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なでしこ完成度「65%くらい」 佐々木監督代行が実感、選手が指摘「ガラッと変わる可能性も」

FOOTBALL ZONE / 2024年10月27日 11時50分

■佐々木監督代行「経験も生かしながら次の監督にバトンを渡したい」

 なでしこジャパン(日本女子代表)は10月26日に韓国女子代表と国際親善試合に臨んで4-0で勝利した。監督代行を務めた日本サッカー協会(JFA)女子委員長の佐々木則夫氏は、今後の指標になるゲームをテーマにした中で「65%くらいは今の段階ではできたのかな」と話した。

 日本は今夏のパリ五輪を終え池田太監督が退任。正式監督が未決定の中で、日本サッカー協会(JFA)女子委員長で2011年ドイツ女子ワールドカップ(W杯)優勝監督の佐々木則夫氏が監督代行を務めた。男子の世代別代表でロールモデルコーチを務めた元日本代表DF内田篤人氏がコーチを務めるなど、この1試合限定の体制で日韓戦に臨んだ。

 スタメンにはMF長谷川唯やDF熊谷紗希ら、これまでのチームでも主力だった選手が多く並んだ。佐々木監督代行は「控えに回っている選手は経験が浅く、国立の舞台でいきなりノッキングしては困るので、安定したメンバーでスタートして表現したなかで、次に経験の浅い選手を投入しようというプランを立てた。そこから1人でも多くピッチで経験、体験をさせていきたかった」と起用の狙いを話した。

 この試合に向けて佐々木監督代行は、パリ五輪の戦いは相手ボールの際に引きすぎて奪いにいくアクションが少なかったことを反省材料に挙げていた。後方からつないで相手ゴールへ迫っていくプレーも含め、「新たなスタートを切るにあたっての指標になるようなサッカーにみんなでトライしよう」という狙いを共有していたとした。

 そのゲームで日本はセットプレーでのゴールも含め前半に3点、後半には途中出場した19歳のMF谷川萌々子がゴールした。このゴールについて「良い形だったと思う」と話した佐々木代行は、あらためて表現したかったものを「ボールを失った瞬間の切り替えの速さ、奪った瞬間のアクション、ダメならボールを動かすことへのリズムの切り替えをテーマにした」と話した。

 長谷川はこの日の戦いについて、相手と力の差があった部分を割り引いて考える必要がある点に触れつつも「ポジティブな要素もたくさんあったし、生かしたいことや今後もこうやっていきたいと思う部分もあった」と話す。そして、「監督が決まったらメンバーがガラッと変わる可能性もあるし、誰が招集されるかも分からない。それでも、なでしこの今後のコンセプトをしっかり確認しながら、それを出せた試合になったと思う。今日の勢いや、前からいく姿勢は次につなげていければいい」と、この1試合と、そのために集まって活動したことの意義を話した。

 女子委員長として、年内を目標に正式監督を決定したいと話している佐々木監督代行は「なでしこジャパンのイメージを少しでも近づけて、経験も生かしながら次の監督にバトンを渡したい。彼女たちならW杯や五輪で期待に応えられるチームになると思うので、そこのスタートになれたらと。65%くらいは、今の段階ではできたのかなというところ」と、この試合を総括した。

 昨年の女子W杯、今年のパリ五輪と、自陣にブロックを作ったところからカウンターを仕掛ける印象の強かったなでしこジャパンが、この日は少し懐かしさも感じさせるようなパスワークとプレッシングの姿があった。正式監督決定後も、この韓国戦を次のサイクルのコンセプトとして歩みを進めることになりそうだ。(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)

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