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国歌へのブーイングには「制裁を」 日本代表OBが“厳罰化”を提案「スポーツを見る資格ない」【見解】

FOOTBALL ZONE / 2024年11月20日 12時1分

■【専門家の目:栗原勇蔵】中国ファンの日本国家へブーイングに言及

 日本代表は11月19日に行われた北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の第6節で中国代表と対戦して3-1の勝利を収めた。完全アウェーのスタジアムで日本の選手たちは激しいブーイングを浴び続けたが、元日本代表DF栗原勇蔵氏は、試合前の国歌斉唱の際のブーイングについては、取り締まりを厳しくするべきと持論を展開した。

 2006年から2013年まで日本代表に招集され、国際Aマッチ20試合に出場した経歴を持つ栗原氏は、「中国のホームということで、映像で見ていてもスタジアムはすごい雰囲気でした。声援がかなり聞こえていたし、間違いなく中国の選手たちは、あれでモチベーション上がって、(9月の)日本のホームで戦った時よりも強度は確実に上がっていたと思います。一人ひとりの技術や能力を見ると、日本の方が上かなと思うところはありましたが、中国も決して弱くなかった」と、直近の2試合を連勝して順位を上げていた相手について語った。

 満員のスタジアムで自国のサポーターから応援を受けることで、選手たちは大きな力を得るという。それがホーム&アウェーで試合を行う醍醐味でもあるのだが、この試合では残念ながら『君が代』の国歌斉唱の際に、大ブーイングが起きていた。

 対戦相手の国歌斉唱の際にブーイングが起こることについて、栗原氏は「相手に対しての敬意がない」と、批判した。「試合中にどれだけブーイングしようが何しようが構いませんが、お互いの国歌が流れている時に、集団でブーイングしたり、応援をやめなかったりというのは……。そこもFIFAがルールをきっちり決めてくれないと、なくならないんじゃないかなと思います。もういい加減、問題になっているんだから、もっと取り締まってほしい」と言い、自身の経験を振り返った。

 それは2011年11月15日に平壌の金日成競技場で行われたブラジルW杯アジア3次予選第5戦の北朝鮮戦でのことだ。この試合でピッチに立った栗原氏は、「自分も北朝鮮に行った時に、国歌が聞こえないぐらいブーイング受けた」と、10年以上も前からアジア各地で変わっていない状況について触れ、「もう出場資格を与えないとか、それぐらいのレベルじゃないといけないんじゃないかなと思います。成長しないですよね。国の問題だからしょうがないとか言うのであれば、こういう大会自体なくせばいい。そもそも平和でスポーツとしてやっているから成り立っているわけで、戦争みたいな感じで、昔の歴史のこととかを持ち出して、(ブーイングなどを)やめることができないのであれば、そもそもこういう大会自体やめるしかないと思います」と、自身の考えを語った。

 中国や韓国、北朝鮮では、反日感情が示されることが少なくない。それでも栗原氏は「それは過去のことで、しかも政治のことなので、スポーツにそれは持ってきてほしくないという気持ちは昔からあるし、ほとんどの人はそう思っていると思います」と言い、あらためて「そういうことをやった場合には制裁を受けなくてはいけない時代なのかなと思います。過去のこととか国のことも、もちろんあると思います。でも、やっぱりスポーツを見る資格はないですよ。過去に何があったとかいうのはあるでしょうが、それは政治とか国の問題。スポーツはスポーツでやらないとおかしな話になります。もし、そういうことが今後あれば、どんどん取り締まっていかないと。安全に平和に、娯楽、エンターテインメントの1つなので、政治と一緒にするとダメなので、そこは切り離して楽しんでもらいたいなってとこあります。戦争ではないので」と、対戦相手へのリスペクトを欠く行為の根絶を強く訴えた。(FOOTBALL ZONE編集部)

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