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“今の浦和”には「何かが足りない」 正監督不在、ダメ押し弾取り消し→劇的被弾で露呈した不安材料

FOOTBALL ZONE / 2024年9月1日 15時20分

■町田戦は池田暫定監督の体制で2-2ドロー

 浦和レッズは8月31日に行われたJ1リーグ第29節でFC町田ゼルビアと対戦し、2-2で引き分けた。池田伸康暫定監督の体制で臨んだイレギュラーなゲームだったが、後半の立ち上がりや終了間際の失点、リードしたまま試合を締めくくれない点では悪い部分が繰り返された。

 浦和には激動の1週間だった。8月24日の第28節川崎フロンターレ戦は前半45分間で内容も良く1-0でリードしたハーフタイムに、悪天候により中止の判断が下された。そして週明けに浦和はペア・マティアス・ヘグモ監督の契約解除を発表し、昨季1年間を率いて退任していたマチェイ・スコルジャ氏の復帰を発表。ビザ発給や来日までの間、池田コーチが暫定監督を務めると発表されていた。

 そうしたなかで迎えたゲームは前半にセットプレーからMF関根貴大が先制点を奪ったが、後半の立ち上がりに同点に追い付かれてしまう。途中出場のFWチアゴ・サンタナが後半42分に勝ち越しゴールを決めたが、後半アディショナルタイムのほぼラストプレーで同点ゴールを奪われて引き分けた。試合を通じて浦和にゴールシーン以外のチャンスはほとんどなく、町田には6回、7回と決定機を作られる苦しいゲームだったが、スコアの経過を見た時に勝利に近づきながら手放した大きな理由は、いずれもデリケートな時間帯に失点を喫したことだろう。

 後半の立ち上がり4分、自陣で浮き球を処理したDFマリウス・ホイブラーテンにミスが発生し、そこからの流れでサイドを突破されFWオ・セフンにヘディングで叩かれた。後半から町田がシステムと守備の役割を代え、前半に有効な前進はできないながらも後方で持てていたボールへの余裕が失われて押し込まれ始めたタイミングだった。

 池田暫定監督は「(町田が)フォーメーションを変えてきたことに予測がつかなかった。そこに対応するのとうちがどうするのか、それを伝えることなど、可変するのに時間が掛かった」と話したが、そこで落ち着くまでを無失点で乗り切れるかは大きかった。

■今季の浦和は勝負どころで失点

 また、後半アディショナルタイムは途中出場のFW松尾佑介が相手の背後に抜け出して一気にドリブルで前進した。相手GKとの1対1をドリブルでかわしてゴールに流し込んだが、松尾がドリブルで抜け出して前進している間に、並走していたFW二田理央がカバーに戻ろうと全力疾走していたMF下田北斗のことを引き倒してしまい、もったいないファウルでゴールは認められず。逆に、ほぼラストプレーのタイミングでマイボールのスローインを不用意に相手ボールへとしてしまうと、ロングボールに競り負け、セカンドボールへの予測も遅れ、最後はFWエリキに押し込まれて勝利を逃した。

 前半途中で中止の川崎戦を除くリーグ27試合で37失点の浦和だが、なかでも前半ラスト15分で8失点、後半1分から15分までに10失点、後半31分以降に10失点の記録が残る。特に後半アディショナルタイムだけでも5失点と勝負どころでの失点が目立つ。町田との前回対戦も後半アディショナルタイムの失点で敗れた。最後のところで勝ち点を落とすゲームは複数あったが、7月6日の第22節湘南ベルマーレ戦で1点リードの後半45分以降に立て続けの2失点で逆転負けを喫したのが最たる例になってしまうだろう。

 交代で退いたベンチ脇で最後の失点を目の当たりにし、膝から崩れ落ちていた関根は「この一歩がちょっと何かが足りないからこういう結果になるわけで、それを1人1人が本当に責任感を持ってどう表現していくか、どう体現していくかっていうのがすごくこれから大事だと思っていて、監督も戦術も変わっていくと思うけど、サッカーの原点というか、戦うところ、走るところ、最後、意地でもゴールを守るところ。今日で言えば、そこが積み上げていけない限り、その一歩は一生届かないのかな、強いチームになっていかないのかなと感じた」と話す。

 さらに、「本当に細かいところ。ゴール取り消しにしても、そこでそういうプレーが必要だったのか。個人を攻めているつもりはないけど、最後のところを競り負けて、サイドをえぐられて戻れなかったところ。それは1人1人が自分に矢印を向けて、人のせいにしないで考えない限り、具体的に対策ができない。チームとして本当に強い集団になっていくにはそこにこだわり続けないと」と話していた。

 試合を俯瞰的に捉えれば勝ち点1を前向きに捉えるべき内容だったのも事実だが、そんななかでも後半42分に勝ち越しゴールを決めたところから勝ち点3を取り切れなかった。このような部分が今季の悪循環につながっている一因と言えるだろうし、イレギュラーな環境で臨んだこの1試合でも表れてしまった。(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)

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