森保Jで決定機5度逸も…「良いストライカー」 代表OB力説、生き残れる「一番重要」な条件
FOOTBALL ZONE / 2024年10月13日 18時30分
■元日本代表FW佐藤寿人氏が考える「良いFW」
元日本代表FW佐藤寿人氏が、スポーツチャンネルDAZNの「内田篤人のFOOTBALL TIME」にゲスト出演して、自身の考える良いFWの条件について語った。
現役時代の佐藤氏はサンフレッチェ広島を中心に活躍し、Jリーグ560試合で220得点を記録。日本代表としても国際Aマッチ31試合に出場して4ゴールを挙げている日本サッカー史に輝く名ストライカーの1人だ。
そんな佐藤氏は、森保ジャパンの10月シリーズで初の日本代表に選出されたイングランド2部ブラックバーンFW大橋祐紀に注目。「Jリーグで結果を残して、チャンピオンシップでもしっかり活躍をしていますし、そういったなかでの選出。ある程度(日本代表の)メンバーが固まっているなかで、この中に入っていったところも素晴らしいですよね」と、その選出の意義を語った。
チャンピオンシップで9試合4ゴールを挙げている大橋について「ゴール前が冷静なんですよね」「シュートうまいですよね」とプレー映像を見ながら印象を語った佐藤氏は、「3年前とか、ベルマーレでもそんなにレギュラーという感じではなかった。ベルマーレでも(試合に)出ているけど、チャンスを迎えているけれど、決めきれない。なんかもどかしい部分があって。でも、去年は開幕から取り続けて自信を得て、(今季移籍した)広島でも結果を残した」とコメント。ブラックバーンに移籍するまでのJリーグで得点ランク4位となる11得点を決めていたストライカーのキャリアを振り返った。
大橋のストライカーの特徴について「常にボールに対して一番良い身体の向きを作れる。視野の確保とか、ゴールシーンを見ても常にゴール方向に身体を向けているので、いつどの場所に入っていけばいいのかが整理されている印象があります」と語ると、元日本代表DF内田篤人氏が佐藤氏に「(FWが)急に点を取れるようになることってあるじゃないですか。昨シーズンまで取れなかったのに、今シーズン取れるようになるって。何かきっかけってあるんですか?」と質問した。
これに対して佐藤氏は「チャンスを迎えているっていうことが一番重要」と、自身の見解を語った。「チャンスを迎えることができないストライカーは、それまで。大橋選手のようにチャンスを迎えられるストライカーは、入るか入らないかは運があるし、シュートテクニックもある。シュートテクニックとか、技術は高めることができる。でも、チャンスを迎えられないストライカーはもうそれから上積みするのは相当難しい」と言い、現在の森保ジャパンでエースに昇華しようとしているストライカーの実例も挙げた。
「上田綺世がコパ・アメリカに大学生の時に出て、あれだけチャンスを迎えて、あれだけ外して、結構、批判的な声もあったのですが、僕からすると『あれだけチャンスを迎えられるストライカーは、もう良いストライカーだな』と」と、2019年のコパ・アメリカで5度の決定機をミスしてノーゴールで大会を去り、批判も集めていたFW上田綺世にストライカーとしての高いポテンシャルを感じていたことを明かした。
■「ちょっと厳しいなと…」ストライカーの衰えを感じ始めたサイン
そして大橋の話に戻り、「大橋選手はベルマーレでも出たらチャンスを迎えていた。あとは決めるか、決めないかなので、十分にストライカーとして高いレベルでやれる選手なんだろうなと思っていました」と、湘南で得点を挙げられていない時期から、期待を寄せていたと説明した。
内田氏が「じゃあ、『あとシュートだけなんだよな』ってよく言うじゃないですか。それは良いんですね、普通に」と確認すると、佐藤氏は「良いです。良いです。最終的には選手の判断。先ほどの大橋選手が(ゴールを決めた)シーンで、あの場面でチップキックでループ(シュート)を打つか、ゴロで打つかの判断で、あの場面まで行ける、あの場面にいる(ことが重要)」と力説した。
この言葉に「へー」と感心した内田氏は「この言葉に救われる選手、多いと思うけどな」と言うと、佐藤氏は「逆に、その場面に行けなかったり……自分もキャリアの終盤とか、その場面を迎えられなくなったりすると『ああ、自分はストライカーとして、ちょっと厳しいな』と感じ始めた」と、自身の衰えを感じ始めたサインとして捉えていたことを明かした。
ストライカーは決定機を逃すことで批判を浴びることが多い。だが、その決定機を迎えられることがストライカーとしての重要な素質であることを、佐藤氏は強く感じながら現役時代を過ごし、今も選手たちを見ているようだ。(FOOTBALL ZONE編集部)
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