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プレミア戦士なのに「公園で練習」…ベンチ外で残酷な洗礼、愕然とした現実「日本人で僕だけ」【インタビュー】

FOOTBALL ZONE / 2024年8月16日 20時20分

■李忠成が振り返るイングランドの洗礼「公園に荷物だけが…」

 プレミアリーグ2024-25が開幕を迎える。元日本代表FW李忠成氏は、かつてサウサンプトンに在籍していたキャリアを持つが、イングランドで待ち受けていたのは残酷なサッカー生活だった。「FOOTBALL ZONE」の単独インタビューでは「3、4人で公園で練習させられる状況に愕然とした」と振り返りつつ、「そうか、これがこの国の文化なんだと思い知った」と、日本では味わうことのないプレミアリーグの厳しい現実を明かしている。

 日本国内でプレミアリーグ全試合を独占配信する動画配信サービス「U-NEXT」が「U-NEXT presents プレミアリーグKickoff Party」を都内で開催。ゲストとしてトークセッションに参加した李忠成氏は、冒頭の挨拶で「僕は今までのプレミアリーグの日本人選手の中で一番苦労した選手だと自負できます。メンバー外の時もあったし、1軍、2軍にも入らず、公園で3、4人で練習してる時もありました」と、過酷なイングランド時代を明かし、他のゲストを驚かせていた。

 イベント終了後に「FOOTBALL ZONE」の単独インタビューに応じた李忠成氏に、サウサンプトン時代に受けた洗礼について詳細を尋ねると、「日本ではあまり考えられないが、契約が残っているのに、Aチームどころかユースチームにも帯同できなかった。3、4人で公園で練習させられる状況に愕然とした。それはつまり、選手からやめさせる手段だった」と、過酷なイングランドでのサッカー生活を振り返った。

 2012年1月に当時2部のサウサンプトンへと移籍した李忠成氏は、翌月に記録した初ゴールとなる豪快ミドル弾がクラブ年間最優秀ゴールに選ばれた一方、シーズン途中に負った右足靱帯損傷で長期離脱を余儀なくされることに。加入初年度でプレミア昇格を果たしたものの、李忠成氏を獲得したナイジェル・アトキンス監督の退任により、チーム内での立場が厳しいものになった。

「資金が潤沢なので、プレミアクラブは選手にお金を出せる。僕は4年半契約で加入したが、残り2年残ってても、お金を払いながらほかの選手を引っ張ってこれる。常に活躍しなきゃ試合に出られないリーグであると改めて実感した。僕は負傷で1年のブランクを抱えている間に、当時オズワルドやJ・ロドリゲスが加入してきて、完全にベンチ外となってしまった。選手から出ていかないのであれば、残りの契約期間は公園でサッカーしなさいということ」


古巣クラブに愛情を示した李忠成氏【写真:城福達也】

■「これがこの国の文化なんだ」まさかの状況に困惑

 クラブが所有するグラウンドすら使用させてもらえず、「ここに行け、と言われて向かったら、公園に荷物だけが置いてあった。これ一体どういうことだ? と代理人に電話したが、彼も何も知らず驚いていた」と困惑したが、「残りの2、3人はそういった文化を把握していたから、淡々と練習をしていた。そうか、これがこの国の文化なんだと思い知った」と当時を振り返り、「そんな経験したの、日本人で僕だけしかいないでしょう」と苦笑いを浮かべた。

 それでも日本人ならではの不遇に関しては「日本人だろうがなんだろうが関係なかった。英語が使える使えないもそこまでじゃない。サッカーで結果を出せるかどうか、それだけ。活躍すれば、たとえ何人でも『My son』になる。それがイングランド」と、フェアな実力社会であったと語った。サウサンプトンの在籍期間では苦難の時間の方が長かった。それでも今季注目のプレミアクラブの質問では「我らがサウサンプトンですよ。そりゃそうでしょう!」と、李忠成氏は晴れやかな表情で古巣への愛情を示していた。(城福達也 / Tatsuya Jofuku)

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