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J1残留争い“直接対決”で「非常に大きな勝利」 清水、上位と当たる勝負のラスト9戦へ

Football ZONE web / 2021年9月22日 20時10分

■【J番記者コラム】降格圏と勝ち点「3」差で迎えた仙台戦、2-1で逃げ切る執念の白星

 2021年のJ1リーグも残り10試合となり、優勝争いやACL(AFCチャンピオンズリーグ)出場圏内の3位争いも過熱してきているが、清水エスパルスは毎年恒例となってしまった残留争いに、残念ながら今シーズンも巻き込まれている。前節まで8試合勝ちなしと勝ち点を積み上げられずに、28試合終了時点で勝ち点26の16位。降格圏17位の徳島ヴォルティスとの勝ち点差は「3」と、今節の結果次第では降格圏へ引きずり込まれる状況だった。

 その第29節の対戦相手は、勝ち点22で18位とこちらも残留争い中で、第20節以降、降格圏から脱出することができていないベガルタ仙台。清水は残り10試合で降格圏内のチームと対戦するのはこの仙台戦が最後となり、以降の9試合はすべて清水よりも上位チームとなるため下位チームからの取りこぼしは許されない。一方の仙台は16位清水との勝ち点差が「4」。勝てばその差は「1」となり、負ければ「7」に広がってしまい残留に黄信号が点灯してしまう。お互いに負けられない、勝ち点3が絶対に必要な試合となっていた。

 前節に2得点して12試合ぶりの勝利に貢献した仙台FW富樫敬真。そして、4試合連続で先発出場していた清水のベンジャミン・コロリと、両クラブが巻き返しの主力と期待して夏に獲得した選手が負傷により欠場となった。

 試合は清水が、前半19分にチーム得点王のFWチアゴ・サンタナがCKから押し込み、一度はオフサイドの判定となったが、VARによって認められ先制。後半7分にはこの夏の移籍期間にヴィッセル神戸から期限付きで加入したFW藤本憲明が先発出場3試合目で結果を出した。「素直に嬉しいが、もっと豪快に取りたかった」と仙台GKヤクブ・スウォビィクの隙を見逃さず、バックパスからのトラップが大きくなったところにスライディングでプレスをかけて泥臭く押し込んだゴールにはにかんだが、清水移籍後初ゴール、藤本自身今シーズン初ゴールはここ6試合複数得点が取れなかったチームにとっては貴重な追加点となった。

 仙台も後半の頭からシステムを4バックから3バックに変更し、後半15分にはCKからFWフェリペ・カルドーゾが来日初ゴールとなる豪快なシュートを決めて1点差とすると、仙台の手倉森誠監督は後半36分に守備的な選手に代えてFW赤﨑秀平、FW皆川佑介と次々に攻撃の選手を投入し、FWを4枚にして交代枠を使い切り同点、逆転を狙った。チアゴ・サンタナの首の負傷交代などの処置もあり後半のアディショナルタイムは8分。お互いにカウンター攻撃でゴール前でのプレーが続き、「勝ちたい」という気持ちが入った球際の激しい攻防は、最終的に10分まで延びたアディショナルタイムを通じて繰り広げられ、清水が1点差を逃げ切り残留争いの直接対決を制した。

■9戦ぶりの勝利もロティーナ監督は「ポゼッションとこぼれ球のケア」に課題と指摘

 清水は9試合ぶりの勝利、約2カ月半ぶりに勝ち点3を掴んだ。この第29節では11位の北海道コンサドーレ札幌以下の順位で勝ち点3を積み上げられたのは清水だけ。順位も湘南ベルマーレを抜き15位として、降格圏の17位徳島とは勝ち点差を「6」とした。

 試合後にロティーナ監督は「チームには自信が必要だった。非常に大きな勝利となった」と振り返った。しかし、試合内容については「ポゼッションとこぼれ球のケア」に課題があると、まだまだロティーナ監督が目指すサッカーにはほど遠い内容ということだとは思うが、後半42分に見せたディサロ燦シルヴァーノの本来の動きと言える裏への抜け出しからダイレクトでパスを繋いでゴールに迫る攻撃や、ボールを奪われてからの切り替え、カウンター攻撃の守備への戻りなど、チームとしての成長も見ることができた試合でもあった。

 絶対に勝たなければいけない戦いに勝利した清水だが、それでもまだ「残留」が決定したわけではない。勝ち点差6は連勝、連敗で追いつかれてしまう。今シーズンは2連敗が2度あるだけで大きな連敗はないが、逆にまだ連勝も達成していない。過去には年間勝利数7勝で14位だった2004年。そして降格した2015年も5勝しか挙げられず一度も連続しての勝利を見ることができなかった。3度目となる不名誉なシーズンを回避して、残り9試合で連勝ができれば残留の可能性は高まるはずだ。まずはそのチャンスが次節に訪れる。しかもホームゲームで、清水サポーターにとっては無敵の「鹿児島デー」であることを後押しに取り戻した自信を見せてほしい。

 また、この試合では「10.17」という2015年10月17日にクラブ史上初のJ2降格が決定した日付のメッセージが戒めのためにスタンドに掲げられたが、その当時のつらさや虚しさを知る選手はこの日の18人のメンバーではMF竹内涼のみ。今、在籍している多くの選手たちには関係のないことかもしれないが、サポーターはいまだにあの日のことを忘れてはいない。指揮官も「これからも難しいギリギリの勝負が待っている」と油断はないが、今シーズンの残り9試合でも90分間、気を緩めることなくサポーターに気持ちが伝わるプレーで戦ってくれることを期待している。(Sの極み・下舘浩久 / Hirohisa Shimodate)

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