高卒→即欧州挑戦へ影響を受けた“先輩の存在” 18歳“逸材”が見据える未来「A代表は狙っている」【インタビュー】
FOOTBALL ZONE / 2024年11月14日 7時10分
■ヘンクの吉永夢希は神村学園1学年上の福田師王の存在について言及
ベルギー1部ヘンクのセカンドチームでプレーしているU-18日本代表DF吉永夢希は、高校を卒業後にJリーグを経由せず欧州への挑戦を選んだ。その理由の1つに、神村学園で1学年先輩で、同じく高校卒業後にドイツ1部ボルシアMGへ加入した福田師王の存在があったと明かしている。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小西優介/全2回の2回目)
◇ ◇ ◇
吉永は熊本でプロを何人も排出しているソレッソ熊本から名門・神村学園に進学した。1年生の時は「周りのレベルが高くきつかった」と振り返ったが、高2、高3と全国高校サッカー選手権で2年連続優秀選手に選ばれるなど、着実に成長し、2年のインターハイ後からはアンダー世代の日本代表にも呼ばれていた。
そのあたりから自信がついてプロを意識し始めたという吉永は、そこで国内ではなく海外を選んだ理由に「師王さんの存在が大きかったです」と話し、国内外から注目されていた1学年上でボルシアMGの福田師王の影響があったと言及している。
福田は高校1年時から神村学園で主力として活躍し。英紙「ガーディアン」が、2004年生まれの選手を対象に次世代ヤングスター候補60人をリストアップしたなか、日本から唯一選出されていた。その後も高校年代で活躍し、進路が注目されたが、ボルシアMGへ加入を決断した。
福田について吉永は「師王さんが高校からすぐに海外へ行ってくれたことによって、海外へのルートが想像しやすかったですし、身近な人が行ったので、自分も挑戦したいと思えた。師王さんには感謝しかない」と、先輩への感謝の思いを述べた。
また、ヘンクへの加入を決めるにあたって、「師王さんからは早めに海外へ行った方がいいと思うとずっと言われていた。食事をした時、会う度に現地での経験や話を聞いて、やっぱり海外の方がいいんじゃないかという思いが募って決断しました」と、海外移籍へ福田の存在や助言が大きく影響していると明かした。
ロス五輪への思いを話した【写真:(C) KRC Genk】
■ロス五輪代表へは「入らないといけない」
現在18歳の吉永は“ロス五輪世代”として注目されている年代である。この世代には国内で活躍する中島洋太郎(広島)や、J3で主力級の活躍を見せている市原吏音(大宮)、さらに国外には後藤啓介(アンデルレヒトⅡ)、塩貝健人(NECナイメンヘン)、道脇豊(ベフェレン)、小杉啓太(ユールゴーデンIF)などタレントが勢揃いしている。
吉永も高校2年時から各年代のアンダー代表に呼ばれているなか、「パリ五輪を見ていたのもありますが、ロスは常に狙っているし、入らないといけないと思っています」と語った。
将来的な目標としては「A代表」とし、「高井選手がA代表に呼ばれているので、4年後のロス五輪で結果を残せば、その後招集される可能性もあると思います。常に結果を残して最終的にA代表に入れるように努力して頑張りたいと思う」と、19歳で森保ジャパンに招集され、20歳でデビューした川崎フロンターレDF高井幸大の名を挙げつつ具体的な未来を見据えている。
また、クラブレベルでは「最終的にはプレミアリーグでプレーしたい」と明かし、昨季プレミアでプレーしたルートン・タウンDF橋岡大樹やアーセナルDF冨安健洋のプレーは、「守備の面ではポジショニングを参考にしています。自分は攻撃に比べて守備に課題があると思っているので、見ていて勉強になる。プレミアでやるならこれぐらいのレベルが必要なんだ、凄いなと思う」と、自身の課題と照らし合わせているという。
ほかにも参考にしている選手は、スペイン1部のバルセロナで長年活躍し、現在はアメリカのインテル・マイアミでプレーする元スペイン代表DFジョルディ・アルバだという。「ジョルディ・アルバのプレーはよく見ます。オーバーラップやクロス、1つのクロスにしても入れる場所、種類を何個も持っている。DFだけど常にゴールやアシストで結果を残している。見ていて楽しいですし、ああいう選手になりたいと思う」と明かしている。
高校卒業後すぐに海外での生活は大変ななか、「チームから大切にされていると常々感じている」と語り、「言葉があまり分からなくても、監督や選手からしっかりコミュニケーションを取ってくれている。生活面も難しいですけどいろんな方が支えてくれているので、結果を残し続けて頑張りたい」と、高校卒業後に即欧州へと挑戦している弱冠18歳が力強く意気込んだ。
[プロフィール]
吉永夢希(よしなが・ゆめき)/2006年2月22日生まれ、熊本県出身。プロを何人も輩出しているソレッソ熊本から名門・神村学園に進学。高校2年、3年と全国高校サッカー選手権で優秀選手に選出。23年10月にヘンクへ内定、翌3月に4年半契約を発表。U-17アジアカップ、U-17W杯に出場。U-18日本代表スペイン遠征にも選出。(FOOTBALL ZONE編集部・小西優介 / Yusuke Konishi)
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