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なぜU-23日本代表の主力がベンチ降格? 川崎の現実的な“優先事項”、パリ五輪への影響は…

FOOTBALL ZONE / 2024年5月26日 7時40分

■川崎は柏に1-1のドロー、19歳高井が再び先発落ち

 川崎フロンターレは5月25日、J1リーグ第16節で柏レイソルと対戦し、1-1と引き分けた。U-23日本代表DF高井幸大は前節に引き続き、この日も先発から外れることになったが、なぜパリ五輪に臨む大岩ジャパンの主力がここ数試合で出場機会が減少しているのだろうか。その背景には不振に苦しむ川崎が、高井の備える能力やポテンシャルよりも目を向けなければならない現実的な“優先事項”がある。

 柏戦では前半30分に華麗なパスワークから先制に成功したものの、後半14分にセットプレーから失点し、1-1で終えた。3試合ぶりの勝利とはならなかったものの、第14節のサガン鳥栖戦(2-5)、第15節のガンバ大阪戦(1-3)と、2試合合計で8失点と守備が崩壊状態にあったなかで、この日は最少失点にとどめることはできた。

 一方、高井は2試合連続でベンチスタートを強いられることに。前節G大阪戦では後半32分から途中出場したが、柏戦では最後まで出番が訪れることはなかった。先発出場した鳥栖戦で大量失点を喫したことがきっかけで序列に変化が生まれた可能性もあるが、パリ五輪出場を決めU-23アジアカップで大岩ジャパンの主力を担った高井が先発から外されることになった決定的な要因はどこにあるのだろうか。

 鳥栖戦でミスや不安定なプレーが目立ったことも、もちろん理由の1つには挙げられるだろう。一方で、すでに今季リーグ戦で7敗を喫しているチーム内で、守備の優先事項において、ビルドアップよりも対人が高くなっている現状も影響しているだろう。柏戦ではU-23日本代表FW細谷真大を筆頭に、個で打開できるアタッカーが揃っている相手に対し、DFジェジエウとDF大南拓磨の対人能力で失点を抑える戦い方を優先する采配が窺えた。

■出番減の現状に高井は「実力だと思う」

 試合後、大南は「オフ・ザ・ボールの時の準備を早くすることをチーム全体で意識した。遅い問題があったので。対人の部分はもちろん、そこでの戦いがサッカーの根本でもあるので、対人は要求されるところだと感じている」と、鬼木達監督がセンターバック(CB)に求めている要素について言及。高井は川崎にとどまらず、Jリーグ全体を見渡しても屈指のビルドアップ能力を備えるものの、今のチームにおいて失点数の減少こそ取り組むべき課題であるのは火を見るより明らかだ。

 高井はまだ19歳。今後、フィジカル面や対人能力も大幅に向上する伸び代に疑いの余地はないが、残留争いを予感させる今季は、高井に継続的な出場機会を与えて成長を促す余裕はない実情がある。高井が抱えるムラのあるパフォーマンスの問題、対人能力を高める経験値は、出場機会を重ねることで磨かれる要素でもあるが、目の前の試合の取りこぼしが許されない切迫した現状は、特に安定感が重要となる最終ラインにおいて、どうしても計算が立つ堅実な選択肢を取るのは仕方のないところでもある。

 今年7月にはパリ五輪が控えており、迫り来るメンバー選考へのアピールについて、高井は「試合に出ることが一番だと思っています」と一言。出場機会のない現状に関しては「まぁ……実力だと思うので、別に、そうですね、頑張りたいと思います」と、淡々と答えた。仮に今後も出番減の状況が続いたとしても、代えの効かない存在の1人でもある高井がパリ五輪メンバーに選出される可能性は高いと言えるだろう。それでも、トップコンディションで臨むうえで、少しでも出場を重ねていきたいところだ。(城福達也 / Tatsuya Jofuku)

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