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「どの国より決定力がある」アメリカ攻略法 OG岩清水が挙げた強豪の“隙”…鍵を握るのは【見解】

FOOTBALL ZONE / 2024年8月3日 11時40分

■【専門家の目|岩清水梓】キープレーヤーは山下、熊谷、長谷川、田中ら「センターラインの選手たち」

 なでしこジャパン(日本女子代表)は現地時間7月31日にパリ五輪のグループリーグ最終戦でナイジェリア代表と対戦し3-1の勝利を収めた。2008年北京五輪と12年ロンドン五輪に出場し、11年の女子ワールドカップ(W杯)優勝メンバーでもある元代表DF岩清水梓は、準々決勝のアメリカ戦に向けてのキープレーヤーを「センターラインの選手たちはチームの背骨」と表現したうえで、切り札として第2戦ブラジル戦で決勝ゴールの19歳MF谷川萌々子に期待を込めた。(取材・構成=轡田哲朗)

   ◇   ◇   ◇

 日本は初戦のスペイン戦に1-2で敗れたものの、第2戦で戦ったブラジルに試合終了間際の2得点で2-1の逆転勝ち。そして第3戦ナイジェリアには主導権を握る戦いで快勝した。勝ち点6でC組の2位になり、準々決勝は3連勝でB組首位通過のアメリカと対戦する。金メダル4回の強豪に日本は五輪の本大会で勝利したことがない。

 岩清水は勝ち上がりについて「負けを知らずに上がるよりいいかもしれない。なにもできなかったスペイン戦があり、『ああなっては、ダメ』とラインを引ける」と前向きに捉える。そして、準々決勝を見据えると「色々な選手がいる中でもセンターラインの選手たち、山下(杏也加)、熊谷(紗希)、長谷川(唯)、田中(美南)はチームの背骨になるところであり、影響力を与えられる選手たち」と話す。

 そして「ゲーム運びや、どうしていこうと相談すること。プレッシングの位置など細かいことで、ゲームの中でやらないといけないことや変化しないといけないことがある。それをセンターラインの選手がコミュニケーションを取りたい。粘り強く戦う展開になると思うけれども、セットプレーも重要になると思う」と、中心選手たちが果たすべき役割について指摘した。

 アメリカのサッカーについて岩清水は「リーグのハイライトを見ても、ペナルティーエリア周辺のシュートが上手い。過程や組み立てよりも、ゴールをするかしないかのハッキリした世界なのかもしれない。だから、どの国よりも決定力がある印象がある」と話す。一方で「プレッシャーをかければハマるんじゃないかという想像もつく。相手の攻撃を受けるだけでなく、どこかでプレッシャーをかけていい奪い方をする積極性を時間帯の中で出しても良いのではないか」と持論を展開した。そうした意味でも、センターラインの選手たちがチームの統一感を出せるかがカギになりそうだ。

 2011年女子W杯の優勝では、準々決勝で開催国の強豪ドイツを破った。当時を知る岩清水は「私たちの時も、勝ったことがなかったドイツに勝つことができた。状況は似ているのかなと思う。それを熊谷が知っているし、乗り越えた先にはメダルが見えてくる」と希望を語る。

 そして、そのドイツ戦で決勝ゴールを奪ったのはスーパーサブ的な存在だったFW丸山桂里奈だった。岩清水は、そうした最後に勝負を決められる存在として谷川の名前を挙げ「シュートレンジが広いので、ちょっとゲームがオープンになった時、彼女にスペースを与えた瞬間にシュートというのが楽しみだと思う。球際の戦いや、彼女の技術が生きるタイミングが試合の最後にあるかもしれない」と、期待を込めた。

 グループリーグは日本がそうだったように敗戦してもチャンスが残り、準決勝は敗れても3位決定戦にチャレンジできる。準々決勝が最も厳しいタイミングであり、岩清水も「負けたら帰るだけ、という試合」と話す。そこを乗り越えるなでしこジャパンの姿に期待が懸かる。

[PROFILE]
岩清水梓(いわしみず・あずさ)/1986生まれ、岩手県出身。2001年に日テレ・ベレーザ(現日テレ・東京ヴェルディベレーザ)でリーグ戦デビュー。なでしこジャパンには06年に初選出され、女子W杯メンバーに3度、五輪メンバーには2度選ばれ、11年W杯の優勝を経験した。20年3月に第一子を出産し、“ママさん戦士”として現役を続ける。(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)

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