ジーコ、来夏広島でオールスターマッチ実施へ ブラジル以外で初…ロナウジーニョも参戦

■広島県内でプレイベントを開催

「Zico All-Star Game Hiroshima製作委員会」は11月27日、2025年8月に被爆80年を迎える広島での特別イベントの一つとして、2025年7月にエディオンピースウィング広島で国際チャリティーマッチを行うと発表した。27日に行われた開催を宣言するプレイベントでは、鹿島アントラーズのクラブアドバイザーを務めるジーコ氏が平和記念資料館を訪れ、チャリティーマッチ開催への思いを語った。

　このチャリティーマッチは、ジーコ⽒と長男のジュニオール⽒が代表を務め、「Jogo Das Estrelas」として、毎年1回ブラジル国内にて世界平和を願い開催されていたなか、2025年には国外では初となる広島で開催することとなった。元ブラジル代表FWロナウジーニョ氏の参戦もサプライズで発表された。

　ジーコ氏はジュニオール氏らと27日に広島県内にある平和記念資料館を訪れ、施設を30分ほど⾒学。さらに平和記念公園内の原爆死没者慰霊碑への献花を行った。資料館を訪れたのは2回目というジーコ氏は「時の痛みや悲しみ、日本全国が痛みに囲まれたと思うけど、素晴らしい日本に作り直して、素晴らしい広島に建て直して、やっぱり日本は凄いと思った」と語った。

　また、「数年前にも広島を訪問したことがあるけど、選手としても違う意味合いで今回は来た。セレモニーとしてもっと日本人を尊敬できたかなと。これだけ立て直せる、日本人の“力”が素晴らしい」と、久しぶりに訪れた心境を明かしている。

　ブラジル以外では初の開催となるチャリティーマッチについて「被爆して80年ですが、私は18歳の頃から社会貢献活動に関わっていて、来年はちょうどブラジルと日本の130周年記念なので今回の活動の意味はそこにあるんじゃないかなと。次世代に残していく、人助けというメッセージを残していくというのを皆さんに伝えていきたい」と、来年に日本とブラジルの両国が外交関係樹立130周年の節目の年であることにも触れている。

　そして、このチャリティーマッチを通じて「サッカーというものは平和のメッセージである。幸せや笑顔、良いことを全世界に発信していきたい」と目的にも言及。最後には資料館に展示されているものを見て、「20世紀に入っても戦争が続いて、人が苦しんで、同じつながってる世界なのに、まだ続いているのが信じられない。展示されてるものは世界中のリーダーの人たちに、毎日のように発信していかなくていけないと私は思います」と力強く語った。（FOOTBALL ZONE編集部・小西優介 / Yusuke Konishi）