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消滅クラブで決勝弾→指揮官で初V 神戸監督が語る25年前との違い「毎試合がプレッシャー」

FOOTBALL ZONE / 2024年11月23日 18時37分

■神戸は天皇杯決勝でG大阪に1-0で勝利

 J1ヴィッセル神戸は11月23日、国立競技場で行われた第104回天皇杯の決勝戦でガンバ大阪を1-0で下し、5大会ぶり2回目の優勝を飾った。選手時代に横浜フリューゲルスのストライカーとしての優勝して以来、監督として初めての天皇杯制覇を果たした神戸の吉田孝行監督は「同じタイトルだけど、そのプレッシャーは違うのかな」と、その思いを話した。

 第78回大会の決勝、1999年の元日決戦は横浜フリューゲルスと清水エスパルスの対戦だった。すでにチームの消滅、翌シーズンに横浜マリノスに吸収合併されることが決まっていた横浜フリューゲルスにとっては本当のラストゲームだったが、1-1で迎えた後半27分にストライカー吉田孝行が決勝ゴールを決めた。それから25年が経ち、改修して様変わりした国立競技場で監督として初めて天皇杯決勝の舞台に立った。

 そのゲームは前半から互いに堅い展開だったが後半18分、ロングボールを起点に前線でボールを収めるとFW武藤嘉紀がドリブルでペナルティーエリア内へ侵入。シュート性のラストパスは相手選手がギリギリのところで弾き出したが、こぼれ球をFW宮代大聖が押し込んで先制に成功。この1点を守り切って神戸としては5大会ぶり2回目、吉田監督にとっては立場を変え2回目の頂点になった。

 試合後の記者会見で吉田監督は選手時代との優勝の違いについて「フリューゲルスの時の決勝、あの感覚と今の感覚は全然違うと思う。あの時は1日でも長くフリューゲルスのメンバーでやりたいという思いだったし、負けたら終わりというプレッシャーとの戦いでもあった。だからこそ喜びもすごく大きなものがあった。フリューゲルスの時と今と同じタイトルだけど、そのプレッシャーは違うのかなと。ただ、監督はタイトルとかそういうのではなく、毎試合がプレッシャーなので違う意味でのプレッシャーや重みを感じながらやらせてもらっている」と話す。

 そして、あらためて天皇杯というタイトルの重みについて「歴史のある大会であるし、昔はこれが一番重みのある大会だった。そういう大会で優勝できるのは嬉しいし、こういう結果を出したことに選手やスタッフに感謝をしたく、みんなを誇りに思う」と話した。

 この大会で神戸は6試合を勝ち抜いてきたが、27人の選手が出場してきた。例えば先制点に絡んだMF佐々木大樹は今大会を勝ち抜いた立役者の一人だが「色々な選手が出場してきた大会でもあるので、メンバー選びも悩んだ。最後は自分も勝つためにということで、(出場選手には)悔しい思いをした選手の分も頑張らなければいけないとも伝えた」と、最後は勝負に徹した。

 昨季のリーグ優勝から2シーズン連続でのタイトル獲得となり、今季もリーグ首位でラスト2試合を迎える。「監督としてもタイトルを獲れる監督を目指しているので、勝つということには向上心を持っていきたい」と話す吉田監督は、現役時代を思い出させるような勝負強さで天皇杯を勝ち獲った。(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)

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