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地元に根付いたJクラブ「来ている方に品がある」 “地域密着”を代表OB称賛「人口の割に凄い」【見解】

FOOTBALL ZONE / 2024年11月13日 20時10分

■【専門家の目|栗原勇蔵】アルビレックス新潟というクラブの在り方を称賛

 松橋力蔵監督の率いるアルビレックス新潟は、今シーズンのルヴァンカップでクラブ史上初の決勝進出を果たした。決勝ではPK戦の末に名古屋グランパスに敗れたが、国立競技場に詰めかけた大勢のサポーター、低い位置からGKも使って果敢にパスをつなごうとするスタイルを貫いた点などは、あらためて高く評価された。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)

  ◇   ◇   ◇   

 初のタイトル獲得にあと一歩のところまで迫った新潟について、元日本代表DFの栗原勇蔵氏は現役時代に「ファミリーも多いし、(試合を見に)来ている方たちに品があり、熱い応援をしていたなという感じはすごく受けていました。浦和みたいに熱くて男臭いところもあれば、新潟みたいに品もあるけど熱いサポーターもいるという感じですね。個人的にも新潟は、ご飯も美味しいし、アウェーで試合に行くのが楽しみなチームでした」という印象を持っていたという。

 また、今回のルヴァン杯決勝ではスタメン全選手が日本人選手で、MF小見洋太や東洋大所属で来季正式加入のDF稲村隼翔ら、若い選手たちの活躍が光ったが、『補強上手なクラブ』という印象も以前から強いという。「基本的に外国籍選手がすごく当たるというか、いい選手を取ってくるイメージ。それが浦和に行ったりとか、うまくやっている印象はすごくありますね」と、過去にFWエジミウソン、MFマルシオ・リシャルデス、MFラファエル・シルバといった浦和に移籍した選手をはじめ、FWペドロ・ジュニオールや、MFレオ・シルバのように他のJクラブでも活躍する外国籍選手を補強していたチームの印象を語った。

 だが、自身の新潟にまつわる思い出は、決して明るいものだけではないようだ。最も印象深い新潟とのエピソードを聞くと、「新潟に行っての試合ではありませんが、2013年に優勝にリーチがかかっていた時に、ラスト2試合のところで新潟に勝てば優勝という試合を迎えました。当時の新潟にはFW川又(堅碁)とかがいたチームだったのですが、そこで負けて優勝できなかったんです。それが一番、印象に残っていますね」と、苦笑いする。

 それでも新潟がJリーグの理念に沿ったチームであり、クラブを率いている松橋氏が横浜FMのOBということもあって、多少の思い入れを持って決勝を見ていたと明かした。

「もともとJリーグは、『地域密着でやりましょう』というところから始まっています。そういう意味では新潟はもう長く頑張っているクラブ。人口の割には人数がすごく、いつも入場者数も入っています。確かにJ2に落ちたこともありますが、J1にいる期間も長い。ただ、そんな中で優勝に手が届いたことはなくて、今回(勝てば初の)タイトルというところでした。監督もマリノス(出身)の方なので、応援してたところもあるし、ああいうところが優勝すると、また盛り上がったりもするのかな、なんて思って見ていました」

「対戦相手の名古屋がどうこうではなく、それはJリーグを作った当時の思いが叶う瞬間でもあったと思います。地域密着、地域の人たちが支えるクラブという意味では、新潟はすごく分かりやすいクラブですから。本当に惜しかった。でも、逆にあと1歩というところで目標も明確になったと思うし、今後もタイトル目指して頑張ってほしいなとは思います。サポーターの方もすごく熱いし温かい印象があるので」

 今後の新潟の初タイトル獲得に期待を寄せた栗原氏。決勝進出を果たしたことは、普段、新潟のサッカーを見ていない人たちにとっても、改めて新潟というチームのことを意識させる大きなポイントとなったと言えそうだ。(FOOTBALL ZONE編集部)

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