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7歳年上の選手は「未知の領域」 プレミア最年少監督、新生ブライトンでの稀有な“関係性”に言及

FOOTBALL ZONE / 2024年7月24日 10時30分

■プレミア歴代最年少で就任したヒュルツェラー監督

 イングランド1部ブライトンは7月24日に控える「ジャパンツアー2024」の鹿島アントラーズ戦に向け、前日に会見と公開練習を行った。今季から指揮を執る31歳のファビアン・ヒュルツェラー監督は、プレミアリーグ歴代最年少での就任となったなか、チーム最年長の38歳MFジェームズ・ミルナーについて「私自身がまだ経験していない未知の領域に、彼は足を踏み入れている。なので、さまざまなことについて、彼に意見を聞いている」と、その関係性を明かしている。

 ドイツ2部FCザンクトパウリを1部昇格に導いた実績を買われたヒュルツェラー監督は、昨季限りで退任したロベルト・デ・ゼルビ監督の後任としてブライトンの新指揮官に抜擢された。プレミア歴代最年少となる31歳での就任は、イングランドだけでなく世界でも大きな話題を呼んでおり、若さゆえに現状は手腕に懐疑的な意見も少なくない。

 日本で初陣を飾ることになったが、チームには年上の選手が何人も在籍しているなかで、ヒュルツェラー監督は「私は権威主義の人間ではない。アイデアの力を信じていて、アイデアで選手を説得するよう心掛けている。年上の選手がたくさんいるが、むしろそれはチームにとって有利な要素になると考えている。彼らの経験とアイデアを活用し、チームを向上させていける」と、ベテラン選手との共闘に意欲を燃やしている。

 チーム最年長は38歳のミルナーで、ヒュルツェラー監督とは実に7歳差となる。世界を見渡しても、指揮官が所属選手の7歳年下といったケースは極めて珍しいと言えるが、今後どのような関係性を築いていくのか? ミルナーに対してのファーストインプレッションについて尋ねると、「信じられないほど素晴らしいキャラクター。これまでも成功を収めてきて、チームメンバーにとってはロールモデルとなる存在だ」と惜しみない称賛を送った。

「トレーニングの向き合い方やパフォーマンスもそうだが、トレーニング後も自分の動きを見直したりなど、ほかの選手が学ぶべきことが多々ある。なにより、あの年齢であの肉体を維持していることも、本当に信じがたい。多くの経験と知識を備えていて、私自身がまだ経験していない未知の領域に、彼は足を踏み入れている。なので、さまざまなことについて、彼に意見を聞いている」

 ミルナーはプレミア通算出場試合数が600戦を超えており、歴代2位の記録を誇っている。これまでビッグクラブでも主力を務め、タイトル獲得に大きく貢献してきた百戦錬磨の鉄人は、すでにヒュルツェラー監督にとって頼れる存在となっている様子で、「偉大なリーダーであり、ピッチ外でもロールモデルの役割を担ってくれる」と、新生ブライトンの手綱を握る立場であると強調していた。

 また、精神的支柱の立ち回りだけでなく、「スキルやハードワーク、現代サッカーにおいて最も重要なコミュニケーション力が非常に高い。リーダーとしてチームをまとめてもらうことはもちろんのこと、いち選手としての活躍にも期待している」と、戦力としても高く評価。過去には若手監督とベテラン選手の関係性が上手くいかずにチームが崩壊した事例も少なくないが、ヒュルツェラー監督とミルナーのコミットが、今後のブライトンで大きな鍵を握ることは確かだろう。(城福達也 / Tatsuya Jofuku)

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