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PK失敗につながった?…ピッチで見せた「したたかさ」 日本代表OBが称賛した“時間稼ぎ”【見解】

FOOTBALL ZONE / 2024年7月28日 19時30分

■【専門家の目|安田理大】ペナルティースポットに集まったシーンに注目

 大岩剛監督が率いるサッカーU-23日本代表は現地時間7月27日、パリ五輪のグループリーグD組第2戦でマリ代表と対戦し、1-0で勝利した。後半37分に決めたMF山本理仁の2試合連続ゴールが決勝点。グループリーグ2連勝で準々決勝進出を決めた。日本代表OBの安田理大氏はPK判定を奪われたシーンで冷静さを見せた大岩ジャパンの“成長”に目を向けた。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)

   ◇   ◇   ◇

「マリーシア……ではないけど、したたかさを感じられた。ペナルティー判定かもとVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)介入した時、ペナルティースポットに選手が何人か集まって時間を使っていた。ちゃんと時間を作って、スタッフが相手のキッカーを調べる時間を作っていた。その辺の試合巧者ぶりが感じられた」

 日本代表の成長が垣間見られた。0-0で迎えた後半37分、FW細谷真大が右サイドを抜け出して中央にクロス。これにファーサイドから途中出場のFW佐藤恵允が合わせ、相手GKが弾いたボールをMF山本理仁が押し込んで先制ゴールを奪った。しかし、試合終了間際にMF川﨑颯太がVARでハンドを取られて、PKを献上してしまう。ここでGK小久保玲央ブライアンが完全にコースを読み切り、相手のシュートはゴール左外へ。前半から好セーブを見せていた小久保が大仕事をやってのけた。

 ポイントになったのは、VARの介入でオン・フィールド・レビューとなりPKに移るまで、日本の選手たちはペナルティースポットで話し合いを続けていた。ベンチでは大慌てでデータを確認しており、ピッチ上の選手たちがしっかりとその“時間”を生み出していた。直接的な要因ではないものの、PKに万全で臨めた日本の自信が相手へ脅威を与えたのかもしれない。

 4月に行われた最終予選を兼ねたU-23アジア選手権では初戦の中国戦でDF西尾隆矢が一発退場になるアクシデントが起きた。この際、「テレビ朝日」で解説を務めていた元日本代表DF内田篤人氏が「時間をかけて下がらないと」と、交代選手の準備時間を作るべきだと指摘していたことが話題となった。だが、本大会では終盤に訪れた絶体絶命のピンチでも動じることなく細部まで全員が戦えていた。

「(マリの)一瞬のクイックネスについていけなくてピンチを迎えるシーンもあったけど、局面、局面で身体を投げ出したりして守れていた。冷静さ、粘り強さ、90分通して出た試合だった」

 試合の命運を分ける場面で大岩ジャパンの勝負にこだわる気持ちが感じられた。

[PROFILE]
安田理大(やすだ・みちひろ)/1987年生まれ、兵庫県神戸市出身。ガンバ大阪のアカデミー出身で2006年にトップチーム昇格。プロ1年目からデビューを飾り、2年目の2007年ではナビスコカップの「ニューヒーロー賞」を受賞。大会MVPも獲得した。2008年には北京五輪メンバーに選出。2011年からオランダ1部フィテッセでプレー。その後はジュビロ磐田、サガン鳥栖、ヴィッセル神戸、名古屋グランパスと国内を渡り歩き、韓国を経て、アルビレックス新潟、ジェフユナイテッド千葉、松本山雅FCとさまざまなクラブを経験。日本代表としては7試合に出場し1ゴールをマークした。(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)

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