森保Jの圧倒的な選手層 「結果を出したいという意識」が導く“ハイレベルな争い”【コラム】
FOOTBALL ZONE / 2024年10月16日 18時30分
■【カメラマンの目】試合前に見せた選手それぞれの表情
2026年ワールドカップ北中米大会の出場を目指す日本代表は、アジア最終予選で3連勝の好スタートを切り、第4節となるオーストラリア代表との一戦に臨んだ。
試合前、ピッチへと最初に姿を現したのは、フル代表に新たな息吹を吹き込む可能性を秘める、新鋭の藤田譲瑠チマだった。ベンチからのスタートとなる藤田だが、芝の感触を肌で確かめようと、スパイクを履かずにピッチのなかでボールを蹴っていく。これからの熱狂に向けて、静かに試合へと臨むルーティンをこなしていた。
そして、藤田のルーティンからわずかな間を置いたあと、スタンドから一段と高い歓声を受けて、サムライブルーの選手たちがウォーミングアップのためにピッチへと散って行った。
ここで、グループの最大のライバルであるオーストラリアとの試合に臨む日本の先発メンバーへ、望遠レンズを装着したカメラを向ける。遠藤航の体調不良により先発の出番が回ってきた田中碧をファインダーのなかに捉えると、彼は試合への集中力を高めるように、大きく深呼吸を繰り返していた。
選手にはそれぞれ試合に向けた集中力の高め方がある。そうしたなかで鋭い視線を放っていた三笘薫にシャッターを切った。カメラを通して目が合ったようにも思え、その切り取られた1枚は、結果的にこの対オーストラリア戦でもっとも印象に残る一瞬となった。
後半途中から出場した伊東純也【写真:徳原隆元】
■結果を出したいという意識が攻撃に拍車
こうして、迎えた試合。改めて言うまでもないが、今の日本の攻撃陣は、過去のチームと比較しても圧倒的な選手層を誇る。ヨーロッパ各地のリーグで活躍する三笘、南野拓実、堂安律、そして久保建英が八咫烏のエンブレムのついたユニフォームに着替え、オーストラリアゴールの攻略へと挑んでいく。
しかし、オーストラリアも日本の鋭い攻撃は織り込み済みで、屈強な守備陣でゴール中央を固く閉ざし得点を許さない。こうなると高い攻撃力を誇る日本といえども、簡単にはゴールネットを揺らせない。日本は攻めながらも最終局面を崩せない時間が続く。
この手詰まりの状況を打開するために、森保一監督は次々と交代のカードを切っていく。そのなかで伊東純也と中村敬斗のスタッド・ランスのコンビが躍動する。ヨーロッパの舞台で磨かれた、スピードと切れのあるフェイントを駆使したドリブルで、オーストラリア守備網を切り裂いていく。なにより2人のプレーは見ている者のハートを刺激するダイナミックさがあった。
ただ、このライバルとの一戦は攻撃陣の奮闘も実らず、ホームでありながら引き分けに終わる。今の日本の実力から言えば、決して満足のいく結果ではなかっただろう。サイドを攻略しながらもゴール前を崩せなかったことは課題として残り、本大会の出場を目指すライバルたちとの差を大きく広げることはできなかった。
それでも、油断は禁物だが、本大会への出場枠が増えた今、日本が予選で敗退することは考えにくい。それほど日本の戦力は充実している。当然、高いポテンシャルを秘めた選手たちのレギュラー奪取に向けた戦いは、これまでの日本にはなかったハイレベルな争いとなっている。誰もがレギュラーを約束されているわけではなく、今回はピッチに立てたが、活躍をしなければ次の先発は保証されない。
そうした結果を出したいという意識は、日本が生み出す攻撃に拍車をかけているのではないだろうか。対戦相手だけでなく、チーム内の競争にも勝ち抜きたいという心に秘めた闘志が、ウォーミングアップをする三笘の厳しい表情から感じられ、カメラのシャッターを切ったのだった。その鋭い眼光は勝利を勝ち取るための原動力だ。(徳原隆元 / Takamoto Tokuhara)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
ドリブラー×ドリブラー実現、久保建英も「面白い」 森保監督が初の試み…その狙いとは?
FOOTBALL ZONE / 2024年10月16日 5時30分
-
中村敬斗が日本代表を救った!縦突破から千金クロス 同点オウンゴールを誘発
スポニチアネックス / 2024年10月16日 5時8分
-
中村敬斗が誘発OG サッカー日本代表25試合連続得点の記録更新…三笘と初の同時出場で華麗ドリブル披露
スポーツ報知 / 2024年10月16日 5時0分
-
なぜ久保建英は日本代表で“先発落ち”したのか 「点をとってなんぼ」という言葉ににじむ矜持
スポーツ報知 / 2024年10月13日 22時25分
-
鬼門初攻略の日本が3連勝! 鎌田大地&小川航基のゴールでサウジとの首位攻防戦制す【2026W杯アジア最終予選】
超ワールドサッカー / 2024年10月11日 5時0分
ランキング
-
1大谷翔平「無安打」の陰で、ロバーツ監督の“迷采配”が大炎上。ドジャースファンから怒り心頭の声も
日刊SPA! / 2024年10月16日 15時50分
-
2藤川阪神はヘッド&二軍監督の組閣難航で多難すぎる船出…鳥谷敬氏や赤星憲広氏の招聘は絶望的
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年10月16日 11時32分
-
3由規、引退会見でファンを想い涙 「よくやったなと自分を褒めてあげたい」 右肩手術を乗り越え17年間の現役生活
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年10月16日 19時13分
-
4佐々木朗希めぐりドジャースに“また”タンパリング疑惑…一部メジャー球団がMLBに猛抗議!
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年10月16日 9時26分
-
5西武、歴史的最下位の代償 〝鬼軍曹〟鳥越裕介氏が綱紀粛正へ…1、2軍問わず規律徹底か 西口監督「僕よりも厳しく、選手に接して」
zakzak by夕刊フジ / 2024年10月16日 10時52分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください