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日本の躍進に驚きも…欧州国との比肩「簡単ではない」 元スペイン代表からの提言【インタビュー】

FOOTBALL ZONE / 2024年11月21日 6時50分

■モリエンテス氏「ワールドカップで勝ち上がるにはチームの総合力が必要」

 2022年に行われたカタール・ワールドカップ(W杯)から、もうすぐ2年が経つ。「三笘の1ミリ」でスペインを破る番狂わせに日本中が沸いた一方、次の大会ではベスト8以上という目標も明確に。この試合を見た元スペイン代表の名FWフェルナンド・モリエンテス氏が、日本代表について語った。(取材協力=ダイヤモンドグループ/全3回の2回目)

   ◇   ◇   ◇

 今年11月27日に行われる「ダイヤモンドカップ」で、ニッパツ三ツ沢球技場のピッチに立つモリエンテス氏。レアル・マドリードなどで名を轟かせた名ストライカーは、現在もラ・リーガのアンバサダーなどとして世界中のサッカーを見つめる。そして、あの日本戦は「もちろん悔しかったですよ」と明かした。

「僕らも崖っぷちの状況でのグループ最終戦だったので、絶対に勝たなければならない試合でした。ただ、結果的に勝つことができなかった。前半はスペインが先制し流れを掴みましたが、後半のたった3分間で状況が変わった。もしVARがなかったら、あのゴールはノーゴールになっていたかもしれないですね」

 モリエンテス氏と言えば、2002年の日韓W杯で大会3ゴールの大活躍。そして、準々決勝の韓国戦では、決勝ゴールが取り消された悲運でも語り継がれる。自身の苦い経験と比較し、「ただ時代が変わりサッカーも変わった。それがいいか悪いかは分からないですが、結果的にスペインは負けました」と振り返った。

「そこまで日本代表の試合を見たことはなかったですが、W杯で言うと正直、驚かされました。スペインが負けるとは思っていなかったですし、日本選手の粘り強さや勢いというものに、試合中に流れが変わってやられてしまった。でも、また日本と当たることになれば次はスペインが勝ちますよ」

 また、欧州で活躍する日本人選手が増えてきたことも実感。「久保建英選手で言えば、ラ・リーガで素晴らしい活躍を見せています。チームを牽引する存在になってきたと感じています。昔はラ・リーガでプレーする選手はいたけど、チームを牽引しラ・リーガの顔になる日本人とまではいかなかった」と分析する。

 一方、日本が欧州に追いつくことには「これは簡単ではありません」と厳しく指摘。「やはりサッカーの歴史や文化の違いはどうしてもあるでしょう。1つのことを取り上げるというのは難しく、これをどうすれば、というのはないですが、スペインがW杯で優勝した時もEUROで優勝した時もそうですが、とにかくチームのまとまりがありました」と組織としての違いを説いた。

「そこにはラ・リーガの競争力があり、さらには各ヨーロッパで活躍している選手の経験がある。日本も最近では多数の選手がヨーロッパで活躍しています。ただW杯で勝ち上がるには、選手の個人力ではなくどうしてもチームの総合力が必要になってきます。そこをどう上げていくかが鍵になると思っています」

 日本サッカーへの貴重なアドバイスをくれたモリエンテス氏。11月27日に開催される「ダイヤモンドカップ」では、元ブラジル代表のカカ氏、元スペイン代表のダビド・シルバ氏、元フランス代表のロベール・ピレス氏ら往年の名選手たちと夢の共演を果たす。どのようなプレーを見せてくれるのか、楽しみだ。

[プロフィール]
フェルナンド・モリエンテス/1976年4月5日生まれ、スペイン出身。アルバセテ―サラゴサ―レアル・マドリード―モナコ(ローン)―リバプール―バレンシア―マルセイユ。スペイン代表では国際Aマッチ通算47試合に出場し、27得点は歴代7位。現在は解説者やラ・リーガのアンバサダーとして活動している。(FOOTBALL ZONE編集部)

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