鹿島×浦和は「サッカーの醍醐味を表現できている」 激しさは「当たり前」と主力が語る理由
FOOTBALL ZONE / 2024年8月18日 8時30分
■鹿島対浦和は0-0ドロー決着
鹿島アントラーズと浦和レッズは8月17日に行われたJ1リーグ第27節で対戦し、0-0で引き分けた。両チームともに得点チャンスがあったものの守備陣が身体を張り、ピッチ上の至るところで激しい競り合いも多かった。ともに下部組織出身の鹿島FW鈴木優磨と浦和MF関根貴大は意地やプライドのぶつかり合うカードだと話した。
試合は前半は浦和、後半は鹿島にチャンスの多い試合展開だった。浦和はMF渡邊凌磨にGKと1対1の決定機が2回あったものの、いずれもゴールとはならず。一方の鹿島は後半に鈴木がGKとの1対1をセーブされ、試合終盤のチャンスではシュートが上手く当たらなかった。どちらが勝ってもおかしくないようなゲームは、結果的にスコアレスドローとなった。
それ以上に、このゲームはボール際のプレーや多少の手を使って相手を押さえ込むプレーに寛容な御厨貴文レフェリーのコントロールもあり、激しい当たりの場面が多くなった。一方で、それらも含めて互いに熱のこもった好ゲームだったのも事実だろう。
鈴木は前回対戦で埼玉スタジアムでのアウェー戦で2ゴールしたものの、2-2で引き分けた試合後に「個人的には、浦和戦というのは普通の試合と自分に言い聞かせるけど、すごく特別なゲームだと思っている。このスタジアムで点を取るのは、どこのスタジアムで点を取るよりも嬉しい。浦和へのリスペクトもあるし、勝ち切れなかったのが悔しい」と話していた。
この日もJリーグ屈指の激しい局面が多い試合だったが、鈴木は「このくらいは当たり前だと思うし、お互いが意地と意地を懸けた戦い。それはいいと思う。非常に熱く、0-0だけど見てくれた人には楽しんでもらえたと思う。浦和も堅いので基本的にそういう試合になる」と話した。
一方、GK西川周作の出場停止によりキャプテンマークを巻いた関根は、鹿島戦について「本当にいいチームで、デュエルでもどちらに転ぶかおかしくないところがあるなかで五分五分の戦い。どちらにもチャンスがあった」として、「やっていてもプライド同士の戦いだと改めて感じる。悔しい気持ちを前提に、やっていて楽しい。戦っているという意味で、1つ1つの球際にそれぞれが気持ちを表しながらやっている。サッカーの醍醐味を表現できていると思う」と話した。
過去にはヤマザキナビスコ杯(現ルヴァンカップ)の決勝戦や天皇杯の準決勝、あるいは2ステージ制時代のリーグチャンピオンシップなどタイトルを争うゲームを何度も戦ってきた。ここ3年間、6試合連続の引き分けとなったこのカードだが、その中身にはJリーグが積み上げてきた伝統が詰まった濃さがある。(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)
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