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10月シリーズ目立った「頭のいい選手」 W杯躍進には不可欠、複数タスクこなす大黒柱【前園真聖コラム】

FOOTBALL ZONE / 2024年10月18日 6時30分

■守田英正は大車輪の活躍を遂げた

 2026年北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終予選、10月の日本代表はアウェーの鬼門ジッダでのサウジアラビア戦で2-0と勝利を収めると、ホームでのオーストラリア戦では1-1の引き分けに持ち込んで無敗をキープした。元日本代表の前園真聖氏はこの2試合を通じて1人の選手だけが目立っていたという。果たして前園氏のお眼鏡にかなったのは誰か聞いた。(取材・構成=森雅史)

   ◇   ◇   ◇   

 10月の2試合は素晴らしい戦いを見せたサウジアラビア戦と、課題が浮き彫りになったオーストラリア戦という、明暗ハッキリした戦いでした。

 サウジアラビア戦はロベルト・マンチーニ監督が意表を突いて4バックでスタートしてきたのにもかかわらず、しっかり対応するだけでなく、攻守におけるチームの意思を統一してジッダでの初勝利を挙げることができました。守るところはみんなで守り、攻める時は一気に攻めるというみんなのビジョンが一致した、熟成された戦いぶりを見せてくれたと思います。

 ところがオーストラリア戦は守備偏重の相手に対してなかなか打つ手がないまま時間だけが過ぎてしまいました。チームとして取り組むべき課題に対して、個人の能力だけで解決してしまおうという戦いになっていたと思います。局面ではよく見えても、結局は崩せないまま終わってしまったという、まだまだ日本にはやるべきことがたっぷり残っているのを浮き彫りにした試合でした。

 ただ、この2試合で非常に目立った選手がいました。サウジアラビア戦では自分の役割を存分に発揮したことでチームの中心核として機能していました。一方のオーストラリア戦ではチーム事情で役割を果たすことができず、そのため日本が苦しんで、余計に存在感が浮かび上がったのです。

 オーストラリア戦のあと、鎌田大地がサイド攻撃に片寄ってしまって攻略できなかった理由について聞かれ、こんなコメントを残しています。

「相手がはめてきているのに対してうしろに人がいすぎたっていうのが1番だと思うのですが、いつもだったら守田英正選手が何度も1列前に出て僕とポジションを入れ替わったりというふうにしていたのが、今日に関しては守田選手が1列うしろに下がってボランチが田中碧選手1人で、自分たちのところに入っても、フリックだったり、使える場所がないということがあったし、前にちょっと人数が少なかったという印象です」

 これこそまさに守田がサウジアラビア戦で果たしていた役割でした。象徴的なのが前半14分の鎌田のゴールシーンでしょう。右の堂安律から逆サイドの三笘薫に送られたパスを、三笘はダイレクトで折り返します。このボールをヘディングで折り返し、鎌田のゴールをアシストしたのが守田だったのです。

 このほかにもパスカット、身体を寄せてのボール奪取、中盤でのボールの配球、そしてチャンスと見ればペナルティーエリア内に飛び出していくなどと、大車輪の活躍を見せていました。元々頭のいい選手ですから、複数の役割をこなすことも問題ないのでしょう。

 遠藤が体調不良で欠場したオーストラリア戦では田中とコンビを組みましたが、前回の予選の時とは違った関係性でプレーしていました。当時は田中がうしろでボールのつなぎ役になり、縦に差し込むプレーを得意としていたため、守田は前に出てプレーしていました。

 ですが、今回は守備の能力を買われて守田がうしろ、田中が前という形になっていました。守田は攻撃の時、谷口彰悟の左右に落ちて最終ラインを形成し、そこから長短織り交ぜたパスを配球していました。

 急きょ出番を迎えた田中のプレーがよくなかったかというと、そうではありません。ですがサウジアラビア戦の守田の大活躍と比べると、まだ周囲の選手とのコンビネーションが出来上がっていなかったために、同じ絵を描くのが難しかったということでしょう。そして、それだけ今の日本代表にとって守田の存在が大きいということです。

 ただ、この守田のような活躍をする選手がもっとチームの中にいないと、W杯で躍進することなんてできません。ほかの選手も今後さらに活躍できるよう、自分のチームで力を磨いていってほしいと思います。(前園真聖 / Maezono Masakiyo)

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