失敗して勝つ…サッカー新競技「Miss-Win」構想とは?「企業研修でも導入をお願いされている」【インタビュー】
FOOTBALL ZONE / 2024年9月18日 6時40分
■ドリブルデザイナー岡部将和氏が明かす新たな競技創設の構想…テーマは「失敗」
岡部将和氏は“ドリブルデザイナー”として、日本代表選手をはじめ、数々の世界トッププレーヤーに自らが提唱するドリブル理論を伝えている。また、子供たちへの指導にも尽力しており、これまでも国内外で子供に向けたサッカー教室や講演を行ってきた。そんな岡部氏は近い将来、「Miss-Win」という新たな競技の創設を予定しているという。果たして、「Miss-Win」とはどういった競技で、子どもたちにどのような好影響をもたらすのか? 岡部氏は“失敗”をテーマに掲げている。(取材・文=城福達也)
◇ ◇ ◇
岡部氏は直近の活動として今年9月23日に、株式会社海帆とともに「Kaihan CUP 2024-Memorial Alfredo Casas-」をスペインで開催する。日本全国の小学生を対象に、U-8とU-10の代表選手をセレクションで11人を選出し、日本代表としてレアル・マドリードやFCバルセロナ、アトレティコ・マドリードなどに所属する同世代のユース選手も参戦する大会となる。セレクションまでの移動費や滞在費、また大会参加の移動費と滞在費まで全額を運営側が負担といった前例にないサポート体制となっている。
子供の夢を応援する『ドリーム・デザイン・プロジェクト』に取り組んでいる岡部氏は、「Kaihan CUP 2024-Memorial Alfredo Casas-」を皮切りに、さらなる構想も明かした。「今後の展望として、『Miss-Win』という競技を考えている。Missは失敗の意味を指しますが、失敗するような挑戦を積み重ねれば、最終的には人生でWin(勝利)できるというメッセージを込めている」と、“失敗”する挑戦者の背中を押す競技の青写真を語っている。
「スポーツはどうしても目先の結果でキャリアが変わってしまうことが実際にあるので、勝利がすべてとなっていき、いつの間にかサッカーという存在が、楽しかったものから、勝たなければ意味がないものになってしまう。対戦相手にも敵意の眼差しを向けるようになる。でも、もっと大きな視点で見れば、対戦相手がいることで初めてサッカーが成立する。そのありがたみや、失敗するような挑戦をすることってかっこいいよね、といったことを子供たちに伝えていきたい。それを『Miss-Win』という競技で体現したい」
ドリブルデザイナーとして国内外で子供に向けたサッカー教室や講演を行っている岡部将和氏【写真:FOOTBALL ZONE編集部】
■運の要素も導入…革新的で斬新な競技「諦めなければ巻き返せるチャンスが生まれる」
競技内容は、1対1からスタートし、時間が経過すると2対2に人数を増やす。最終的には3対3になり、3対3の場合は1ゴールが2得点換算する、といったもの。失敗を挽回できるチャンスを存分に与えることで、子供の挑戦を促す。さらには運の要素として、サイコロを振って1点入った際に得点が倍になる、PKの権利がもらえる、などのルールも設定する見込みだという。これまでになかった革新的で斬新な競技となる。
「諦めなければ巻き返せるチャンスが生まれる。1対1は、ミスをすれば、その選手が全責任を負うことになる一方で、団体戦になるとお互いへの責任転嫁が発生する。力を合わせて協力する立ち振る舞いができなければ、結果的に上手くいかないことを知ってもらう。そのうえで、実力ではないところで勝敗が左右される展開も盛り込んでいきたいと考えている。バスケやバレーボールやハンドボールなどでも導入できると思っていて、それをスーパースター選手と一緒にやっていくことで普及させていきたい」
岡部氏は「Miss-Win」の構想を、とある会社に話した際、「企業研修でも『Miss-Win』の導入をお願いされている。確かに、社会の縮図のような競技ではあるんですよね」と、スポーツの枠を超えて企業研修の施策として導入の検討があることを明かした。
スポーツでも社会でも、理不尽な出来事は存在する。それをサイコロというゲーム性で表現することで「いくら戦略を練っても、抗えない運の要素はあって、それさえも楽しめるようなマインドを養ってほしい」と、1人の人間としての成長促進を目指す。これから具体的にいつ「Miss-Win」を始動するのか、岡部氏の今後の動向に注目していきたい。
[プロフィール]
岡部将和(おかべ・まさかず)/1983年8月1日生まれ、神奈川県出身。PREDATOR URAYASU FC SEGUNDO―バルドラール浦安―Laguna Playas de Salou(スペイン)―湘南ベルマーレ。2015年からドリブルデザイナーとしての活動を開始し、多くのプロ選手や子供たちにドリブルの指導を行う。YouTubeなどのSNSを通じて配信した動画の総再生回数は2億回を超える。(城福達也 / Tatsuya Jofuku)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
U-17日本代表初招集組が積極的にトライ。右SB千田遼(岡山U-18)は得意のクロスで初アシスト
ゲキサカ / 2024年9月13日 15時9分
-
「国際ユースサッカーin新潟」初戦で初代表組8人先発!U-17日本代表がFW前田、MF長、MF田中のゴールでペルーに3-0で快勝!
ゲキサカ / 2024年9月13日 10時59分
-
居酒屋のチンチロ、実は「客も店も得」な数学的理由 現役東大生が「確率」を実際に計算してみた
東洋経済オンライン / 2024年9月12日 10時0分
-
小学生が「ブラインドサッカー」に挑戦 音や声を頼りにゴールを狙う 山田弥毅選手が講師に 《新潟》
TeNYテレビ新潟 / 2024年9月6日 19時17分
-
【現地観戦】「中国代表は警察に通報すべき」「10元で7ゴール見られてお得」日本に大敗した中国ファンの本音は...
ニューズウィーク日本版 / 2024年9月6日 14時20分
ランキング
-
1横浜FM衝撃の大敗…アジア大会初出場の韓国クラブに痛恨7失点 前回準Vクラブがまさか
スポーツ報知 / 2024年9月17日 21時4分
-
2【レッドソックス】上沢直之 米1年目で不本意な帰国「久しぶりにこんなにもがいた」「実力不足だった」
東スポWEB / 2024年9月17日 17時32分
-
3大谷翔平が明かす“アンチ対処法” 怪我でリハビリも…貼られたレッテルから学び
Full-Count / 2024年9月17日 20時28分
-
4【勝負は10月25日】大谷翔平、悲願のワールドシリーズ初日に水原一平被告の判決 量刑は大谷の意見陳述書次第、厳罰を望むか温情をかけるか
NEWSポストセブン / 2024年9月17日 16時15分
-
5ACLE初陣で衝撃の7失点大敗…横浜FMエウベル「自分の2得点は全く意味がなかった」
ゲキサカ / 2024年9月17日 21時31分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください