必要になったりしても、家そのものが資産として残る。さらに、売却することで資金を確保する選択肢もある。

しかし賃貸の場合、住み続ける限り家賃の負担が発生し、万が一収入が途絶えた場合には住まいの確保が難しくなる可能性がある。こうした事情が、賃貸層のお金に対する不安を大きくしているのではないだろうか。

なお同調査では、「持ち家層」のうち72.7%が老後も現在の住まい(自宅)に住むことを検討していると回答。一方で、ごく少数派ではあるものの、「住みかえ・移住」(3.8%)を選んだ人もいた。

出所:株式会社And Doホールディングス「老後の住まいとお金に関する調査」

近年、自宅を活用した老後資金対策として、売却後も賃貸で住み続けられる「リースバック」や、自宅を担保にして月々の支払いを利息のみに抑える「リバースモーゲージ」といった手法も聞かれるようになった。

ただし同調査によれば、持ち家層の認知度は「リースバック」が22.1%、「リバースモーゲージ」が20.0%と、決して高くはない。活用が広がるかどうかは、今後の動向を見守る必要があるだろう。

必要な老後資金、理想と現実に大きなギャップ

最後に、老後資金についても見ておこう。同調査で「必要な一人あたりの老後資金」を持ち家層と賃貸層に尋ねたところ、結果は次のとおりとなった

出所:株式会社And Doホールディングス「老後の住まいとお金に関する調査」

最も多かったのは、「持ち家層」が「2000万円台」(23.8%)、そして「賃貸層」は「1000万円台」(18.9%)となった。

このように、老後資金の理想額の最頻値には「1000万円」の開きがあり、「持ち家層」の方が多めに見積もっていることが分かる。固定資産税や修繕費といった、住まいにかかるコストを意識していることが背景にあるのかもしれない。

では持ち家層と賃貸層は実際に、どれくらいの老後資金を準備できているのだろうか。「準備できている一人当たりの老後資金」については、次のとおりとなった。

出所:株式会社And Doホールディングス「老後の住まいとお金に関する調査」

「持ち家層」「賃貸層」のどちらも、最多は「1000万円未満」。つまり多くの人が「理想とする老後資金」と「現実に準備できている金額」との間に少なからずギャップを抱えていることが分かる。

ここまで見てきたとおり、多くの人が老後に対して不安を抱えているものの、「持ち家層」「賃貸層」でやや理由は異なるようだ。調査結果を参考にしながら、住まいや資金計画を見直してみてはどうだろうか。“今できる対策”を行うことが、将来の不安を小さくすることにつながるはずだ。

Finasee編集部

「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。

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