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突然の就任要請に驚き「非常に悩みました」 経験なき新監督…鹿島OBで周囲を固めたワケ

FOOTBALL ZONE / 2024年10月10日 7時40分

■悩んだ中後雅喜新監督「やはり『やらなければいけない』と思いました」

 J1鹿島アントラーズは10月9日、中後雅喜コーチが監督に就任することを発表した。また、クラブOBの羽田憲司氏、本山雅志アカデミースカウトがトップチームコーチ、プログループマネージャーの中田浩二氏がフットボールダイレクターに就くことも合わせて発表されている。

 鹿島は第26節の磐田戦(1-2)から第32節の湘南戦(2-3)までの6試合未勝利(3分3敗)となった。10月5日のJ1第33節の新潟戦には4-0で勝利したが、その翌日にランコ・ポポヴィッチ監督との契約を解除。優勝は厳しくなったものの、リーグ4位という好成績を残しているクラブが大勝した直後だっただけに、驚きを持って受け止められた。

 監督就任の経緯について、中後監督は「(話があったのはポポヴィッチ監督の)解任が発表された後ですね。解任が決まってからという形です」と言い、監督へ昇格するオファーを受けた時の気持ちについては「やはり今シーズン一緒に戦ってきたところもありますし、非常に悩みました。けれども、やはり『やらなければいけない』と思いましたし、このクラブを良くするためにという形で、今回就任させていただきました」と、夏以降に苦しい戦いの続いたチームの立て直しに向けて意欲を見せた。

 今回、新監督の周囲を多くのクラブOBで固めることになったが、「そういう(優勝の)経験をした方が多くいるチームでありますし、全員が一体感を持たなければいけない。一人ひとりが役割だったりとか、責任をもって、特にやるべきこと、当たり前のことを必ず遂行できるような、そういう力強さであったりとか、メンタルの強さであったりがないといけない。そういうところを大事にやっていきたいなと思っています」と、彼らが現役時代を過ごした当時の鹿島の強さを取り戻すためのポイントを語った。

 現役引退後、東京ヴェルディのアカデミーコーチとして指導者のキャリアをスタートさせ、ジュニアユースコーチ、ユースコーチ、ユース監督も経験。そして、今季からコーチとして16年ぶりに鹿島へ戻っている。ユース年代の監督を務めた経験はあるが、トップチームを率いた経験がないことは不安材料にも映る。

 しかし、「そういう経験は、当然ないのですが、コーチングスタッフのなかには経験値のある方もいます。あとは、同じフットボールなので。そこは勝利のために何をしなければいけないというのは、共通するものでもある。そういうところは変わらないですし、勝利のところでよりプロの世界でやるとそこにこだわりを持たないといけない。そういうところは、本当に勝負に徹するところは必要になると強く感じています」と、不安はないという見通しを語った。

 シーズン終盤の監督交代という状況になった鹿島だが、まだリーグ優勝の可能性が消滅したわけではない。中後監督は「タイトルの可能性は残っています。まずはそこを目指す。このクラブで仕事をするうえで、そこはなくてはならないところ。そのために1試合1試合、どう勝っていくのか。本当に当たり前のところ。チームのために何ができるのか。一本走れるのかどうか。体を張れるのかどうか。その辺の強いこだわりをやっぱりもっともっと植えつけなければいけない」と、言葉に熱を込めた。

「当然、攻撃のところで力を発揮する選手、守備の面で力を発揮する選手、いろいろいます。そういう選手が一体となれるような形で、守備のところも全員でやりますし、攻撃のところも全員でやります。やっぱり統一感をもって、整理して向かっていくことが、勝つ近道だと思っているので、そういうところを今後トレーニングを通して、落とし込んでいければと思います」

 これまでに最も印象に残る監督として挙げたのは、史上初となる3連覇などを達成し、鹿島の黄金期を築いたブラジルの名指揮官の名前。「オズワルド・オリヴェイラ監督(に影響を受けた)。言葉でのメンタル的なところ、モチベーション的なところ(への働きかけで)非常にプロの力のある選手をどう動かすかはすごく勉強になりました。今もあの情熱は、覚えています」と明かした。

 ただ、現役時代から冷静で落ち着いていた中後監督は「僕はそんなに情熱的に表に出るタイプではないと言われるんですけど、しっかりと伝えることを意識しながら、しっかりと分析して、しっかり落とし込みをして、準備段階をしっかりして、選手たちが躍動できるように自分のスタイルを築いていけたらいいなと思っています」と、憧れの指揮官の言葉を心にとめつつも、自分自身のスタイルを築いていくと語った。

 代表マッチデーを挟み、中断を迎えているJ1。すでにチームの指導を始めた中後監督は、残り6試合でどのような戦いを見せるだろうか。(河合 拓 / Taku Kawai)

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