日本で苦労した“文化の違い” J助っ人が来日9年で抱いた日本への愛着「とても気に入っている」【インタビュー】
FOOTBALL ZONE / 2024年11月2日 11時10分
■ディエゴ・オリヴェイラが日本での成功を掴むために苦労したこととは?
FC東京に所属するFWディエゴ・オリヴェイラは、2016年にブラジルから来日して柏レイソルに加入した。来日して9シーズン目を戦っている。ゴールを量産し続けるブラジル人ストライカーは、日本で9年目の生活を過ごしている外国人でもある。そんなディエゴが日本に抱く愛着を話してくれた。(取材・文=河合 拓)
◇ ◇ ◇
ディエゴはFC東京に移籍してから今年で7シーズン目を迎えた。11月2日現在、J1通算276試合91得点を挙げているブラジル人ストライカーは、日本では柏時代と合わせて、9年目のシーズンを過ごしている。
選手が自国以外で活躍するためには、新たな環境に飛び込む勇気とそこに適応することが必要だと語ったディエゴ。彼も来日当初に苦労したが、成功を掴むために乗り越えていったと振り返る。
「自分の国を出て他の国でサッカーをするというのは、サッカーのスタイルも違いますし、言葉、食べ物、時間の感覚とか。文化の違いもありますので非常にいろいろと困難でした。もちろん私もこちらに来て、いろんなことに苦労しました。それでも私は日本で長くプレーしたかったし、早く日本のチームに馴染みたいという気持ちがあったので、そういったいろんな困難も早く克服しました。比較的早く日本に馴染めたと思いますが、本当にどの選手にとっても異国でのプレーは大変だと思います。その結果、日本にも溶け込めたし、馴染めたのではないでしょうか」
困難な環境を乗り越えられた要因の一つに、インターネットの発展があったという。以前であれば出身国であるブラジルとやり取りをするのは簡単ではなかったが、今ではインターネットが身近な存在となり、すぐに家族とも連絡が取れる。
「本当にありがたいのは今、これだけインターネットが普及していること。ブラジルの情報も得られますし、家族とも電話をしたりコミュニケーションが取れています。本当に昔に比べて、すごく役に立っていますし、気持ちに余裕が持てています。私個人は、それほど不自由なくやれています」
ディエゴは日本に適応できたが、「極端に言えば、日本に来て馴染めないから、すぐにブラジルが恋しくなって帰りたいという選手もいっぱいいます」と、外国人選手にとって日本への適応には難しいことがあると話す。
そして、「私もそう思うことがありましたが、それ以上に日本で活躍したい気持ちがあったので我慢しながら克服できたと思っています。これまで長く日本にいて、この先、いつまで日本にいるか分かりませんが、長く日本でプレーして自分の人生もいろいろ変わってきたので、非常に感謝しています」と、成功の根底に絶対に成功するというモチベーションがあったことを強調した。
ディエゴがこの先のキャリアについて話した【写真:徳原隆元】
■日本で描くキャリアの終着点
現在34歳とベテランの域に達した。この先のキャリアについては、「あと何年プレーするかわかりません。とは言っても、私のキャリアはそんなに長くないと思っています。キャリアの最後は日本でという思いがありますし、できればFC東京でキャリアを最後までという気持ちで今はやっています」と言い、引退後についてはブラジルに帰ることになるだろうと続けた。
「その先というのは、まだ考えていません。おそらくブラジルに帰って生活をするでしょう。それでも日本がとても気に入っているので、ブラジルに帰ったら『また日本に遊びに行きたい』ということになるでしょう。引退後も日本には何回も来るはずです」
ちなみに日本に住む外国人は、5年住めば日本に帰化申請できる権利を得られる。日本語の読み書きなどができるなど、クリアしなければならない様々な条件もあるが、これまでに「日本に帰化して日本代表入りを考えたことは?」と聞くと、「日本という国には、これだけ長く住んでいるわけですから、非常に愛着もありますし、ありがたみも感じています。でも帰化することは考えませんでしたね。私が帰化しなくても、若い選手たちがいっぱいいましたからね。私の出る幕はありませんよ」と笑った。
自身が過ごす9年間の道のりを振り返りながら、日本への愛着を話したディエゴ。残り4試合、チームのためにゴールを目指すプレーを全うする。
[プロフィール]
ディエゴ・オリヴェイラ/1990年6月22日生まれ、ブラジル・パラナ州クリチバ出身。パワフルなフィジカルと優れた得点感覚を持つストライカー。2019年にはJリーグベストイレブンに選出され、2023年にキャリアハイの年間15ゴールをマーク。多彩なプレースタイルと献身的な守備が魅力。(河合 拓 / Taku Kawai)
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