日本サッカー発展の「投資」に応える完封勝利 宮本恒靖会長がご満悦「もう完璧」
FOOTBALL ZONE / 2024年10月12日 7時30分
■サウジアラビア戦出宮本会長が感じた変化「守備の強さが出てきた」
点差以上に“力の差”を感じさせた。現地時間10月10日に敵地サウジアラビア・ジッダで行われた北中米W杯アジア最終予選第3節。2-0で最終予選3連勝を飾った試合後、報道陣に対応した日本サッカー協会(JFA)の宮本恒靖会長は「最後ヘディングで危ないシーンはありましたけど、それ以外はもう完璧」と絶賛するほどの試合内容だった。
前半14分にクロスをMF三笘薫がダイレクトで折り返した。MF守田英正が頭でつないだボールにMF鎌田大地が詰めて押し込み、欲しかった先制点を奪い取った。後半36分にはコーナーキック(CK)から途中出場のFW小川航基がヘディングでゴールを決めて2点目。スタンドを埋め尽くしたサウジアラビアサポーターの多くが、試合終了を待たずして帰路に就き、そのまま試合は終わった。
ゴールを決めたのは鎌田、小川の2人だが、それ以上に光ったのが、宮本会長も目を細めていた守備陣の鉄壁ぶりだった。3バックの板倉滉、谷口彰悟、町田浩樹、ボランチの守田と遠藤航を中心にサウジアラビアの攻撃をシャットアウトした。
宮本会長はこうディフェンス面の成長を口にした。
「選手たちが試合の重要性を理解したなかで、そのことを頭に入れて試合を進めてくれたことで、守備面は特に光った。ファーストディフェンスが縦パスが入らないような状況にさせて、3バックの連係であったり、ウイングバックの縦ズレ、3バックのサイドの横ズレと、その辺の良さが出たと思います。ファーストディフェンスがしっかりいく、漏れてもすぐにプレスバックするとか、そこら辺の徹底もあって、その厳しさ『1滴の水も漏らさない』ような、そんな集中力の高いものがあったと思う」
前半27分には相手の立て続けのシュートを選手たちが身体を投げ出してブロックするシーンもあった。MFサレム・アルダウサリの左足シュートを町田が、こぼれ球を狙ったMFムサブ・アルジュワイルのシュートには町田に加えて三笘、守田、遠藤が身を投げ出し、MFアイマン・ヤハヤのシュートにも町田、板倉、遠藤、そして板倉が飛び込んだ。同42分にはミドルシュートをGK鈴木彩艶が好セーブ。最後まで集中力を切らすことはなかった。
試合を通じて13本のシュートを打たれたものの、枠内に飛んだのは2本だけ。宮本会長も「最後の最後まで侵入されてない印象なので、守備の強さが出てきたかな、と。3枚、ないし5枚の中盤のところのブロックをなかなか突破させないというのがありますよね」と語る。W杯アジア最終予選で初めての3試合連続無失点は、その証だろう。
冷静さも失わなかった。敵地は6万人に迫る大観衆が集まり大きな声援を送った。前半28分にはMF南野拓実がイエローカードを受けた、その後、サウジ選手から挑発めいた行動も受けたが、これに煽られる様子もなし。宮本会長も「ちょっと挑発をしてくるようなところも冷静に、試合をしっかりと落ち着いて進めることもできたからこういった結果になっていると思う。多分、今までの雰囲気とは違う中で試合を進められたんじゃないかな」と精神面での変化も実感していた。
15日にはホームでのオーストラリア戦を控えるため、日本代表の面々はサウジアラビア戦を終えると、未明のうちにチャーター機で日本へと飛び立った。前回のバーレーン遠征に続き、JFAはチャーター機を手配して選手たちを後押しした。宮本会長は「できる限り移動の負担を軽減して試合に出場できる、パフォーマンスを発揮してもらえるように。そこはある意味、投資だと思っている。それは違うところで回収したらいい。後押しするために何をしなきゃいけないかっていうのをJFAないし、関係者の皆さんが考えているのが、いい方向にいっている」と頷く。
チームは1試合ごとに進化を遂げ、協会側も最大限のサポートを尽くす。2026年に向けて、森保ジャパンの視界は良好と言えそうだ。(FOOTBALL ZONE編集部)
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