なぜ堂安は中東アウェーで活躍できなかったのか? 森保監督の采配に感じた“意図”【前園真聖コラム】
FOOTBALL ZONE / 2024年9月14日 7時40分
■堂安律と南野拓実を同時起用した際の修正点が判明
第2次森保ジャパンで、森保一監督は第1戦と第2戦で大胆なターンオーバーを使い、選手層を広げてきた。だが、9月シリーズの中国戦とバーレーン戦ではターンオーバーを行わず、スタメン変更は中国戦でゴールを挙げた久保建英を鎌田大地に代えたのみ。果たして、森保監督はどんな狙いを持ってこの先発メンバーの変更を行ったのだろうか。元日本代表MF前園真聖氏はバーレーン戦の監督の狙いをこう分析した。(取材・構成=森雅史)
◇ ◇ ◇
僕は、圧勝で終わった中国戦とバーレーン戦で森保監督が「選手の組み合わせを見る」という目的を持っていて、実際に確認できたのではないかと思っています。それが一番分かったのは、久保建英の使い方でした。
中国戦の時は右のウイングバックに堂安律、右のインサイドハーフに久保を配置しました。この2人のコンビネーションは出来上がっていて、何度もポジションチェンジしながらリズムを作っていました。
ところがバーレーン戦で先発した堂安は、中国戦ほど活躍できませんでした。これには理由があります。
バーレーン戦のインサイドハーフは鎌田大地と南野拓実です。そのうち南野は中央でプレーすることが得意なため、あまり外に開きません。これが久保との違いで、久保は右のアウトサイドとしてのプレーも得意なため、堂安と役割を交換しながら相手を翻弄できました。ですが堂安と南野の組み合わせではなかなかポジションチェンジが生まれず、その分、相手がマークしやすかったと思います。
ただ、大切なのはこうやっていろいろな組み合わせを試してみることでどんな問題点が生じるのかを確認しておくことです。今後もし堂安と南野という組み合わせで起用することになった時、どういう修正をしなければならないかは分かりました。
同じようにバーレーン戦では鎌田と三笘薫という組み合わせも試し、こちらは非常に効果的だというのも分かりました。また、鎌田をボランチの位置に下げてプレーさせることで、どういうことができるのかというのも分かったと思います。そうやって鎌田を試したかったからバーレーン戦での久保の出番が少なかったのでしょう。
元日本代表MF前園真聖氏【画像:FOOTBALL ZONE編集部】
■上田綺世は1トップとして周囲を上手く活用
そして選手個人の面に目を向けても、いろいろなことが分かりました。
上田綺世は1トップとして周りを非常に上手く使っていたと思います。それでも中国戦ではゴールがなかったので、バーレーン戦で2ゴールを挙げたのは本人としても良かったでしょうし、ストライカーが決めるとチームも調子の波に乗れます。ますます期待できると思います。
鎌田はクレバーなプレーを見せてくれました。動き出し、ボールを受けに行く動き、ポケットを獲りに行く動作など、随所にセンスの良さを感じさせてくれました。何より周りがよく見えています。
南野は中国戦で2点を奪っていたのでバーレーン戦でも先発させたのだと思います。ただ組み合わせの問題でバーレーン戦では目覚ましい動きを見せることができませんでした。ですが、その点に関しては、三笘とのコンビネーションは上手くいっていましたので、外に開いてくれる選手と組めば機能するというのが明確に分かったことが良かったと思います。
守田英正がバーレーン戦では2ゴールを挙げて脚光を浴びましたが、それは遠藤航がいて、安心して前に出られたからだと思います。これが守田と田中碧とのコンビなら、むしろ守田のほうがより守備を意識したのではないでしょうか。そういう意味では守田の活躍を讃えつつも中盤を底支えした遠藤のことを忘れてはならないでしょう。遠藤のバランスの取り方は絶妙でした。
そして伊東純也。本人にとっても日本代表にとっても復帰は大きなものでした。3バックのウイングバックとして、攻撃で貢献するのはもちろん、守備でも献身的な働きを見せてくれました。三笘に加えて伊東の存在があることで、両方のスピードがより生きてきます。チームにとって大きな武器がこの最終予選に間に合ったことが本当に良かったと思います。(前園真聖 / Maezono Masakiyo)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
日本vsバーレーン 試合記録
ゲキサカ / 2024年9月12日 0時16分
-
上田2G1A&守田2Gの森保J、酷暑バーレーンで5発圧勝!! 他の強豪苦しむW杯最終予選で12得点0失点連勝スタート
ゲキサカ / 2024年9月11日 9時31分
-
森保ジャパン、先発変更1人のみ…久保建英→鎌田大地へ 三笘薫は2戦連続の先発…バーレーン戦
スポーツ報知 / 2024年9月10日 23時34分
-
ターンオーバーは敷かない可能性も? 森保ジャパン、バーレーン戦スタメン入れ替えの可能性を検証【コラム】
FOOTBALL ZONE / 2024年9月9日 7時20分
-
高齢化回避へ「融合」は不可欠 森保JはW杯アジア最終予選をこの23人で戦え【前園真聖コラム】
FOOTBALL ZONE / 2024年8月26日 6時30分
ランキング
-
1大谷翔平、47号で歴史的快挙が目前に。“過去34年でわずか1例”の「レアな記録」の可能性も
日刊SPA! / 2024年9月13日 15時47分
-
2オリックス・中嶋監督 負傷者続出に「きょうはもう…」頭部強打の若月と広岡は今日中に病院受診
スポニチアネックス / 2024年9月13日 22時22分
-
3【バドミントン】協会エントリーミスで謝罪も「体質」と厳しい声 五十嵐有紗&桜本絢子出場できず
東スポWEB / 2024年9月13日 18時22分
-
4圧勝した日本代表に感じる“一抹の不安”。“弱点”を突かれた場合の危うさは変わらず
日刊SPA! / 2024年9月13日 15時50分
-
5川瀬兄弟対決 ソフトバンク・晃「夢のような時間」 オリックス・堅斗「真剣勝負なので」
スポニチアネックス / 2024年9月13日 23時26分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください