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名門復活に期待も…「優勝争いはほど遠い」 選手語った現実、重圧放たれ「劇的に変わった」

FOOTBALL ZONE / 2024年11月11日 20時10分

■J1残留確定の浦和、選手&監督が口にした残り試合に対する意味

 浦和レッズは11月10日のJ1第36節サンフレッチェ広島戦に3-0で勝利し、J1残留を確定させた。この試合で浦和復帰後の初ゴールを決めたMF原口元気は「何が目標かって、来年優勝すること」と、シーズン残り試合に対する意味を話した。

 浦和は前半に広島に押されてかなり苦しい試合になったものの、ハーフタイム突入間際にMF関根貴大のラストパスを相手DFが処理を誤ったところをついてFW松尾佑介が先制ゴールを決めた。逆に後半立ち上がりは勢い良くハイプレスを仕掛け次々に決定機を作ると、松尾のシュートをFWブライアン・リンセンがコースを変えてゴールに流し込んで追加点。試合終了間際には、カウンターからFW前田直輝のラストパスを原口が蹴り込んで試合を決定づけた。

 原口は2014年夏にドイツ移籍をして以来、今年9月に約10年ぶりの浦和復帰をしていた。この日のゴールがそれからの初ゴールとなり、浦和で得点者に名を連ねるのは14年4月26日の柏レイソル戦以来になった。

 シーズン中の監督交代に踏み切ったものの、その後に4連敗したこと、主力選手の移籍後にその穴を埋める補強ができなかったことなど、シーズンの歩みは良いものではなかったが、この勝利でJ1残留を確定させた。

 試合後に原口は「何が目標かって、来年優勝することだし、そのために(シーズンの残り)3試合は無駄にできない」と話す。一方で、この広島戦については「今日チームが見せたパフォーマンスが、かなりマチェイさんの理想に近いんじゃないかなと思うので、しっかり守って、自分たちのいい時間帯で、効率よく点を取る。前がかりになったところでカウンターで点を取るっていうのは、彼が思い描いている理想にかなり近いゲームだったのではないか」と、来季への指標になるゲームになったという手応えを話した。

 J1で浦和が残留争いをするのは5年ぶりだが、その間に別の所属チームで残留争いや降格を経験した選手もいる。松尾もその1人だが、「間違いなく言えるのは、残留という文字がちらついて、チームは劇的に変わった。その残留がちらついたからやっているのでは、優勝争いはほど遠い。シーズンの当初からそれぐらいの緊張感をチームに作り出して、常に自分たちにプレッシャーをかけて試合をしていきたい。そのきっかけになればいい」と、メンタル的な要素について話している。

 マチェイ・スコルジャ監督は「1つのプレッシャーが消えた状態で今後の試合ができることを嬉しく思う」と話した。そして「時間の有効活用をしたい。もちろん、今シーズンをできるだけ高い順位で終わらせる目標がある。しかし、今まで出場機会があまりなかった選手たちにチャンスを与える時間でもある」と、残りの試合について話した。

 来季にはクラブ・ワールドカップ(W杯)への出場も控える浦和だが、優勝はおろかリーグ戦の成績でAFCチャンピオンズリーグ(ACL)への出場権を獲得したのも2016年が最後であり、近年では年間を通して安定した力を発揮できたシーズンがない。今季の優勝争いをしている広島から勝利を収めた試合を1つの基準にしながら、ピッチ内外で充実したチームを作っていく助走期間として残り試合を生かすことが必要だろう。(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)

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