Jスカウト注目の“大迫2世” 鹿児島強豪の門叩き…“9番”手渡され「別格にならないと」
FOOTBALL ZONE / 2024年9月7日 8時10分
■OB大迫勇也に憧れ、鹿児島城西高2年生FW大石脩斗に注がれる熱い視線
強豪・鹿児島城西高校に期待のストライカーが現れた。2年生FW大石脩斗。185cmのサイズを持つ大石は、高い身体操作能力を駆使したポストプレーを得意とし、前線で起点を作り出す一方で、抜群のスプリントとドリブルセンスを併せ持ち、個で打開をしてゴールをこじ開ける力も持つ。
ここまで触れるとある選手を想像する人もいるだろう。鹿児島城西の大型ストライカーといえば、大迫勇也(ヴィッセル神戸)というレジェンドの存在がいる。
大迫は180cmを超えるサイズとフィジカルの強さを生かしたポストプレーは当時からスバ抜けていて、複数人を背負っている状態でもボールをしっかりと収め、周りの選手が前向きにプレーできる土壌を作る。一方で、これもずば抜けたシュートセンスで多彩なアプローチでゴールを射抜いていくストライカーだった。
タイプ的に似ている大石にとって、大迫は当然のように強い憧れを抱く存在である。
「もう高校時代の大迫選手は別格すぎて誰もボールを奪うこともできないし、シュートも止められない。もう強烈な憧れの気持ちを持っていました」
中学時代はサイドをやっていたが、3年生の途中でFWにコンバートされるとすぐにゴールという結果を残したことで主戦場へ。大迫への憧れはより強くなった。高校進学時に県外の強豪校からも声がかかったが、彼は迷わず鹿児島城西の門を叩いた。
「FWとして成長するなら、大迫選手のように城西に来たら絶対に上手くなれると思いましたし、実際に練習参加をしてみて、チームの雰囲気はとても良かったし、新田祐輔監督もかなり熱い人なんで、ここだったらサッカーはもちろん、人間性の面でも成長できると思いました」
1年時から出番を掴んだ大石は、新田監督からまだ磨かれていなかったポストプレーを徹底して叩き込まれた。鹿児島城西出身で今季から藤枝MYFCで活躍するMF芹生海翔など、中盤に能力の高い3年生が揃っていたことで、パスを受ける技術も磨かれた。
「高校に入ってFWとしてやれることがどんどん広がっていきました。特にポストプレーは大迫選手を参考にしていて、どんなボールでも収めてしまうようなプレーを常にイメージに持ってやっています」
ゴールに向かうスプリント、ゴール前でのシュートセンスを伸ばしながらも、ポストプレーも驚異的なスピードでモノにして武器となっていった。2年生になるとライナーのボールを胸で収めてキープしたり、中盤まで落ちて相手を背負いながら鋭いターンで前を向いてドリブルをしたり、パスを出したりと確実にプレーの幅が広がった。
■別格の存在だった先輩の姿に重ね合わせ、高卒プロを視野に
昨年、U-16日本代表に選出されると、今年もU-17日本高校選抜、U-17日本代表に選出。さらに悲願の昇格を果たしたプレミアリーグWESTで経験を積んだ大石への注目度は日に日に高くなっていき、2年生ながらすでに複数のJクラブが具体的なアクションを起こすなど、ホットな存在となっている。
「僕は前で起点になるのが誰よりもできると思うので、そこをいろんな人に見てもらいたい。なんなら来たボールはすべて自分が収めるくらいの選手になって、かつ収めたあとに自分もゴール前までどんどん飛び込んでいける選手になりたいと思っています」
向上心を抱けば抱くほど、大迫への憧れがより大きくなっていく。
「もう好きすぎて毎日必ず大迫選手の動画を見ています。特に高校時代の別格中の別格のプレー集はもう見まくっています。やっぱりああいうふうにならないと高卒プロになってもJリーグで1年目から試合に出て、結果を残し続けることはできないと思うので、僕も高校年代では別格にならないといけないと思っています」
強烈に憧れを抱く明確な存在がいること自体が、彼にとって大きなプラスとなっているのは間違いない。自分を奮い立たせてくれる大迫が高校時代に背負った9番を引き継いだ彼の中には常に明確な基準があり、これからも成長の手応えを得たとしても満足することは一切ないだろう。(FOOTBALL ZONE編集部)
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