「私たちは批判にさらされる」 イングランド、スロベニアにまさかの0-0…低パフォーマンスを選手危惧

■グループリーグは1勝2分で首位通過も…

　欧州選手権（EURO）は現地時間6月25日にグループリーグC組の最終戦が行われ、イングランドはスロベニアと0-0で引き分けた。これにより1勝2分の勝ち点5でC組の首位通過を決めたが、英公共放送「BBC」ではチームの出来への不安が次々に語られ、選手たちも批判を覚悟している。

　すでに決勝トーナメント進出を決めた状態で試合に入ったイングランドは、引き分け以上の結果が必要な、逆に言えば引き分けで終わればトーナメント進出ができるスロベニアとの対峙になった。そのゲームはイングランドがボールを持つ時間が長くなったものの、シュート数12本に対して決定機と呼べるほどの場面はそれほどなく、スコアレスドローで終えた。スロベニアの選手たちは、試合終了のホイッスルと同時にガッツポーズでピッチ上を駆け回った。

　イングランドは別会場でデンマークとセルビアが引き分けたために逆転されず首位通過を果たしたが、もし2位通過だったら決勝トーナメントの初戦はドイツとの対戦になっていた。

　そうした状況だったことを受け、BBCでは来季プレミアリーグ昇格を決めたレスター所属のDFコナー・コーディが「イングランドのサポーターは皆、目撃しているものについて心配していると思う。私たちはイングランドがこの大舞台に登場し、『イングランドがやってきたぞ！』と宣言できる試合を求めていた。しかし、私たちはそれを見ることができていない。試合中にそう思わせてくれるものは何もなかった」と手厳しく話した。

　また、元イングランド女子代表のイジー・クリスチャンセン氏は「この試合の後、多くのイングランドのファンは混乱し、不安を抱えたままになっているだろう。しかし、『トーナメントのサッカーとはこのようなもの』という決まり文句も健在だ」と、結果だけが評価に値するというニュアンスを言葉にしている。

　DFジョン・ストーンズは「チャンスを生かせないことでファンが不満を募らせるのは理解できる」と話し、GKジョーダン・ピックフォードも「どんな試合も簡単ではないが、私たちは批判にさらされるだろう。それに対処しなければならない」と、国内から不満と批判の声が上がるのは自然なことだと受け入れているようだ。

　セルビア、デンマーク、スロベニアとの3試合を2得点1失点、1試合のスコアレスドローで終えたイングランドは結果的に首位通過したものの、前回大会で準優勝した時のような勢いを感じさせるグループリーグにならなかったのは事実だけに、決勝トーナメントでギアが上がるのか注目される。（FOOTBALL ZONE編集部）