豪州戦評価で明暗…森保Jで「怖さ物足りない」 OB指摘「もっとシュート見たい」、15選手を採点
FOOTBALL ZONE / 2024年10月16日 10時30分
■【専門家の目|金田喜稔】身体を張った守備で「状況判断も際立った」
森保一監督が率いる日本代表(FIFAランキング16位)は10月15日、ホームで行われた2026年北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の第4戦でオーストラリア(同25位)と対戦し、1-1で引き分けた。「天才ドリブラー」として1970年代から80年代にかけて活躍し、解説者として長年にわたって日本代表を追い続ける金田喜稔氏が、この試合に出場した日本代表の15選手を5段階(5つ星=★★★★★が最高、1つ星=★☆☆☆☆が最低)で採点した。
◇ ◇ ◇
<GK>
■鈴木彩艶(パルマ)=★★★☆☆
跳ね返されたキックの流れから谷口の不運なオウンゴールにつながり、対応は難しかった。それ以外でピンチらしいピンチはなかったが、本来持っているキック面の良さをもっと発揮したかったところ。
<DF>
■谷口彰悟(シント=トロイデン)=★★★☆☆
大きなミスはオウンゴールの場面のみ。結果的にキックミスとなったが、それ以外では総じて安定しており、その働きに一定の評価を与えたい。最終ラインを上手く統率し、的確に封じていた。
■板倉 滉(ボルシアMG)=★★★★☆
ややファウルは目立ったものの、身体を張った守備で相手の攻撃を食い止め、的確にピンチの芽を摘むなど、要所での状況判断も際立った。谷口との連係もスムーズで、最終ラインの中でパフォーマンスが最も高水準だった。
■町田浩樹(ロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズ)=★★★☆☆
より高い位置にポジションを取れれば、左足のキック精度がより生きたか。前線につける高精度パスは鳴りを潜め、サイドへの安全なパスが多く、ビルドアップはやや単調になった。決定的なパスを出せるだけに今後に期待。
■ビルドアップで「頭をフル回転」、ピッチに立てば「何かするという期待感」
<MF>
■守田英正(スポルティング)=★★★★☆
状況に合わせて下がったり、サイド寄りにずれるなど工夫し、ビルドアップに変化を加えようと頭をフル回転。相手のプレスを掻い潜り、後方でのビルドアップを安定させていた。洞察力や読みという部分は図抜けている。
■田中 碧(リーズ)=★★★☆☆
守田の動きに合わせて、中盤でのバランス取りに苦心。中盤にスペースがあまりなく、前線に上がる機会も限られ、本来の良さは十分に発揮できなかったが、後半はビルドアップや裏抜けなど意識的な工夫も見られた。
■三笘 薫(ブライトン)=★★★☆☆
縦への突破はさすがだし、カットインからのシュートも光った一方、クロス精度は改善点。後半はポジション変更もありボールロストも見られ、全体的に見れば物足りなさもある。中村との共存には期待感が膨らみ、今後のオプションとしてもあり。
■堂安 律(フライブルク)=★★★☆☆
→後半17分OUT
あれだけスペースを消されると、良さを発揮しづらい。カットインからのシュートやコンビネーションでの打開も難しい状況が続いた。縦に強引なドリブル突破というタイプではないだけに、この日はできることが限られた。
■伊東純也(スタッド・ランス)=★★★☆☆
←後半17分IN
縦のドリブル突破からチャンスを演出し、ピッチに立てば何かするという期待感が膨らんだ。得点には直接絡まなかったが、抜け切らなくても上げるクロスも光り、相手の守備ラインを押し下げる働きを見せた。
■久保建英(レアル・ソシエダ)=★★★☆☆
←後半25分OUT
南野に合わせたピンポイントクロスは、らしさ全開。要所でキレのあるプレーを披露し、仕掛けの積極性も光った。その一方で、相手の堅い守備網にかかってボールをロストし、カウンターにつながるような場面もあった。
■役割を「見事完遂」、攻撃を落ち着かせるプレー「さすがだった」
<MF>
■中村敬斗(スタッド・ランス)=★★★★☆
←後半25分IN
「状況を変える」という役割を与えられ、見事に完遂。あれだけドリブルで切り裂いてチャンスを創出したのは評価材料。結果的に相手のオウンゴールになったが、圧巻のドリブル突破から生まれた。プレーを見ていてワクワクするし面白い。
■南野拓実(ASモナコ)=★★★☆☆
→後半25分OUT
中央が密集していることもあって、どうしてもボールに触る機会が少なくなり、必然的に持ち味を発揮できる局面も限られた。ボールの受け手としても、タイミング良く効果的に縦パスを引き出せなかった。
■鎌田大地(クリスタル・パレス)=★★★☆☆
←後半25分IN
中央で絡む機会が少なく、決定的な仕事ができるという良さを出し切れなかった。とはいえ、焦りが生まれそうな時間帯でもキープしチームの攻撃を落ち着かせ、リズムを作っていたあたりはさすがだった。
<FW>
■上田綺世(フェイエノールト)=★★★☆☆
→後半38分OUT
キープして攻撃を組み立て、ファウルを誘うなど一定の貢献。ただストライカーとしての怖さという点はやや物足りない。迫力あるシュートが強みであり魅力。この日は難しい状況だったが、もっとシュートを見たい。
■小川航基(NEC)=※出場時間短く採点なし
←後半38分IN
ゴール前にタイミング良く飛び込む場面も見られたがビッグチャンスには至らず。好調なだけに、もう少し長くプレーする姿を見たかった。(金田喜稔 / Nobutoshi Kaneda)
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