元日本代表主将、自宅に届いた一通の手紙 23年前の衝撃を回顧「あなたたちは井の中の蛙」

■森岡隆三氏が前園真聖氏の公式YouTubeチャンエルでトルシエ時代を回想

　日本代表でキャプテンを務めた経験もある元JリーガーのDF森岡隆三氏が、元日本代表MF前園真聖氏のYouTubeチャンネル「おじさんだけど、遊んでもいいですか？」に出演。1998～2002年に日本代表監督を務めたフィリップ・トルシエ氏が海外へ行くことを選手たちに勧めていたことを回想しつつ、「あなたたちは井の中の蛙なんだ」と指摘するファンからの手紙が届いたエピソードを明かした。

　DF3人がフラットに並び、最終ラインを自在に上げ下げすることで相手の攻撃を制限する「フラット3」を採用したことで知られるトルシエ氏。A代表と五輪代表を兼任したチーム作りでも大きなインパクトを残した。

　森岡氏は「あれだけ意見を言って、また肩を組んでいく監督、そうそういなかった（笑）」とトルシエ氏の人間性について言及。そのうえで、「海外へ出ろとはとにかく言っていた」と振り返った。

「中田英寿を筆頭にあの世代は、伸二（小野伸二）もそう、イナ（稲本潤一）もそう。どんどん海外に行っていいものを持ってきて、相乗効果が上がった時期。ワールドユース2位、オリンピックベスト8、日韓W杯ベスト16、コンフェレデーションズカップ、アジアカップ優勝。あの時代であれは成果としてえげつない」

　そんな森岡氏は、2001年3月24日にフランスのスタッド・ド・フランス（サンドニ）で行われたフランス代表と国際親善試合で0-5と完敗を喫したあとの出来事を明かした。

「フランスに負けたあとに静岡に帰って家のポストを開けたら、手紙が入っていた。ファンレターだと思って読んだら、一行目に『だから言ったでしょ。あなたたちは井の中の蛙なんだ』と。メラメラと怒りもあったけど、たしかにと。井の中の蛙と言われても仕方ないけど、外の大海を夢見て、とは思った。SNSがある今の時代だったら大変。俺だったら無理ですね」

　そんな時代も経て、今は日本人選手が次々と欧州リーグへ羽ばたき、日本サッカーも着実に進歩を遂げている。（FOOTBALL ZONE編集部）