横浜FM主将が実感した自身の進化 「感覚は掴めてきている」プレーの“幅”とは?
FOOTBALL ZONE / 2024年6月20日 18時10分
■喜田拓也は広島戦の逆転勝利に手応え「もうあとがないと思っていた」
横浜F・マリノスは6月19日に行われたJ1リーグ第13節延期分のサンフレッチェ広島戦に3-2で勝利し、リーグ戦の連敗を2で止めた。
開始2分で先制点を許した横浜FMだが、FWヤン・マテウスのゴールで前半のうちに追い付く。後半開始早々、相手に退場者が出たなかでDF渡邊泰基のスローインミスからFW大橋祐紀に勝ち越しゴールを許す難しい展開になった。
それでも相手が守備を固めるなか、試合終盤に2ゴールを挙げて逆転。チームのキャプテンであるMF喜田拓也は「F・マリノスらしさみたいなものは、みなさんに感じてもらえるゲームだったのかなと思います」と、胸を張った。
押し込みながらもゴールが奪えず、先に2点目を決められた時も、この試合に勝てるという思いは揺らがなかったという。
「ミスはどうしても、人間がやるスポーツなのであるということは、チームでも共有していたので。あそこで顔を下げないということは声をかけていましたし、もうやるしかなかったので。会場の雰囲気もそうさせてくれたと思うし、何より『諦めなければ、そういうことが起きる』というのは、これが初体験ではないので。そこはもう自分たちに言い聞かせて、『もうあとがない』と思っていましたし、勝つしかなかったので同点ゴールが決まっても、勝ちに行っていた」
中盤の底でピンチの芽を摘み、ボールを前の選手に託す役をこなす喜田だが、横浜FMの2点目の場面では、宮市のアシストにつながる縦パスをエリア内で出している。常にバランスに気を配るため、攻め上がる回数が決して多いわけではない。それでも、アタッキングサードに顔を出すと高い頻度でゴールに絡んでいる。
「今シーズン、結構、点に絡めていたので。たぶん、みなさんあまり覚えていないと思うんですけど(笑)。アシストの1つ前とかが結構多かった。そのへんの感覚みたいなものは掴めてきている」
喜田も自身のプレーの幅が広がっていることを実感する。
■高まるチームメイトとの意思疎通
そして、喜田は「自分がどうチームに貢献していけるか、その幅も着実に、ちょっとずつですが広げていけている。あのシーンでもあそこに顔を出して、宮市選手とも連係が取れていましたし、必ずあそこに来てくれると思って出したので。彼も『来ると思っていた』と言ってくれましたし、そのへんの意思疎通みたいなものができて、最後(ゴールが)割れたと思うので。(アンデルソン・)ロペスも最後によく決めてくれましたけど、ああいうのはチームの結果にも直結するので、そういうところでも助けていきたい」と、語った。
喜田自身にも、この試合で得点を挙げられそうな場面もあった。2点目を決められる直前の後半31分、FWアンデルソン・ロペスのパスを受けて左足でシュートしたが、ボールは枠の右に外れていった。
「あれは(シュートを)右足で用意していたんですけど、左に出てきたので、ちょっと歩幅が合わなかった。右で要求できれば良かったですけど、そこらへんの最後の合わせるところは、練習からも培えるし、最後の質を上げられれば、今後は沈められるシーンもあると思う。ただ、あそこに顔を出すというのは、崩し方みたいなところでいい面もすごくこの試合であったのかなと思います」
チームが勝ち点3を積み重ねるとともに、実感できた自身の進化。横浜FMの闘将は、ますます相手にとって嫌な存在になるに違いない。(河合 拓 / Taku Kawai)
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