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名門大卒の異色Jリーガーが五輪へ…日本代表に選出歴、“文武両道”MFは「考え方が大人」

FOOTBALL ZONE / 2024年7月22日 9時40分

■【大岩ジャパン18人の肖像】地元を離れ初志貫徹…MF川﨑颯太(京都サンガF.C.)が歩んだ道程

 大岩剛監督率いるU-23日本代表は、今夏のパリ五輪で1968年メキシコ五輪以来、56年ぶりのメダル獲得を狙う。4位でメダルにあと一歩届かなかった東京五輪から3年、希望を託された大岩ジャパンの選ばれし18名のキャラクターを紐解くべく、各選手の「肖像」に迫る。

   ◇   ◇   ◇

 学業優秀、文武両道。川﨑颯太はJ1で躍動する一方で、今年3月に名門・立命館大学を卒業。留年せずストレートで卒業し、大卒としての肩書を持っている。

 広い視野と多彩なパスで攻撃のリズムを作るだけではなく、豊富な運動量と的確な読みを駆使してボール奪取面でも非常に高い能力を発揮できる。攻守の切り替えにおいて重要な役割を果たし、献身性と創造性を兼ね揃えたセントラルミッドフィルダーだ。

 22歳の川﨑は山梨県出身。小学生から中学生にかけてヴァンフォーレ甲府のアカデミーでその才を磨いていた。だが高校進学時に大きな決断を下す。県外に出て自分を磨くだけではなく、勉強も継続して行える環境を望んだ。その条件に合致していたのが、京都U-18だった。

 京都U-18はクラブと京セラ、学校法人立命館が連携して、真の文武両道を兼ね揃えた世界的トップアスリートの育成を目指すスカラーアスリートプロジェクトという育成プログラムを行っている。京都U-18でプレーしながら、進学校である立命館宇治高校に通って勉学にも力を入れる。トップ昇格を目指すだけではなく、立命館大学の進学も視野に入れて文武両道に励む。この理念に賛同し、彼は山梨を離れて単身京都にやってきた。

 高い自立心と自律する力を持っていた川﨑は、この整った環境に甘えることなく責任感と向上心を持って取り組んだ。高校3年間を通じて頭角を現し、最高学年を迎えるとチームのキャプテンを任され、さらにU-18日本代表に選出。ここからコンスタントに年代別代表に選ばれるようになった。

 2020年にトップ昇格すると、同時に立命館大学産業社会学部に進学。ルーキーイヤーのリーグ後半からボランチとしてコンスタントに出番を掴み、秋以降はレギュラーの座を掴んだ。2年目以降はその波のない安定したプレーと攻守の要としてリーダーシップを発揮できる能力をフルに発揮し、チームに必要不可欠な核としてチームのJ1昇格と残留に大きく貢献をし続けている。

「颯太はしっかりと物事を考えられて、学ぼうとする姿勢を示せる選手。若いけど考え方が大人で、自分だけではなく周りのことをしっかりと考えながらの言動ができる。プレー面でもボールが奪えるし、運べるし、組み立てられる。本当に素晴らしい選手だと思います」

 川﨑がプロ2年目の2021年に就任した曹貴裁監督がこう評したように、指揮官からの絶大な信頼を得た彼は、プロ4年目の昨季からキャプテンという大役を担うことになった。

■学業も疎かにはせず、パリ五輪メンバー18人に選出

 クラブ史上最年少のキャプテン。川﨑にのしかかるプレッシャーは相当なものがあったが、その責任から逃げることなく、堂々たる立ち振る舞いをして見せた。

 ピッチ外でリーダーシップを見せるようになり、ピッチ内では4-3-3のアンカーを主戦場としながらも、インサイドハーフ、3-4-2-1をトライした際にはダブルボランチの一角を担うなど、バランサーとしてリーグ27試合にスタメン出場。同年の6月にはキリンチャレンジカップに挑む日本代表に選出された。

 残念ながら合宿直前の負傷の影響で出番は訪れなかったが、現役大学生A代表選手として脚光を浴びた。その喧騒を他所に、川﨑はA代表での時間を1分、1秒も無駄にしまいと吸収できるものはとことん吸収しようとする貪欲な姿勢を持ち続けた。

「世界のトップレベルで活躍する選手たちと直にコミュニケーションを取れて、日常からどういう意識を持って過ごせばいいのかなど、刺激になる話をたくさん聞けました。その経験を生かしていきたい」

 こう語った川﨑は今季も変わらぬ存在感を放っている。開幕から4-3-3のインサイドハーフをメインにしながら、右ウイング、3-4-2-1のダブルボランチの一角をこなしつつ、チームのリーダーとして先頭に立ち続けている。

 その一方で学業も疎かにはせず、前述したとおり、ストレートでの立命館大卒業を実現させた。

 初志貫徹を続ける男・川﨑颯太。物事に対する思考、自らの言動に対する自覚と学習意欲が際立つ彼は、責任ある立場や環境に身を置けば置くほど、その力を発揮し、吸収して成長をしていく。それはパリ五輪でも同じ。18名という狭き門を潜り抜けてピッチに立つ責任と覚悟を持って大舞台のピッチに立つ。(FOOTBALL ZONE編集部)

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