高校サッカー強豪校「最新格付け」 青森山田、静学ら“超越”SSランクは?…総体16強以上から厳選
FOOTBALL ZONE / 2024年8月7日 7時10分
■高校総体の成績を踏まえ、強豪校の「最新格付け」を独自査定
令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)は、元日本代表の玉田圭司監督率いる昌平の初優勝で幕を閉じた。優勝候補と目された大津(熊本)が1回戦で姿を消す波乱がありながらも、実力校は前評判どおり上位へ。そんな今大会を踏まえ強豪校の実力を改めて精査すべく「最新格付け」をSS~Bの4ランクで独自査定する。
なお対象チームは、高校年代最高峰のリーグ戦であるプレミアリーグに所属し、今大会でベスト16以上だった4校(静岡学園、市立船橋、尚志、青森山田)、ベスト4以上の成績を収めた4校(神村学園、米子北、帝京長岡、昌平)を合わせた8校とする。※各チームの分析項目(攻撃力、守備力、勝負強さ)は5段階評価(最高が五つ星=★★★★★)で評価。
【SSランク】
■昌平(埼玉/2大会ぶり5回目)
インターハイ成績:優勝
攻撃力:★★★★★
守備力:★★★★☆
勝負強さ:★★★★★
プロの世界で長年生きてきた玉田圭司監督、昌平を草創期から支え続けている村松明人コーチなどが志向する“サッカー感”がしっかりと反映されていた。パスをつなぎ、うしろからビルドアップをしながらも、時には大きな展開を入れて左MF長璃喜ら両サイドの突破力も活用して中と外を有効活用しながら攻めた。準々決勝の桐光学園戦では0-2から相手のブロックを崩して同点からのPK戦勝利。決勝戦は押し込まれる展開が多かったが、それでもここぞというチャンスを見逃さずに逆転勝利。勝負強さも光った。
■神村学園(鹿児島/7大会連続10回目)
インターハイ成績:準優勝
攻撃力:★★★★★
守備力:★★★★☆
勝負強さ:★★★★★
攻撃のバリエーションの豊富さは今大会においてずば抜けていた。名和田我空と徳村楓大のインサイドハーフ、左ウイングバックの大成健人など技術とスピード、状況判断に優れた選手がそれぞれの持ち味を発揮しながら、流動性の高い攻撃を披露。6試合で27得点を叩き出した。さらに守備面の成長がかなり顕著で、黒木涼我、新垣陽盛、中野陽斗の3バック、鈴木悠仁と松下永遠のダブルボランチの安定感は抜群だった。
【Sランク】
■帝京長岡(新潟/3大会連続8回目)
インターハイ成績:ベスト4
攻撃力:★★★★★
守備力:★★★★☆
勝負強さ:★★★★☆
試合運びのうまさは神村学園に匹敵するほど多彩で、かつ個の能力も高かった。なかでも安野匠と柳田夢輝の2トップの前への推進力と技術レベルの高さ、トップ下や左サイドハーフをこなす水川昌志、期待の1年生MF和食陽向などゲームメイクができる選手が2列目に揃い、質と強度ともにトップレベル。準決勝で昌平MF大谷湊斗のミドルシュート2発に沈んだが、優勝してもおかしくない実力だった。
■米子北(鳥取/16大会連続19回目)
インターハイ成績:ベスト4
攻撃力:★★★★☆
守備力:★★★★☆
勝負強さ:★★★★☆
特出した個はいないと評されていたが、今大会を通じてこれから楽しみなキラリと光る才能たちが大きな躍動を見せた。1年生センターバックの熊野俊典、2年生の湯月哲大と3年生の柴野惺がコンビを組むダブルボランチは奪う力と縦パスの能力に長け、前線の鈴木颯人は抜群のスピードと運動量、シュートセンスを持つ。堅く激しい組織的なディフェンスからのスピードと強度抜群のカウンターを随所に披露した彼らは、準決勝でも神村学園を最後の最後まで苦しめた。
■名門・市立船橋はベスト8進出も攻撃面に課題を露呈
■静岡学園(静岡/2大会連続9回目)
インターハイ成績:ベスト8
攻撃力:★★★★☆
守備力:★★★☆☆
勝負強さ:★★★☆☆
今大会では思うように全員のコンディションが揃わなかった印象を受けた。ビルドアップ能力に長けた右サイドバックのキャプテン野田裕人も限定出場で、ボランチの10番・山縣優翔もトップフォームとは言えなかった。それでも守備力と組み立てる力を持つ堀川隼、右MFの加藤佑基らが力を発揮するも、準々決勝で神村学園の前に0-3の敗戦を喫してしまった。ただ、プレミアWEST後期に向けてコンディションを整えれば、十分に結果を残せるチームだという印象も受けた。
■青森山田(青森/24大会連続27回目)
インターハイ成績:ベスト8
攻撃力:★★★☆☆
守備力:★★★★☆
勝負強さ:★★★☆☆
守備に関しては相変わらず安定感があり堅かったが、3回戦の矢板中央戦、準々決勝の帝京長岡戦と攻撃面での連係が噛み合わなかった。矢板中央戦は相手の強度の高い守備に手を焼きゴールをこじ開けられず、辛くもPK戦で勝利。帝京長岡戦では先制したが、後半は相手の流動的な攻撃に守勢にまわるとシュート0本に終わり、1-1のPK戦の末に敗れた。だが、この悔しさを力に変えられるのが青森山田。ここからの成長が楽しみだ。
【Bランク】
■尚志(福島/14大会連続16回目)
インターハイ成績:ベスト16
攻撃力:★★☆☆☆
守備力:★★★☆☆
勝負強さ:★★★☆☆
地元開催の大会で初戦こそ勝利をするが、続く3回戦で市立船橋に0-1で敗れた。攻撃力に課題を抱えた状態で今大会に臨んだが、それを解消できなかった印象だった。西丸由都、大内完介と中盤で技術のある選手がいるだけに、この大会の反省を生かしてプレミアEAST後期につなげていく。
■市立船橋(千葉/3大会連続31回目)
インターハイ成績:ベスト8
攻撃力:★★☆☆☆
守備力:★★★★☆
勝負強さ:★★★☆☆
ベスト8まで進出したが、尚志同様に攻撃面での課題がこの大会にも大きく出てしまった。プレミアEASTでも思うように得点力が上がらず、今大会はエースの久保原心優をスタメンから外す大胆策も。初戦ではその久保原が後半頭からの登場から2得点し4ゴールで快勝も、尚志戦で1ゴール、準々決勝の米子北戦ではノーゴールに終わった。ただ、センターバックの岡部タリクカナイ颯斗など予選から成長している存在もおり、ここからの立て直しに期待が集まる。(FOOTBALL ZONE編集部)
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