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酷暑の日本で…Jと来日クラブの実力差露わ シーズン開幕前でも技術は「一枚上手だった」【コラム】

FOOTBALL ZONE / 2024年7月26日 9時30分

■【カメラマンの目】リーグ戦真っ只中の鹿島を相手に、プレシーズン中のブライトンが5-1圧勝

 シーズンの開幕を前にしてチームの構築段階であるブライトンと、リーグ戦の真っ只中にある鹿島アントラーズの対戦で、ここまで実力差が浮き彫りになるとは思っていなかった。親善試合ということで、全体の流れとしてお互いに勝敗へのこだわりや局面の勝負では、公式戦の時のような、なんとしてでも勝たなければならないという激しさはなかった。だが、両チームには展開するサッカーに類似する部分もあったが、5-1というスコアが示すように内容的には大きな差があった。

 それにしても、こうしてヨーロッパの主要リーグのチームがシーズンの開幕を前にして、わざわざ日本にやって来て試合をする近年の潮流は、改めて世界が近くなっていることを実感させられる。そして、チームを構成する選手が多国籍となった現代サッカーでは、戦い方もそのクラブが所属する国のリーグに持つイメージに留まらず、もはや国境はないのだと感じる。

 たとえば、かつてのイングランドのクラブと言えばキック・アンド・ラッシュを武器に、激しく戦うスタイルが主流だった。しかし、現代ではそうしたイメージばかりではなく変化してきている。日本を代表するドリブラーの三笘薫が所属するブライトンも、フィジカルを武器に戦うだけのチームではない。

 ブライトンはシーズン開幕前であり、蒸し暑い厳しいコンディションのなかでの試合でも、しっかりと走り切っていた。そのタフさはシーズン中の鹿島にもまったく引けを取らず、いやむしろ走り勝っていたところは、さすがイングランドのチームと思わせた。

 そして、そのスタイルは的確な守備からボールを奪うと素早く前線へとボールをつなぎ、あっという間にゴールまで到達してしまうスピードを兼ね備えていた。各選手の基本技術は高く、ボールを受ける時のタッチが繊細で正確だ。その後のボールコントロールも巧みで、チャンスと見ればドリブルで仕掛け、しかし必要以上のボールキープはしない。次々と前線へと進出して行く仲間に合わせてスルーパスを繰り出していき、ゴールを目指していた。

 今シーズンの鹿島もランコ・ポポヴィッチの指揮の下、こうしたスピーディーなサッカーで復活の感を強めている。だが、ボールを相手ゴールへと運ぶ上手さはブライトンのほうが一枚上手だった。

■タフさと高い基本技術を兼ね備えた、スピーディーなサッカーを武器とする集団

 昨年11月に撮影したUEFAヨーロッパリーグでのブライトンは、相手のアヤックスの調子が上がらず、そのペースに巻き込まれるように低調な内容に終わっていた。ライブで見た印象はあまり良くなかったのだが、新シーズンに向けたブライトンはイングランドのチームらしくタフさと高い基本技術を兼ね備えた、スピーディーなサッカーを武器とする集団といったところだろうか。

 そうしたブライトンのなかで三笘は、ほかの選手同様にボールを受ける時のワンタッチ目にトラップミスをしてしまうようなことがほとんどなかった。ゴールを急襲するシュートへとつながるドリブルは、周囲の選手の誰よりもボールをキープする時間が長い。素早く前線へとボールをつなぐチームにあって、三笘のドリブルはアクセントとなっており、果敢に左サイドから攻撃を仕掛けていた。

 前半だけの出場となったが、この日で最もカメラのファインダーのなかに捉えたのは、言うまでもなくこの背番号22番の日本人ドリブラーだった。鹿島DFの植田直通と関川郁万の懸命のブロックを受けながらシュートを放つ三笘。2人のあいだから覗いたその激しい表情が、この試合でのベストショットだ。(徳原隆元 / Takamoto Tokuhara)

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